嶋津輝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦前から戦後にかけて当時珍しかったであろうカフェで働く女給たちの物語だった。
この時期の話をここまで庶民、ましてや女性に焦点を当てて書いている小説は多くないため終始新鮮な気持ちで読んでいた。
時代が時代で景気も悪い時期の物語なので派手な描写はないし、周囲の人間の戦死が常に隣り合わせにある環境の辛さは描かれていたもののそんな時代の中でも人の温かみで支え合ってきたのだなと温かい気持ちになった。
穏やかな気持ちで読み終えることができたが、当時の若くない女性の生きづらさは相当なものだったんだなという残酷さも読み取れた。カフェで働くにも20歳で年を取っているとみなされる。結局嫁にいくしか選択肢がなくな -
Posted by ブクログ
文句なしに星五つ、直木賞受賞作品も納得の素敵な作品。
舞台は戦前から戦後にかけての上野のカフェ、和名は西行。英語名は忘れた。
そこに勤める歴代の女給さんたちのなにげない日常を、会話を、
いきいきと描く、一種の大河ドラマになっている。
あらすじなんか書いたって何の意味もない、
どこにでもいる様々な年代の様々な境遇の女性たちが、
ほんとうにみずみずしく描かれている。
惹きこまれる。
上野を中心に、神田や本郷が出てくる。何故か松戸も出てくる。
226ページの薄い小説だが、宝箱のようだ。
心温まるというか、元気になるというか、生きててよかったというか、
よい小説!
稲子のカフェー
嘘つき美登里
出戻 -
Posted by ブクログ
「カフェの帰り道」で最近直木賞を受賞された嶋津輝さんの作品。女同士の友情が爽やかで読後感がいい。
千代は目の見えない三味線のお師匠さん初衣のところに住み込み女中としてお世話になることになった。初衣は空襲で目が焼けて見えなくなった。千代も空襲で喉が焼けてしまって今はダミ声である。それで初衣は千代がわからなかったのだ。初衣と千代はもともと知り合いだった。
大正15年、千代は山田家に嫁ぐ。初衣はそこのお手伝いさんだった。家事全般何をさせても手際が良く、素晴らしい。特に料理がうまく、千代は初衣に教えてもらったようなものだ。初衣は元芸者で、夫の父に落籍されて山田家に来ていた。
夫が高崎の方に仕事に -
Posted by ブクログ
ネタバレ襷がけをして家事に勤しむ2人の姿と、長い人生をかけて交差する2人の関係性を掛けているんですね…
おっとりした千代さんと芸妓あがりで粋なお初さん。主従関係が入れ替わりながらも長い間連れ添った2人の関係性が羨ましい。
義父の妾と嫁という間柄で、お互いに軽蔑しようと思えばできたのに、尊敬しあって支え合う2人の心根の良さが沁みました。
お料理シーンが大変多く出てくるので、昔の手の込んだ旬の食材を使ったお料理が美味しそうで美味しいそうで…現代では高いお金を払わなければ食べられなくなりましたが、手間暇かけて自分と誰かのためにお料理したくなりました。 -
Posted by ブクログ
とにかく面白かったです。
大正15年(1926年)から昭和25年(1950年)までの千代さんと初衣さんの関係と人生が描かれています。
少しぼおっとしたところがある千代さん、背が高くキビキビと行動する初衣さん。
わたしは、お初さんのカッコよさのファンになりました♡
千代さんとお初さんがお風呂に入っている場面での、お初さんの「もそっと」には声を出して笑ってしまいました。
ていねいに書かれている名作だと思います。
みなさまもぜひ♡
〔作品紹介・あらすじ〕
第170回直木賞候補作として選考委員から激賞!
全編にわたるユーモアが、高く評価された女性たちの大河小説。
裕福な家に嫁いだ千