嶋津輝のレビュー一覧
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『カフェーの帰り道』で直木賞を受賞した嶋津さんの作品を初めて手に取りました。本作は『カフェー…』と同じ、大正から昭和の時代を生き抜いた女性たちの生きざまを描いた小説でした。
物語の主人公である“千代"とお初さん。戦前と戦後でこの二人の主従関係が逆転するという出色のストーリー展開に、まずはびっくりさせられました。それなのに、二人の仲は時が経るにしたがって「不思議な絆」で結ばれていきます。
まず、関東大震災や太平洋戦争といった出来事が、彼女たちの人生に色濃く影を落とすのですが、世間の荒波や風聞に押しつぶされそうになりつつも、しっかりと地に足を付けて日々の暮らしを立てていきます。
特 -
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正直なところ、はじめはあまり惹かれなくて、一度は読むのをやめていた。
でも、その後から段々と面白くなり、気が付くと彼女たちの日常に夢中になっていた。
挫けそうになっても必ず助けてくれる人がいる。
大変な時代でも女性たちがお互いに助け合って、明るく楽しく頑張って生きている。
特に、誰かを思って作る丁寧な料理のシーンは、彼女たちの温かさがじんわりと伝わってきた。
そして、『カフェーの帰り道』ではあまり描かれていなかった戦争中の悲惨な体験や、抗えない現実も今作は描かれている。
それでも重くなりすぎず、さらっと描かれている。
嶋津さんの作品は、いかに悲惨だったかをストレートに伝えるものではなく -
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ネタバレなんと、まともな男性(個人的な感想)は1人?2人しか出てこなかった…ように思える
親都合での結婚、女中の仕事や妾の存在など、この時代ならではの女性の苦労も多いほか、戦争描写がある為、実際に胸が詰まり読んでいて苦しくなる場面もかなり多かった。
その反面、幸せな場面を描くのも上手で、読んでいる自分もまるでその空間に混ぜて貰っているような気持ちになる。
容姿も良く、仕事ができ、人からも愛されるお初さんでも、人には言えない過去を抱えていて、そしてその過去に対して後ろ指を刺されているんじゃないかと何十年経っても心配しているところに人間味を感じた。
主人公の千代は幾度と大変な思いをして、何度か環境が変わっ -
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【感想】普通のようでいて、どこか奇妙な感じの人びとが棲息してる短編集。湿っぽくなく、したたかに、やすらかに暮らしている。
【内容】(01)作業ラインで知り合った女たちのほのかな交流。(02)シミ抜き好きクリーニング屋主人と乾いた感じの妻と洗濯をしない不思議な女性カシさん。(03)女中願望のある里香と指に欠損があるが屈託ない多美子の姉妹の仕事と生活。(04)布団屋の民子・治郎夫婦と地域猫とフグ屋の女将。(05)女性にぞんざいに扱われると気分が高揚する益郎はぶっきらぼうな母娘の米屋で弁当を買う。(06)ときどき何かを探そうとする発作が起きる荒雄さんと、商店街のみんなと、いろんな店でアルバイトしてい -
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ネタバレ好みなのは「祀りのいきもの」。祖母は何を飼っていたんだろう。南洋の妖精?そもそも南洋の妖精は生き物なのか。不思議が心地よく残るお話だった。
文章が全体的にひんやりと静かなイメージで好み。
印象に残ったのは「二人という旅」。冠婚葬祭というテーマにSFチックな作風という斬新な角度?からの物語だなと思った。アンソロジーにスパイスが効いて私は好き。
あと、結婚について、契約の女神と対話するシーンがとても好き。結婚の誓いは後に夫婦が別れたとしても破られたことにはならない。なぜなら、結婚という契約はお互いを永遠に愛したという、それほどまでに強い願いが、人の短い人生に一生に一瞬でも存在したことの証明だから -
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ネタバレHKさんのおすすめ。
千代は、三味線のお師匠さんである初衣の家で働く女中。
初衣は東京大空襲で目が見えなくなっていたため黙っていたが、
千代は東京大空襲の夜まで初衣と一緒に暮らしていた。
千代が主人で初衣が女中として。
いや、千代の義父の妾として。
「カフェーの帰り道」と同じ作者だったが、
それよりももうちょっとしっとりした感じだった。
製罐工場の社長の妻として不自由のない暮らしをしていた千代が、
夫とは心の通わぬまま別居になり、
義父も亡くなり、もう一人の女中と三人で暮らしている様子は幸せそうだった。
さらに、大空襲をきっかけに、
独身寮の住み込み女中として自立できて、
そこで悲しい恋も