嶋津輝のレビュー一覧

  • カフェーの帰り道

    Posted by ブクログ

    とても良かった。大正から昭和に掛けてカフェーで働いていた女給達の物語。大事件は起こらなくて極めて平穏な日々。でも子供や恋人を戦争に取られるのは辛かった。「襷がけの二人」の著者

    0
    2025年12月08日
  • カフェーの帰り道

    Posted by ブクログ

    街中を歩けば、この作品の登場人物たちが働いている。
    そんな情景が頭に浮かぶ。
    戦前・戦時・戦後。それぞれの時間で戦う女性たちの生きる姿に、現代の裕福さの中であぐらをかく自分が情けないと感じた。
    我慢して、我慢して、我慢して━━━。
    そんな当時を暮らした人たちがいたことを、
    忘れないでいたい。

    0
    2025年11月29日
  • 女ともだち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    色んな話があって、それぞれ面白かった。
    村山由佳さんのは人怖もあり、短篇ではないやつを読んでみたくなった。
    こっちを向いて、の話は凄くわかる!
    ブータン以外は好みだった。

    0
    2025年11月26日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    昭和24年、鈴木千代が口入屋(職業紹介所)から斡旋されて三村初衣という三味線のお師匠さんの家を訪ねる場面から始まる
    千代は目が不自由な初衣の家で住込みで働くのだ…
    しかし初衣はその昔、千代が嫁いだ先の女中…
    つまり千代が奥様だった
    東京大空襲で目が見えなくなっていた初衣と喉を痛め銅鑼声の千代
    千代は素性を隠して初衣に仕えることに…
    そして場面は大正15年
    千代の祝言の日に変わる…
    そして二人は互いにかけがえのない存在になっていく

    表紙からも想像するように市井の普通の生活が描かれているようで…途中からこれはミステリなのかしら?と思いながらこの作品にどっぷりはまった!
    (ミステリではなかった…(

    0
    2025年09月04日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    朝ドラ「あんぱん」とドラマ「めおと日和」で、ちょうど同じ時期に戦前戦中の暮らしが描かれていたことがきっかけで、こちらの本に興味を持ちました。

    工夫しながら丁寧に家事をして日々を過ごしている様子が好印象でした。ご飯もおいしそう!
    タケのように噂好きな人はいるでしょうが、基本的には他人の暮らしが見えず、自分たちの小さな生活に集中している感じが、今のSNSまみれの生活よりも精神上安定するのかなと思いました。
    悩みはあるけれど、知らないことは知らないでいいし、できないことはできないと割り切る感じ。

    千代とお初さんの、奥様と女中でありながら、師匠と弟子、親子のような、踏み込みすぎずお互いを気遣い合う

    0
    2025年08月30日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    世代も育ちも違う女性達のシスターフッド。
    意地悪な人や理不尽な環境があっても、
    味方になってくれる人がいたら乗り越えられるかも。

    タキさん、嫌い。
    噂話をばらまくせいで、放送局呼ばわりされている叔母を思い出す。縁を切りたいけど、未亡人になった母はご近所だからって妙に頼ってしまっている。
    家族とはいえ、人の友人関係に口出すべきじゃないんだけど。

    0
    2025年08月11日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

    Posted by ブクログ

    「もうすぐ十八歳/飛鳥井千砂」
    「ありふれた特別/寺地はるな」
    「二人という旅/雪舟えま」
    「漂泊の道/嶋津輝」
    「祀りの生きもの/高山羽根子」
    「六年目の弔い/町田そのこ」
    冠婚葬祭をテーマにした6話収録の短編集。

    文庫オリジナル&書下ろしが嬉しい。
    著名な作家さん勢揃いで粒ぞろいの作品ばかり。

    お気に入りは寺地はるなさん。
    まんまとミスリードされ、感情が上へ下へと揺さぶられたが読後感は最高。

    嶋津輝さんの作品も味わい深い。

    町田そのこさん、やはり一筋縄では行かない。
    良い話で終わるかと思いきやラストで突き付けられる真相に愕然。

    0
    2025年06月14日
  • 女ともだち

    Posted by ブクログ

    前半、あまり好みでない作品が続きましたが、後半すごく良かったです!

    おもしろかった3作品

    「こっちを向いて。」
    分かるー‼︎って話でした。大人になってから友達作るのって難しい。こちらと向こうに友達を作ろうという願望が、まさに同じタイミングで存在しないと成立しない。
    自分が今までに経験した感情が言語化されてる感じで気持ちよくて、そして切なかったです。

    「ラインのふたり」
    いたずらして笑ってはいけないのに全身で笑い出したくなる感じ。笑いすぎてお腹痛くて涙出る、みたいな。そういう時の女子同士の連帯感を思い出しました。
    終わり方も良かった。

    「獣の夜」
    一番好きです。ジビエ、全然興味なかったけ

    0
    2025年05月19日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

    Posted by ブクログ

    冠婚葬祭をテーマにしたアンソロジー。幸せなお話が多いかと思いきや、じとっとした暗さを孕んだお話が多い。お気に入りは、死んだ夫の娘が訪ねてくるお話、町田そのこ「六年目の弔い」。

    0
    2025年05月08日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

     太平洋戦争を挟んで、ひょんなことから二人で一緒に生活していくこととなった二人の女性の出会いと別れ、そして再会の物語です。

     物語は、主人公がとある女性の家に住み込みの女中として働き始めるところから始まる。その女性は、盲目だがしゃんとした人で三味線のお師匠をしている。彼女は、主人公にとっては戦時の混乱の最中に生き別れになった、誰よりも近しい人だった。大正十五年の嫁入りから、昭和二十年三月十日の東京大空襲の日まで、ずっと同じ家で過ごしてきた。その日々の中には様々な想いや葛藤があったけれど、つましい中にもたくさんの楽しみを見つけていく彼女たちは、生き生きとその時代を生きていたのだと感じられる一冊

