【感想・ネタバレ】駐車場のねこのレビュー

あらすじ

「オール讀物」新人賞受賞作「姉といもうと」を含む傑作短篇集。

幸田文の『流れる』に憧れる家政婦の姉と、指がないが活動的でラブホテル受付をする妹。
つぶれたスナックの女性店員たちが開いた競馬場での同窓会。
職人気質のクリーニング店主と常識外れの若い女性客。
駐車場の猫に餌をあげている布団屋の妻と、“役者のような美男子”の夫……。

おもわずほほえんでしまうユーモア。人間観察からあふれでる、生きることへの“姿勢の良さ”がにじみ出る。

解説・森絵都「どんな個性も大らかなユーモアをもって包みこむことで、マイナスをもプラスに転化させる。これぞ嶋津マジックだろう」

何気ないやりとりから生れる違和感がクセになる、オリジナリティ溢れる全7篇。

※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本『スナック墓場』の文庫版を底本としています。
文庫化にあたり、改題しました。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

一見普通だけど、ちょっと不思議な人たちの話。

どんな人にも文字通り人生があるのですね。

読んで良かったなーと思わせられました。
嶋津輝さんの他の作品も読んでみようと思います。

なお、「美丈夫」という表現が妙に気に入ってしまい、これから積極的に使っていきたい。

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

ほのぼの、としていながら続いていく何気ない日々。
こんな小説を読みたかった。いくらでも読める。
良い本に出会えました。

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2024年09月13日

Posted by ブクログ

前回の直木賞候補『襷がけの二人』の作者、嶋津輝の短篇集。作者の作品にはごく普通の人たちの世界を描いているようでいて実は変わった個性や身体的特徴を持つ人が度々出てくる。そんな人々をあたたかい目線で愛する作者の優しさを感じる。

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2024年07月03日

Posted by ブクログ

7編収録されている短編集。どの作品も淡々と描かれているけれどどこか不思議な魅力も感じられる。どこにでもある日常のなかの変化やふと感じる違和感を通して見えてくる毎日が少し良く思えたりする瞬間がとてもいい。この淡々とした空気感とその中にいる人たちの暮らしのこれまでとこれからがもっと読みたくなるとても大好きな短編集。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

ほのぼのした短編だが、登場人物のキャラクターが面白くかつ物語にも一捻りあって面白かった。
他の作品があればまた読みたい。3.8

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

なんだろう、不思議な読後感。
決して悪い話ではないのに、うすら怖さがあったり、変な人?とカテゴリーしたくなるような、癖のある人たちが出てくるのに、全体的には温かく優しい話の数々。作中にも出てくる幸田文の文体と似ているのだろうか?いずれも処女作というのに驚く。そして解説の森絵都さんが、著者インタビューを読んだら、「普通、ということにこだわりました。ふつうの人とか生活費を描きたいという気持ちが強いので」という言葉を見つけ、危うく椅子から転がり込む落ちそうになった。と。笑笑

7つの短編。バラバラな日常を描いている。
どれもどこか強烈な印象が残っていて面白かった。また読み返した時に何を感じるのか楽しみな作品かも。

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

世の中のちょっとフツウではない人たちの日常というか、フツウなんて枠はぼやけていて、みんな何かしら変わってるんだけど、ちゃんと合わせたり合わせなかったり、話してみたり付き合わなかったりしながら生きている。
姉といもうともよかったし、一等賞は切ないけどおかしみがあり、スナック墓場の馬券のくだりはリアルで面白かった。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

家政婦の姉とラブホテル勤務の妹、職人気質のクリーニング屋と常識外れの女性客。何気ないやりとりから生まれる違和感がクセになる愛すべき7篇。
平凡な人生、平凡な暮らし…何かと私たちは、とりあえず普通であれば不満は抱かないが、人間関係も自身の行動もひとつ選択を間違えれば非常事態に陥る。そんなスレスレ感を事を荒立てることなく表現する作者の巧さに感服する。誰の人生もホラーだ。

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2022年04月25日

Posted by ブクログ

面白かったけれど、なんと書いていいかよくわからない話。
知人にはおすすめはしないかな。
どれも設定もユニークでいいんだけれど、最後に で?と聞かれてしまいそうな話ばかり。
まぁ、実際に現実は解決しないこと・割り切れないことの方が,多いということではありますが。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

不思議な話でした。
変わった人が地域から孤立をするのでなく、必ず周囲には見守っている人がいて、その関係を第三者の目線で見ている感じ。
それぞれに記憶に残るような特別なエピソードはないんだけれども、なんともいえない読後感が良かった。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

7篇からなる短編集。
ちょっとしたことがちょっと幸せに思えることとか、ちょっと艶めかしい?話しとか…なんてことない所に転がっていそうなことにスポットライトを当てて丁寧に書かれている感じ。

『一等賞』が中でも一番好き。商店街の人々が病気でおかしな行動を起こす男を決して迷惑がらずに協力して彼の家まで誘導していく様が素敵に思えるから。

全体的な感想としては『どこにでもありそうだけどちょっと不思議な話し』なのです。

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2025年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラインのふたり
日常のちょっとした嬉しさ

カシさん
カシさんは何だったのか、男にどんな感情を抱いていたのか
奥さんの強さ

姉といもうと
こんな姉妹関係だったら、素敵だなあ

駐車場のねこ
苦手だった人が、あんがい悪い人じゃないかもと思えたこと

日常だけどどこか日常じゃない、吸いこまれるような作品たち

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2024年11月08日

Posted by ブクログ

女性ならではの視点が随所にみられた作品。
「カシさん」、結局結末はなんだったんだろうかと思ったけれど...
なんか粘着質が感じられた、今まで読んだ本ではあまり感じられなかった変わった短編集だった。

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2024年02月17日

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