岩井圭也のレビュー一覧
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岩井圭也さんの作品、初読みです。2025年初作家49人目です。
こちらは夏ドラマでやっていた『最後の鑑定人』の前日譚です。
ドラマは1回だけ観てそのあとは観ていないのですが、その後に小説原作だという事と最新刊が出たことを知り読んでみたくなりました。
刊行順では『科捜研の砦』より『最後の鑑定人』の方が先なのですが、時系列で読む方がよくわかるよというレビューを見て先に読む事にしました。
お話しは短編4つであっさりとしたお話しでした。
ミステリ色は薄め。
最後になぜ土門が科捜研を辞めて、鑑定所を立ち上げるに至ったかという、事件が描かれます。
それを読んだので次に『最後の鑑定人』を読むのが楽しみです! -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
「ダディトラック」 外山薫
「俺の乳首からおっぱいは出ない」 行成薫
「連絡帳の父」 岩井圭也
「世界で一番ありふれた消失」 似鳥鶏
「息子の進学」 石持浅海
「髪を結ぶ」 河邉徹
「そういう家族がそこにある」 カツセマサヒコ
それこそ多様性を認め合うことが大切だと思わされる。自分の意識も更新しないといけない。
家族の形に正解はない。
今うまくいっていても将来的に良い関係が続いているとは限らないし、どんなに大切に育てたつもりでも思うとおりに子どもが育つわけではない。
せめて、今自分ができる最善と思うことを誠実にするしかないのだろう。 -
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この作者さんをもう少し嗜んでみる、の4冊目。
下北沢、高尾山口、調布、府中、聖蹟桜ヶ丘―、京王沿線を舞台にした短編集。
東京に住んでいた頃は小田急沿線だったので京王にはあまり縁がなかった(渋谷からの帰りに下北沢まで乗ったくらい)のだが、それでも『謎解きはいつも駅から始まった―』というのは鉄道好きにはそそられるよねえ。
と思って読み進めていたのだが、謎解きはクイズみたいで、駅を中心にした街歩きも行ったり来たりを繰り返しているだけのような、なんだかちょっと薄い感じに、う~ん…となった。
「あとがき」を読めば、京王電鉄とのコラボで、電鉄会社としては“移動ニーズの創出”、作者さんとしては単行本や文庫以外の“本の形の拡張”を、それぞれが狙った企画とのこと。
巻頭の「読者のみなさんへ」に戻って、そこにあったQRコードを開けば次のように書いてあって、
『楽しみ方 サイトで途中まで読む→続きを知りたい→現地で小説をGET→小説を読み進める→街歩きを楽しむ→声優の朗読で小説を体験する』
こんなふうに楽しむとすれば話の内容の濃さよりもとっつき易い趣向のほうが優先されても仕方がないかと、変な納得をした。
作者さんの企図したことはよく理解でき、その心意気も良いと思うが、筋書きや展開といった物語のクオリティとしてはちょっと残念、制約が多くて大変でしたねという感じ。
それでも、京王沿線の方だと、実際に「小説×街歩き」体験ということで、離れた場所で文庫本を読むのとは違った味わいがあるだろうとは思え、昨年11月には新しい企画がスタートしているのにはちょっと羨まし。
どなたか京阪電車でもやってもらえないかしらん。 -
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少し刺さる部分があり、自分自身にも投影して考えることがあったので良かったです。
中年になり人生の折り返し地点で過去のことを振り返れば、良い思い出より後悔することの方が多い。勉強をもっと頑張っておけば良かった。新入社員で入った会社にもっと心血を注げば良かった。家族や友人ともっと誠実に向き合えば良かった。などなど、本書を読み進めるたびに思い起こしていました。
無差別殺人を起こす人物が過去にどのような人生を送ってきたのか、どんな心理状態にあったのか、事件の真相を事件記者が追っていく過程がとても良かったです。
贅沢できなくてもマイナス面が少ない子供時代を過ごせることが、いかに恵まれていることなのか読者に叩きつけてきます。そのことが特に刺さったし、実際に大きなマイナスを背負って社会に出なければならなかった人達もいることがよく分かる内容でした。
エンタメとしての要素が無かったので評価は普通となりましたが読んで良かったです。 -
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重たい。岩井さん、理系から文系に?二度と悲惨な事件が起きないように、その動機や社会的な背景を抉り出し社会に警鐘鳴らすのが事件報道の意義だろうけど、現実社会は表面なぞるだけのケースばかり。下世話な好奇心満たすだけで、主人公のような深掘りは…そもそも本人だって動機、理路整然とは語れない。「誰もが常に、善悪の汽水域を漂っている。100%の善や悪に浸かっている人間はいない。その時々で異なる濃度に身を置きながら、どうにかバランスをとって生きている。しかし、ごく稀に、極端な場所へ流されてしまうこともある。汽水域にいる限り、そちらへ流されないという保証はどこにもない」ここでも運か⁈
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この作者さんをもう少し嗜んでみる、の3冊目。
舞台になるのは、北米最高峰のデナリ。私の世代にはマッキンリーのほうが通りが良い。
某大統領が就任直後にこの山の名前を変えるように命令していたが、本当にまた昔の名前に戻ったのかしらん?(レビューは、本の通りに「デナリ」で書いておく)
冬季デナリ単独登頂に挑み下山途中に消息を絶ったリタの足跡を追って、二人でデナリに登る緑里とシーラ。
アラスカの小さな島での彼女らの出会いからの日々と、そこから15年後の二人の登攀の経過が交互に語られる話は軽い中身でスイスイと読める。
地球温暖化、人種差別、女性差別などを塗しながら進む話は巧く構成されていると思うが、掘り下げは浅く、共感は薄い。
数多の冒険家が命を落とした山に多少経験がある程度の二人が挑むのがお話として無理があり、何回もの幸運に救われながら山頂に近づく姿には“無謀”という言葉しか浮かばず、素直にクライマックスに入り込めなかった。
Googleマップを開いてみれば、「デナリ」はもはや「マッキンリー山」となっており、「メキシコ湾」も「メキシコ湾(アメリカ湾)」になっていたのに、のけぞった。 -
Posted by ブクログ
いやぁ、キツい!岩井圭也さんはどこに重点を置いて描いたのかわからないが、私にはジャーナリストの仕事が本当にしんどいと思えてならない。
確かに色んな意見を受けるのはしょうがないかもしれないけれど、よほど信念を持ってないと務まらない仕事だと思った。
主人公はフリーのジャーナリスト。仕事を理由に子育ての手伝いもせずに、妻との関係が悪くなり離婚している。そんな安田は取り決め通り、定期的(決して積極的ではない)に息子と会っては釣りなどをして過ごしていた。
さて、無差別殺傷事件が起こり、安田は取り憑かれたようにその事件を追う。犯人は『死刑になりたい』一心で犯行に及んだ。なぜ死刑になりたかったのか。
犯人の関係者にインタビューをしていくうちに、正義感の強い一面もあるなどの事実も浮かんでくる。
物語は、なぜ無差別殺傷事件を起こしたのか。なぜ死刑になりたかったのか、それを辿ることに終始するが、安田の内面をより深く描いている。裏切りやバッシングなど、あまりにしんどい仕事だなと、私にはジャーナリストの大変さばかりが刺さってきた。それだけリアルに主人公側に立って描いているとも言えるのかもしれないが、あまりにも仕事以外での安田の無気力感が悲しい。ラスト、息子との会話にホッと胸を撫で下ろした。