嶋津輝のレビュー一覧

  • カフェーの帰り道

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    昭和の戦前の情景が目の前に流れるような本です。

    カフェーと聞けば大正の頃を想像しますが、戦前、戦中、戦後のお話で、庶民のどうしようもできない無力感を感じました。でもその中で立ち直って行く人間。

    特に悲しくも、驚くこともないのですが、淡々と続く日々を綴った良書です。

    多分タイ子さんやセイさんは、本当にいたんじゃないでしょうか?ひょっとすると今でも谷中銀座辺りにいそうです。

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    2025年11月27日
  • 猫はわかっている

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    この本棚に「猫」で検索かけたら17冊も読んでいた。これが18冊目である。
    アンソロジーもあるので、ニャンコ好きな作家さんは多いんだなあと感心するニャンコ好きな自分である。
    1番バッターの村山由佳さんの作を読みながら、ずっと前から読みたいと思いながらも650ページの大作にためらっていた「風よあらしよ」に、やっぱり挑戦しにゃきゃあと思った。

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    2025年08月03日
  • 駐車場のねこ

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    一見普通だけど、ちょっと不思議な人たちの話。

    どんな人にも文字通り人生があるのですね。

    読んで良かったなーと思わせられました。
    嶋津輝さんの他の作品も読んでみようと思います。

    なお、「美丈夫」という表現が妙に気に入ってしまい、これから積極的に使っていきたい。

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    2025年01月04日
  • 襷がけの二人

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    女性のための女性の物語。
    生きて、作って、食べて、
    戦中、戦後を生き抜い二人の女性。
    年齢も立場も違えど、形を変えながら固い絆で繋がる二人の人生が尊く、愛おしい。
    今年最後の本に相応しいので、これにて完!
    また来年たくさんのよい本と出会えますように。

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    2024年12月25日
  • 襷がけの二人

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    大正から戦後を舞台にした 二人の女性の不思議な絆。
    本当にどう言ったらいいのだろう。二人の関係。

    立場が変わっても仲間の様な、師弟のような。奥様だった千代の優しさ、純粋さが
    女中頭だった初にも通じ。きっと二人で戦後を乗り越えていくのだろう。二人なら乗り越えられる。

    女性二人の友情の話⁈

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    2024年12月16日
  • 襷がけの二人

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    ネタバレ

    戦後間もない昭和24年。盲目の三味線師匠、三村初枝宅の女中となった鈴木千代。実は戦争前、初枝は千代の家の女中だったのだ。

    なるほど、こう書いてみると二人の立場も襷がけなんだなぁと読後に分かる。襷をかけて力いっぱい生きようという意味も込めているんだなぁと感嘆。

    太平洋戦争をはさむ波乱の時代を、女の絆で乗り切ってきた千代と初枝の物語。有吉佐和子や田辺聖子らが描いてきた昭和女流文学のテイストを強く感じる作品だった。家事の苦労、夫との不和、妾の存在、おせっかいババアのうっとうしさ、実家の確執。それらの話を徹底的にひっくり返す東京大空襲。

    たくましく生きてきて、これからも生きていくであろう、2人(

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    2024年11月19日
  • 襷がけの二人

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    感想を書き忘れていた。4カ月以上経ってしまったが、覚えていることを記録。
    初めての作家さん。純粋に楽しめた。朝ドラを観ているかのよう。大きな商家のお嫁さんと女中さんの関係が、上下や主従と言うよりは、それぞれが仕事としてその立場を務めているように描かれていたのが、とても新鮮だった。だからこそ、立場や状況が変わっても、共に働いた戦友として、心のつながりを持ち続けることができたのだろう。
    性的な描写へのこだわりにやや違和感あり。そこの整理がつかなかいまま、感想を書き忘れてしまった。

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    2024年11月02日
  • 猫はわかっている

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    ほっこり系からミステリーまで。猫にまつわる短編集。個人的には村山由佳さんの「世界を取り戻す」と長岡弘樹さんの「双胎の爪」、嶋津輝さんの「猫とビデオテープ」が良かった。

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    2024年10月07日
  • 駐車場のねこ

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    ほのぼの、としていながら続いていく何気ない日々。
    こんな小説を読みたかった。いくらでも読める。
    良い本に出会えました。

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    2024年09月13日
  • 襷がけの二人

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    とても面白かった。大正から昭和にかけて、暗い時代に生き抜いた女性たちのお話。でも話自体は暗くなくて、日々の生活の様含めて軽妙な描写も多く、ストーリーの全体の雰囲気は明るい。
    戦果の影響や当時の社会的地位の低さなどの困難はあれども、女性の逞しさやどんな時代にも日々の明るさはある点などを、感じつつ、気持ちよく読み終えることができた。