    0
    2025年05月02日
  • 駐車場のねこ

    Posted by ブクログ

    ほのぼのした短編だが、登場人物のキャラクターが面白くかつ物語にも一捻りあって面白かった。
    他の作品があればまた読みたい。3.8

    0
    2025年04月23日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    直木賞候補に上がっていたときから気になっていた小説。
    大正時代から昭和にかけて、婚家の女中頭であった初枝と、嫁いできた千代、それに年下の女中、およしの3人の人生を描く。
    千代の結婚と、東京大空襲が二人の運命を翻弄していくが、さらに二人の女ならではの事情が絡んでいく。育った環境も、それまでの人生も全く違う二人が一つ屋根の下で暮らし、山田家の男たちと暮らしていく。千代は夫との関係に悩むが、初枝にも事情があった。
    女が耐え忍ぶばかりの話かと思ったらそうではなく、男たちにも事情があり、時代を感じさせる。千代は印象が薄いくらいの目立たない女で、苦労知らず、世間知らずであるのに、初枝はそういうおおらかなと

    0
    2025年04月09日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昭和の頭から戦後の二人の市井の女性を描いた物語。

    祖母の名前が主人公と同じ(正確には祖母は鈴木千代子)だったり、
    祖母も結婚前までは芸者の置屋で育てられていたとのことで三味線などの芸事がうまかったことなど、
    物語の中に祖母の面影を思い出しながら読ませていただきました。
    時代的には不幸なのでしょうが、主人公たちの性根が素晴らしいので、読後感も爽やかでした。

    0
    2025年03月28日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。

    何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
    設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。

    冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。

    寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。

    0
    2025年03月01日
  • 女ともだち

    Posted by ブクログ

    女ともだちって、すごく独特な世界だと思う。
    男ともだちほど単純じゃなくて、複雑だ。

    嫌気がさしたり疲れちゃう事も多いけど、それでも何だかんだと素敵だなと思わせられた一冊だった。

    全然違う物語なんだけど、どれも身近な感じがするから面白い。

    読み終われば『それなりに色々あるけど、やっぱり女ともだちって最高じゃん?』って気持ちになれるかも?
    しばらく寝かせてから、また読み直したいなぁ。

    0
    2025年02月05日
  • 駐車場のねこ

    Posted by ブクログ

    なんだろう、不思議な読後感。
    決して悪い話ではないのに、うすら怖さがあったり、変な人?とカテゴリーしたくなるような、癖のある人たちが出てくるのに、全体的には温かく優しい話の数々。作中にも出てくる幸田文の文体と似ているのだろうか?いずれも処女作というのに驚く。そして解説の森絵都さんが、著者インタビューを読んだら、「普通、ということにこだわりました。ふつうの人とか生活費を描きたいという気持ちが強いので」という言葉を見つけ、危うく椅子から転がり込む落ちそうになった。と。笑笑

    7つの短編。バラバラな日常を描いている。
    どれもどこか強烈な印象が残っていて面白かった。また読み返した時に何を感じるのか楽し

    0
    2024年12月30日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    不思議な味わいのある作品です。
    女性2人の敬称しがたい絆を描いた作品。
    男性のバディものは結構あるけれど女性の人生苦楽を共にしたバディものは珍しい。いい言葉がみつからなくてバディとゆうてみたが、そこには収めたくない関係性ですね。

    2024.11.30
    196

    0
    2024年11月30日
  • 女ともだち

    Posted by ブクログ

    「女ともだち」をテーマにしたアンソロジー。女性が書く女性の描写ってほんとに良くも悪くも容赦がなくて、でもあたたかくて冷たくて、最高だな~~~!と思う。仲がいいのか悪いのかわからない。それでいてなんかわかりあえるところがあるという、絶妙な関係性の話ばかりでどれもおもしろかった

    0
    2024年11月29日
  • 襷がけの二人

    Posted by ブクログ

    千代とお初さんの昭和初期から終戦後までが描かれている。
    父親の親友の息子のもとに嫁ぐ事になった千代、そのうちにはお初さんという女中さんがいた。
    千代の結婚生活は決して順調なものではなかったが、お初さんや同年代の女中のお芳さんと仲良く暮らしていく。
    順風満帆ではない千代とお初さん、それでも前向きに生きている姿に清々しい感動を覚える。
    立場が逆転してもこだわることなく生きていける二人がいい。
    そんな関係が築ける相手がいることは大変幸せなことだろう。
    戦争で身体だけでなく心も傷ついた人達がいっぱいいた時代だったんだ。
    とにかく千代の生き方、お初さんの生き方、どっちも素晴らしく爽やか。
    長編だったが読

    0
    2024年11月07日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    嶋津輝「漂泊の道」
    葬式の時にしか会わない遠い親戚との話。自分の母親の兄の奥さんの妹の娘、遠すぎてものすごく考えた…その親戚、カナさんと4回顔を合わせ、その後、父親の後妻になっていた、そんな複雑でもあり得そうな話。何度登場してもカナさんはステキで、自分に対してもハッキリ物申す人で憧れていたのに、いつか違う感情を抱くようになっていた。薄く長いスパンの付き合いの親戚ならではの動きのあるストーリーだと思った。

    町田そのこ「六年目の弔い」
    哀しみを共有してくれる人がいて必要と思えば手を差し出し触れ合える、それがありがたかった
    というところ、が身にしみる。
    亡くなった人は、思い出の中でしか生きられない

    0
    2024年11月06日