嶋津輝のレビュー一覧
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ネタバレ*村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、嶋津輝、森絵都―当代きっての人気女性作家8人が「女ともだち」をテーマに豪華競作!「彼女」は敵か味方か…微妙であやうい女性同士の関係を、小説の名手たちが描きだす逸品ぞろいの短編小説集。コワくてせつなくて愛しい物語の世界をぜひご堪能ください*
前半は女同士の執着や束縛が続くありがちな展開でしたが、後半は力量のある作家さんの本領発揮で、一味違う物語を堪能しました。
特に気に入ったのは、森絵都さんの「獣の夜」。最初はハラハラしたものの、パプリカで大笑い出来る、いつでもあの頃に戻っていける、これこそが女の友情の真骨頂ですね。でも、これはひと歳 -
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ネタバレ大正時代のカフェー西行に関する短編集。オーナーが間違って覚えた西洋人(カフェーアウグイステヌス)の看板を隠すためツケで回収した西行法師の置物で隠してたら、そんな名前がついた店
◎
字が読めないタイ子は美人だが20代後半のカフェ店員。女子高の先生の鷲鼻の紳士がカフェに来て字を教えてくれる。程なく人気が出て京橋の店に移る。
◎
嘘つきの美登里は小さな嘘をつく。ある日どう見ても30後半のデブが19歳と偽ってカフェ店員の募集に来る。オーナーなので雇い入れる。妹小路と名乗り華族だと言う。どれが嘘でどれが本当か。高熱で家まで同行すると、成金の娘で引きこもっていたけど、銘仙にエプロンのカフェー給仕の格好 -
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裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。
「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様と呼ばれる立場になる・・・。
夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。
千代と初衣の不思議な縁が独特のハーモニーで紡がれた、血縁や男女の婚姻関係で作られないシスターフッドの物語だった。千代は実母との折り合いも悪く、夫との関係もうまくいっていない。つまり家族との縁が薄い。玉の輿のような嫁ぎ先とは -
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ネタバレ大正~戦後までの女の友情物語。
裕福な家に嫁いだ嫁と女中が仲良くなり、その精神的結びつきは家族以上となる。太平洋戦争がはじまり、お互いの所在が分からなくなるのだが、戦後何年か経ち、逆の立場で邂逅することになる。
おいしそうなごはんがたくさん出てくるなあ、ほんわかした空気の物語なのかなあ、と思って読んでいたら、ちょっとあなたたちお風呂で何を見せ合っているのとびっくり展開だった。
旦那ひどいなーと思ったら、倍返しくらいの仕打ちを作者からくらっていた。
(旦那の死後、妻が寮の男との営みで「旦那よりうまい」的な感想をほのめかすシーンなど、、)
独特の展開を見せつつ、戦争に関しては割と淡々と物語 -
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清々しく、心が浮き立つようなラスト。
裕福な家に嫁いだ千代と、元芸者の女中頭・初衣。
二人の女性の生きざまを、見届けられてホッとしています。
戦前から戦後へ、人々の暮らしを描きながら、二人の女性の生き方を描く。
女性の役割は、「後継ぎの男児を生んで、家庭を守る」というもの。それが「普通」とされていた時代。
役割を全うできないと離縁されてしまったり、そうでなくとも肩身の狭い思いをすることになる…。
そんな「普通」に当てはまらない千代とお初さんの日常に引き込まれました。
性描写に驚く場面もありますが、とても丁寧な暮らしぶりや揺れる千代の気持ちが描かれていました。
料理にしろ、掃除にしろ、粛々と -
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裕福な家に嫁いだ千代とその家の女中頭の初衣。
この2人の激動の人生の物語。時代は大正から第二次世界大戦終戦後まで。これはまた朝ドラみたいな感じかな?と読んでみました。
千代はいい家に嫁いだものの幸せとは言えない。
初衣は仕事ができて優しい女中。でも世間からはあまりいい目では見られていない。2人ともこの時代だと認められない存在みたいな感じなのかな?こんなにいい人たちなのに、なぜ?と思い悲しくなる。
でもこの2人はそんなことには負けずに懸命に生き抜いた。戦時中は女だけで暮らしていると、大変だろうし怖い思いをいっぱいした思う。よく頑張った。すごいな。周りの人にも理解者がいて良かった。
千代と初衣 -
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ここに2人の女がいる。
1人は千代。地味で目立たない。名前からしても平凡。醜くはないが、美しくもなく、引っ掛かりがないせいか、他人の印象に残りにくい。どこか人の気持ちに鈍いところもあり、悪気はないのだが、とにかくぱっとしない。
もう1人はお初。粋でしゃきしゃきしており、何でもてきぱきとこなす。人のよいところを伸ばすことにも長けていて、教え上手。以前は芸者として働いていたという。
このあまり似通ったところのない2人が出会い、大正から第二次大戦後までを過ごし、強く温かな絆で結ばれていく、そんな物語である。
第1章は「再会」と題される。すでに戦後である。
盲目の初衣は住み込みの女中を探している。そ -
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冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー
6人の作家による個性豊かな短編集で、個人的には
寺地はるなさんと町田そのこさんが好みだった。
以下、収録作品と簡単なレビュー
飛鳥井千砂「もうすぐ十八歳」
成年年齢が引き下げられた。
でもどう感じるかなんて自分次第だと思った。
寺地はるな「ありふれた特別」
読者の予想をいい意味で裏切ってくれた。
ずっと何やら面白くてじんわりと温かかった。
雪舟えま「二人という旅」
家読みのシガとクローンのナガノ。
まさかのSFでぶっ飛んでいた笑
嶋津輝「漂泊の道」
葬儀で出会ったうつくしいひと・・・
感じ方や物の見方が年々研ぎ澄まされ無駄を排除していく様子が人生 -
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主人公は鈴木千代、製缶会社の長男に嫁ぎ、そこで出会ったのが三村初衣。花嫁と女中という関係ながら、何事にも秀でた初衣にいろいろなことを教わりながら、婚家で日々を過ごしていく。東京大空襲が二人を引き離すが、やがて、盲目の三味線師匠と住み込み女中として再会し、また二人で暮らすことになる。
大正から昭和、震災があり、戦争があり、そんな時代背景にも二人は翻弄される。
いわゆるシスターフットものといったら、よりわかりやすいのか?人には言えない秘密も共有する
二人だから、閨のはなしや、性器の形状の話など、あけすけな表現も違和感ないエピソードになっていた。怖がりな猫のトラオを大切にしてるところが、とてもよかっ