嶋津輝のレビュー一覧

  • カフェーの帰り道

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    時勢に惑わされつつも真っ直ぐに向き合って、女給という仕事を純粋に楽しんでいる皆が強かで眩しかった。
    竹久夢二の美術展を少し前に見たこともあり、私もタイ子に見とれてしまうかもなぁと想像を膨らませて読んだ。

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    2026年10月30日
  • カフェーの帰り道

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    夢二の美人画の化粧のタイ子さん、豪一くんが帰還してよかった。嘘つき美登里さんはどうなって菊田さんの奥さんになった?セイさんと向井さん、切なかった。戦後の西行での幾子さんと、息子を戦地で亡くした母の関係も切なかった。ざる笊、読めなかった!

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    2026年10月30日
  • カフェーの帰り道

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    「もう、戦争なんてやめてよ。
    ただただ、自分の愛する人に帰ってきて欲しいだけなんだよ」って声に出す事すら許されない時代。

    カフェーで働く女性達の日常の一部を切り取ったかのようなお話が、素敵に繋がっていく。

    読んでいて辛い、辛いんだけどこの彼女たちの逞しさと優しさに心がうるっとする。

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    2026年10月29日
  • 襷がけの二人

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    『襷がけの二人』文庫版。感想は単行本版に書いたので、こちらはスピンオフの感想を。
    文庫版に書き下ろされた『わたぼこりの女』は、お初さんの三味線の弟子である芸姑の和江さんが主人公の物語。

    芸者の置屋(事務所と寮のようなもの)にある日、頭が白く、大きな老婆がやってくる。その女は病気で療養中の女中の代わりにやってきた親戚のものだという。

    太めの和江を「信楽焼のたぬき」に例え、歯に衣着せぬ発言で周りを辟易させるものの、働き者で重宝されていたが…。

    まさに作者が好きな幸田文の『流れる』を彷彿とさせる物語でした。芸者の置屋の様子が生き生きと描かれているし、お初さんや千代さんも登場します。

    二人が変わらず、穏やかに暮らしている様子でよかった。

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    2026年10月27日
  • カフェーの帰り道

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    逞しく、強かに、しなやかに、そんな言葉たちが似合う女性たちの話。戦前から戦後、時代は違っても、瑞々しく、生き生きとした女性の物語を読むと、自分自身も前向きに行こうかという気持ちになれます。

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    2026年10月26日
  • 襷がけの二人

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    また1人好きな作家が増えた。戦中戦後の厳しい時代に生きる女性たちの日々の暮らし、喜び、どちらかと言うとそれより多い辛さ、苦しみが仔細でリアルで、でも希望の持てる終わり方は頑張って生きる人へのエールに感じられてとても暖かい気持ちになる読後感。

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    2026年10月24日
  • カフェーの帰り道

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    第174回直木賞受賞作。

    大正から昭和にかけてカフェーで女給として働く人たちの人生の物語。
    5編の短編連作です。
    個性豊かな女性たち。
    それを見守る店の主人。
    この時代を生きていく女性を、上品な文章で綴られていきます。
    最後の章はゾクゾクしながら読みました。
    構成も上手い。。

    すごく良い作品でした。
    ドラマや映画にもなりそう。
    秋の夜長におすすめの一冊です。

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    2026年10月19日
  • カフェーの帰り道

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    ネタバレ

    【きっかけ】
    レトロ喫茶店が好きで、タイトルと表紙に惹かれた。

    【好きな箇所】
    (冒頭略)人に見られたいという気持ちが、自分にもたしかにある。見られることで、自分という存在を、誰かに知ってもらいたかったのだ。今のいままで気づかなかったけれど。
    自分を人の目の中に置きたいという欲は、きっとセイにも、嘉代にもある。昇降機ガールたちにだって、あるにちがいない。

    【感想】
    この気持ちわかる、、としみじみ思う箇所が、たくさん。物語のなかで時が経つうちに、全員の人生が愛おしくなってくる。
    菊田さんがいてくれて、よかった。ここに出てくる女たちにとって、カフェー西行があってくれてよかった。
    いちばん好きなシーンは、息子を戦争で亡くした母親が回復していくくだり。よろよろの体でも味の濃い中華そばを食べる。帰り道でへばりそうになったとき、夫からの、おぶるから乗りなさいという言葉。お見舞いでもらった息子のものと同じ銘柄のタバコを、みっともないほど盛大に咽せながら吸ったこと。直接意味なんてないようなことで、人は元気を取り戻せることがある。この母親は、仏壇の前にいる時間こそ誰よりも長かったけど、ずっと弔いができないままでいたんだな。頭で考えるとか、気持ちを整理しようとするとか、頑張っても、このままじゃいけないと思っても、どうにもできないときが人間ってある。だから、無理矢理にでも妻を外に連れ出した夫、ナイス。老け込んだ妻を見捨てて浮気でもするんじゃないかと、頭の片隅で予想していたけど全く違った。いい父親で、いい夫だ。
    この母親には、戦前から遠のいていた味の濃い食事と、年齢以上に老いてしまった自分を、人目も気にせず背負って歩こうという夫の優しさに触れたこと。そしてタバコをきっかけに、息子のいない人生を生きられるようになった。咳と一緒に、悲しみを少し体内から出せたのかもしれない。
    タイ子の息子は、帰還してから恋とかできたかな。菊田さんは、きっとカフェーに関わった皆んなに囲まれながら死ぬんだろうな。

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    2026年10月18日
  • カフェーの帰り道

