岩井圭也のレビュー一覧
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殺人加害者の息子と、殺人被害者の息子が剣道を通して向き合う話。
うーん、正直、殺人加害者の息子に恨みを抱く気持ちがわからなかった。だって、事件当時、息子は中学生だよ?しかも父親に暴力を受けて育っている。
それを知っていてそいつも加害者家族だから謝るべき、加害者の子どもがのうのうと生きているのが不快、という気持ちが理解できない。
加害者の親なら憎む気持ちはわかる。だってそいつを育てたのだから。高齢父が加害者で成人した息子なら、それはそれで監督責任を考え憎むのもわからないでもない。
でも、当時中学生の子どもに親の犯罪の責任を問う?しかもそのために人生不幸になるべき?
坊主憎けりゃ袈裟ま -
Posted by ブクログ
奨学金の返還免除の条件として、臨床研修の後、そのまま刑務所の医者として3年間働くこと。しぶしぶ引き受けることになった主人公・是永史郎。様々な受刑者を診療しながら、原因不明な出来事を次々解決していきます。
あらすじを見る限りでは、長編かなと思いましたが、他にも事件があるため、連作短編集となっていました。
ミステリーではあるものの、主人公の成長も垣間見れるヒューマンドラマとしても楽しめる作品でした。
受刑者のあらゆる病気や苦悩だけでなく、刑務所ならではの問題、「刑罰とは」など社会問題にも触れていて、色々考えさせられました。
主人公の仕事面では、刑務所の医者や聞いたことのない病名などなかなか身近に -
Posted by ブクログ
北海道の刑務所に勤める矯正医官・是永。奨学金免除ため、三年間、刑務所の医者に。薬欲しさに仮病を訴える受刑者が多い中、ベテランの助手に助けられながらも、奮闘する。受刑者変死の謎、受刑者として刑務所入所した実の父、認知症の母、いくつもの難題に立ち向かう一方で、是永は自分の夢を叶えられるのか。
刑務所内の医者が直面する苦労を描く社会派の内容でもあり、是永の仕事の成長の物語。3年を終え、早く大学病院に行きたかった是永だけれど、仕事と向き合う姿、落ち着いて問題を解決してゆく姿に目が奪われ、読み応えバッチリ。医学の専門定なこととか出てきて、よく調べてるなあと驚いた。実の父との決着はついていないのが残念かな