岩井圭也のレビュー一覧
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主人公の2人やそれを取り巻く大人たち、従姉妹、周囲の人を含めて変な人しかおらず納得できない小説でした。どうして親が殺人犯ということでそこまで卑屈にならなければならないのでしょう。血の繋がりがあるのだから容貌や気質など似たところはあるでしょうが人格は別。さっさと知る人のいない東京にでも行って堂々と次の人生を歩むべきです。また、被害者が犯人の家族を憎む気持ちは分かりますがその考え方が明らかに行き過ぎ。当時小学生の犯人の子供に親の犯行の謝罪を求める権利などありません。だけど柴田は違います。年齢がいけば別ですが、子供の犯した罪は親も共同で責任を感じる必要はあるでしょう。もっともそれにも限度はあると思いますが。試合後の行動も理解し難く、エピローグも一番大きな伏線の回収を最後に持ってきたのでしょうが私にはわざとらしく思いました。
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ネタバレ五つの短編の連作からなる本作は、「普通の短編集とは違う」。
町歩き系謎解き小説(っていうので合ってるかわからんけど)で、あとがきにもある通り、提供方法の新しい小説とのこと。
いつか、聖地巡礼、京王電鉄の小説の舞台をめぐってみたいなぁ。
四つめまでは、ライトな読み心地で、衝撃的なシチュエーションや、心を抉られるような揺さぶりもない。
いわゆる、いい意味で安心して読める小説。
内容は、大切な人のことを思う、ほっこり連作。
中でも、姉妹の話が私は好きだなぁ。
五つめもその流れを保ったままだと思っていたから、まさか駅員さんの正体が明かされるとは!
若干のファンタジー?設定も盛り込まれたり、でも読みやすさもそのままで。
最後はさらにほっこりしたなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ岩井圭也作品は「楽園の犬」に続き 2作目
ゲネプロの最中 主人公である舞台女優 遠野茉莉子が奈落に落ちて死亡する。
上演予定だったのは「幽人」
彼女はその中で W主人公の片割れ 幽霊の役だった。
彼女の生い立ちと共に 役作りをしていく中で垣間見る生き辛さ 切なさ
女優としての名を高めていくたびに 命の炎を削り取っていく過酷さ
はたして 彼女が死んだのは事故だったのか。 自殺だったのか。
この作家さんの作品は2冊目だけど 全く違うテイストで、
この主人公ならではの 重々しい表現や生きざまの描き方が エグイ。
好き嫌い分かれそうだが 引き込まれるのも確か。
そして 主軸となるのは「女はみんな、誰かを演じて 生きている」ということ
そうかもしれないし そうじゃないかもしれない
後味が残る 面白い作品でした -
Posted by ブクログ
参加型ミステリー? う〜ん、躊躇するなあ。京王電鉄5駅も街も知らないので面白さが半減しない? それに、現地で謎解きとか追体験とか、都心在住の岩井ファン向け?と、ひねくれとひがみ根性も出てきて…。そんな時、迷える仔羊(誰が!)は「ぐだぐだ言わず読め!」と天啓を受けたのでした。ハイ、購入!
感想はというと、う〜ん、どうでしょう…。私にとってはビミョウな印象でした。唐突に出てくる場所に関する謎解き、幻の制服駅員の導き…、各短編の物語の中で必然性が薄く、展開に無理が生じている気がして…、まぁ最後に辻褄合わせになりますが…。
現地に赴き、物語とリアルを実感できない読み手にとっては、やはり高揚感や面白さは薄まってしまうのかな、という感想です。風景や街並みを思い描ければ、印象は違ったでしょうか…。
ただ、岩井さんがあとがきに記したように、「小説の楽しみ方の拡張」「新たな読者の獲得」という、一定のねらい・意図は十分過ぎるくらい伝わりました。本作で、街の活性化や本を手にする若者の増加につながったのなら、大きな言葉や物語の力を発揮したことになり、万々歳ですね。
でも、でも、です! SNSや情報に疎く、公式サイトで小説と街歩きのタイアップ企画がとっくに進んでいた事実も知らない、地方に暮らし細々と紙の本を読んでいるオジサンには、なかなかついていけない寂しさもありました。
なんか書いてて虚しい情報弱者って感じ、トホホ(笑) -
Posted by ブクログ
北海道東部の港町で、季節バイトに集まった男女7人の、一晩に凝縮された心理サスペンスです。
岩井圭也さん12冊目で、これまで重厚な人間ドラマ中心に魅せられてきましたが、本作は、少し毛色の違う印象を受けました。
水産加工場でカラフトマスを捌く仕事で、いわゆる闇バイトではありません。ところが、バイト仲間の一人の男が、砂浜でまさかの遺体で発見され、さらに、警察への通報を6人中4人がまさかの反対をします。
さらにさらに、互いに疑心暗鬼の中、各々がまさかのヤバイ事情・秘密をカミングアウトしていく、妙に既視感のある展開となっています。
自分の言動への疑いを晴らすように、視点が次々と変わり、重く悲惨な過去がそれぞれ語られていきます。詳細は明かされませんが、彼らの共通点は、皆が何かから逃げてきた者たち、ということです。社会や法律から取りこぼされ、普通に生きて来られなかった人たち、とも言えます。
なかなか登場人物への共感にまで至りませんが、日常の身の回りに、悩み苦しみ足掻いている人はきっとたくさんいるでしょう。少なくとも「彼らを責めることはできるのか?」「誰かを追い詰めていないか?」と自問する機会となりました。
また、同調圧力や保身を優先し、何が正しいのか判断も曖昧なまま日々過ごし、誰かを傷付けていないかと、問いかけられている気にもなりました。
最後はさらに、まさか×3の真実と結末‥。一夜の濃密な物語、会話とカミングアウトによる構成は飽きさせませんし、問題提起としては有りですが、正直なところ、一つの物語としては釈然としない読後感でした。でも、"隠れ岩井ファン"として、もう少し追いかけます!