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    特に大きな事件が起きるわけでも無いのに面白い。
    大正、昭和に生きた働く女性達(当時は珍しかったんじゃないか)の日常が身近に感じられた。

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    2026年10月17日
  • カフェーの帰り道

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    強くてたおやかに生きるカフェーの「女給」の物語。
    戦争が見え隠れしながら、淡々と読み進む。
    タイ子が何度か出てくる。でもタイ子だけじゃない。戦後の幾子もお母さんも。いつか豊子とセイが繋がるかもしれない。美登里と菊田さんが結婚してたのはびっくりやったわ。
    愛おしい物語でした。

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    2026年10月17日
  • 襷がけの二人

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    もう今年イチ面白かった作品と決めてしまってもいいのでは、と思えるくらい面白かった。
    久しぶりに作品世界に没頭してしまった。

    凡庸な見た目で少し目を離すと顔を忘れてしまうような千代。
    長身で凛々しい姿が印象的な元芸者の初衣。

    大正十五年から昭和二十五年までの四半世紀の物語。
    関東大震災からの復興。
    第二次世界大戦の開戦。
    揺れ動く時代の中で、地に根を下ろして“生活”をした二人の記録。

    役割を生きること。
    自分を生きること。
    軋轢と調和。
    すれ違いと共鳴。
    共存。

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    2026年10月16日
  • カフェーの帰り道

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    カフェで働く女性たちの短編集。
    恋愛から家族、笑い話まで様々な味わいのエピソードが楽しめる一冊でした。
    オムニバス形式の作品が好きな人はきっと夢中になると思います。

    戦前から戦後のお話ですが、出てくる人たちはみんな暗くなる事なく毎日を自分なりに過ごしている。
    人生を淡々と生きることの大変さを感じ、それでも丁寧に生きようと思える一冊でした。

    この中の1話、ページを捲った時の衝撃はしばらく忘れられそうにありません。

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    2026年10月15日
  • 襷がけの二人

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    糊のきいたぱりっとした、湧き水のすっきりしたような文章
    二人のいろんな呼び方ができるこの関係が羨ましい 
    二人一緒なら、

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    2026年10月15日
  • カフェーの帰り道

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    時代ものなのに読みやすくて、女性たちが頑張ってるところがすごく伝わる物語で良かったです。最後の話で、あの2人夫婦になったのねってちょっと面白かったです。

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    2026年10月13日
  • カフェーの帰り道

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    ネタバレ

    ここまでみんなの物語を追ってきた読者へのご褒美のような最後の話が大好きです。成長した主人公たちが、思い思いに会話をしている姿を見れるのが本当に楽しかった。

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    2026年10月11日
  • 駐車場のねこ

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    ネタバレ

    『駐車場のねこ』は普通の人と、ちょっと普通じゃない人たちの物語。この「わからない感じ」が面白くて少し怖いのです。

    文庫化の際に『スナック墓場』から『駐車場のねこ』へタイトルが変更されました。

    【駐車場のねこ】
    ふとん屋の民子は野良猫たちに餌をやっている。猫は去勢済の「さくら猫」だし、客受けがいいので商店街でも餌やりを認めていた。

    しかし、向かいのふぐ屋の料理人だけは、民子に文句を言ってきた。

    ある時、民子が膝の手術で入院中に夫から猫たちが来なくなったと聞かされる。民子はふぐ屋がなにかしたのではと思い込むようになり…。

    商店街の店同士って、連帯感があるのかとおもったら、アパートと同じで付き合いがないことも多いんですね。

    近所が何をしているかわからないのが少し怖い感じがします。

    そんな、ちょっと怖くてほっこりする人々の日常が描かれています。

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    2026年10月03日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    三省堂の『本を味わう』という企画で買った本。
    タイトルや作者は隠されていて、チョコレートの包装のように原材料や味わいのみがかかれていて、それだけを頼りにほんを選び購入する、というもの。

    冠婚葬祭アンソロジーってはじめてきいたぞ!笑
    タイトルやあらすじを知っていたら、普段だったら絶対選ばないなあ。
    けど良かったです。
    寺地はるな『ありふれた特別』町田そのこ『六年目の弔い』が特に良かった。

    偶然の出会いに感謝!
    こういう企画ほんと面白い

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    2026年09月08日
  • 猫はわかっている

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    お話の主要な場面に「猫」が登場するアンソロジー。
    内容はミステリーだったり、エッセイだったり。。
    どれも秀逸で、面白く読むことができました。

    最初の作家さんの、親の影響で猫を飼っていて、仕事の中で余命いくばくの猫に遭遇して・・のお話も良かったし、ミステリー好きとしては、ロックの仲間割れを招いた猫の話、離婚話で持ち上がったある疑惑から、猫が切欠で現実味が帯びる話はゾクッとするものがありました。

    その中でも、一番好きなのは、野良ちゃんを見守るご家族のエピソードが詰まった、感動&笑いのお話。とても良かったし、私がポチっとしたこの電子書籍代も、猫ちゃんの治療の還元に役立てば大変うれしいです笑

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    2026年09月08日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    どれもすごく良かった!
    初めて読む作家さんもいたので、
    嬉しい発見。
    アンソロジーはこういう出会いがあるから
    大好きなんだよねぇ

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    2026年07月31日
  • 駐車場のねこ

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    どのお話も淡々と進み、結末もスッキリとした形じゃなく、静かに、含みを持たせた感じで終わりになります。
    個人的には、凄く幸せな余韻が残ってくれる、素敵な小説でした。

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    2026年07月05日