嶋津輝のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー
既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。
なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
女性あるあるです。
そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。
坂井希久子さんの「ト・モ・ダ・チ」はイヤミスを連想させるどろどろした話で、もはやホラーの様にも思えて怖かった。
千早 茜さんの「卵の殻」は繊細な女性心理が描かれていて女性の執着がただただ恐ろしい。
「サバサバした女なんていないよ」のセリフが印象に残ります。
子供時代の競争意識、嫉妬心を描いた大崎 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大正、昭和の時代を生きる女給達の物語。
カフェーという場で繰り広げられる人間ドラマ、彼女達の生き様を興味深く読ませてもらった。
喫茶店とも違う、バーや食堂という感じでもなく。
時代のうつろいと共にそのサービスの内容が変容していき、華やかさを増し、もはやキャバクラの様相を見せる店が台頭するようになる一方で、本書の舞台カフェー西行は良くも悪くも賑わいも薄い上野の片隅で細々と営業される一店舗。
一貫して当初からのカフェーのスタイルを保つ。
華やかな店で活躍したいという野心、女給達の友情、女給という職業に対するプライド、戦争や家族との関係、ひと時代が過ぎ去りまた集う場としてのカフェー。
1話ずつ主 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦前から戦後にかけてのお話。カフェ西行で働く女給数人の視点を入れ替えながらの連作短編のような構成。
セイさんの話の時、向井さんに赤紙がきたというところで感情移入で泣きそうになった。その後、無事帰ってきたのでほっとしていたら、また召集され帰らず…
タイ子さんの息子さんも大きくなったんだなと思ったら召集され、今度激戦地に行くからと最後のお手紙…もうやめてくれその後どうなったんだと思っていたら、幾子さんの章で怪我はしつつも帰ってきていたのが書かれていてまた泣きそうに
一昔前のカフェを取り巻く社会史的な本かな〜と思っていたら中盤からはなかなかハードだった。ほんと辛い時代。そりゃアメリカのものなんて見た -
Posted by ブクログ
戦前、戦中、戦後、カフェ西行で働く女給たちの話。カフェの有り様も経過で変わり、その情勢により生活も変わっていく。戦争に引き込まれて自分の家族を失くす辛さを感じさせながらその時代の女性の姿を描いていく。
時代が違ってもいろんな人がいるよなと思った本。特に19歳と堂々と嘘をつく園子さんとセイさんの話が印象的だった。セイさんに関してはまだ自分の気持ちに気づいていないのか理解してないのか気づきたくないのか、向井との恋が成就してよかった。向井が戦死してしまったあとのセイさんがもうセイさんらしく、ふてぶてしく自分なりに頑張って商いをしてるのがとても嬉しかった。
メインはタイ子さんの話ではあると思うけど、セ -
Posted by ブクログ
ネタバレ良い本だったなあ。
前半はなんとなく物足りなさを感じていたけど、後半セイさんのお話で時代が戦時中に差し掛かってから一気に引き込まれた。
それまでの稲子さんと美登里さんの話は、あくまで彼女たち自身の物語で自意識が主題だったが、自分が彼女たちの悩みや人柄に共感しきれなかったせいで深く刺さるものはなかったのかな、と思う。
後半のお話からは物語が自己で完結せず、それぞれの大切な誰かとの関係が描かれている。
セイさんと向井さん、タイ子さんと豪一さん、幾子さんとお母さん。それぞれ形は違えどどのお話も人が人が想う気持ちがまっすぐ描かれていて、その健気さが戦争の存在によってとても哀しく感じられた。特に豪一さ