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    2024年09月05日
  • 襷がけの二人

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    裕福な家に嫁いだ地味で平凡な女性千代とその家の女中頭のお初との大正から昭和にかけてのシスターフッドの物語。 寡黙な夫と心通わせられない千代はお初、女中のお芳とともに家事を取り行う日々。時代の変化とともに家族、周囲の人々、社会環境が変わりゆく中で、互いの秘密を共有する二人はより一層支え合うように暮らしていく。 大空襲により生き別れた2人が紆余曲折を経て、立場が逆転した状態で再会。この再会が冒頭に描かれるため、終盤まで読み進めたあと、立ち返って読み直してしまった。 「死ぬまで一緒にいる」お初さんの言葉に胸熱。

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    2024年09月01日
  • 駐車場のねこ

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    前回の直木賞候補『襷がけの二人』の作者、嶋津輝の短篇集。作者の作品にはごく普通の人たちの世界を描いているようでいて実は変わった個性や身体的特徴を持つ人が度々出てくる。そんな人々をあたたかい目線で愛する作者の優しさを感じる。

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    2024年07月03日
  • 女ともだち

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    327ページ
    720円
    6月17日〜6月19日

    女性作家8人による短編集。女ともだちの表と裏が、絶妙に描かれていて、どの話もおもしろかった。

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    2024年06月19日
  • 襷がけの二人

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    作品紹介にあるように、確かに幸田文から有吉佐和子、それに続く小説。この二人の作家が大好きなので、期待して読んだ。

    目に浮かぶような描写。猫のトラオが抜けになっているのが現代的?で読みやすい。

    3人。いいなぁ
    読後感もいい

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    2024年04月22日
  • 駐車場のねこ

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    7編収録されている短編集。どの作品も淡々と描かれているけれどどこか不思議な魅力も感じられる。どこにでもある日常のなかの変化やふと感じる違和感を通して見えてくる毎日が少し良く思えたりする瞬間がとてもいい。この淡々とした空気感とその中にいる人たちの暮らしのこれまでとこれからがもっと読みたくなるとても大好きな短編集。

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    2023年10月24日
  • 猫はわかっている

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    「母親」である部分は私の中の一部であって全部じゃない。
    「母親」を全うするだけでは埋まらない空洞があって、「妻」を加えてみても、まだ埋まらない。

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    2023年02月19日
  • 女ともだち

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    「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー

    既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。

    なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
    女性あるあるです。
    そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。

    坂井希久子さんの「ト・モ・ダ・チ」はイヤミスを連想させるどろどろした話で、もはやホラーの様にも思えて怖かった。

    千早 茜さんの「卵の殻」は繊細な女性心理が描かれていて女性の執着がただただ恐ろしい。
    「サバサバした女なんていないよ」のセリフが印象に残ります。

    子供時代の競争意識、嫉妬心を描いた大崎

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    2023年02月11日
  • 猫はわかっている

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    ネタバレ

    猫にまつわる7編の短編。それぞれに猫の特徴をよく捉えている作品たち。

    阿部智里さんの『50万の猫と7センチ』は、タイトルからはどのような内容なのか全く想像できなかったが、一匹の茶トラとこの猫に関わりを持つようになった一家の物語は、これはもしかしてドキュメンタリーなのかと思えるほどにリアリティがあって、ほっこりしたりハラハラしたりして愉しめた。

    それにしても、「猫に九生あり」という諺は聞いたことがあったが、一生に一度だけ、人間の言葉を喋るとは知らなかった。そんな馬鹿なとは思えず、彼らならやりかねない!

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    2022年02月14日
  • 女ともだち

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    全体的におもしろいけどまあまあかなあと思いながら読んでいたら、最後の森絵都の「獣の夜」がひたすらによくて、とある一文がぶっ刺さりすぎて気が遠くなるくらいによくて、一気にお気に入りの本になってしまった。 あまり大声で言えないいわゆる性癖みたいなものなのでこっそり隠しておく。 これからも私は私のネイチャーに従って生きていけたらいいな。 ハメはずさない程度に。

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    2021年03月04日
  • 女ともだち

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    ネタバレ

    とても面白かった!

    SNSがただ”SNS”って出てくるものは読んでたけど、こんな風にfacebook、instagram,LINEって固有名詞で書いてくれると一気に身近に感じた。SNSって書かれるとどんなやつかなって考えなきゃいけなくなるから、フィクション感が増しちゃうんだよね。


    ↓以下ネタバレあり

    ●COPY
    facebookを作ったのは玲なのかーなのか。
    これが気になる。
    読んですぐは話の流れで玲なのかなって思ったんだけど、便乗してしおりを貶めたりするタイプなのかなって疑問が抜けなくて。
    部屋の写真はあったとしても、Facebookであげるような部屋の写真と、好きな人の部屋を隠し撮

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    2019年02月07日