嶋津輝のレビュー一覧
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この本の表紙のような柄の着物に、フリルのついた白いエプロン。キビキビと働く女給の姿は、当時の女性たちの憧れだったのでしょうね。
舞台となっているカフェー西行は立地が良くなくて、あまり繁盛していません。店外の色稼業もないし、店長の人柄も相まって穏やかな空気が流れています。著者はさまざまな事情を抱えて女給として働く女性たちを、すぐそばで温かな目線で描いています。ジェンダーロールという枠に押し込められて、今よりもっと窮屈そうですが、それはそれとしてサラリと受け入れて世間を渡って行く姿に勇気をもらいました。私も肩肘張らずに、現状を受け入れて、サラリと働こう。 -
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2025年下期直木賞受賞作品
作者は嶋津輝さんで初読み作家です。作家で輝さんというと宮本輝さんを思い出します。宮本さんは直木賞受賞歴はありませんが、その昔には「螢川」という作品で芥川賞の受賞歴がある今でも根強い人気のある書き手ですね。
宮本輝さんのイメージから本作は男性作家によるものだと思い込んで読み始めてからすぐに繊細な書きぶりや表現方法から嶋津さんは女性なんだなと思い至りました。
ところで⋯あらすじは他のレビュアーに譲るとして
朽葉色、濃褐色、桜色、小豆色、藤鼠色、梔子色、薄桜色、紅色、灰色、瑠璃紺、黄色、褐色、赤紫、金色、浅葱色、菖蒲色、薄茶色、鼠色、辛子色、海老茶、紫色、群青色 -
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ネタバレむずかしい本…?と思いながら読んだけどあっという間だった。
戦争の惨たらしさが一行で描かれていた。
その一行を読んだ後は時間が止まったかのように唖然とした。ほんとうに、こうやって、急に全てを奪い去っていくんだと思った。この一行のように、きっと一瞬で戦争は全てを奪っていったんだと思う。
嘘つきのミドリは嘘つきなだけじゃなくて性格もちゃんと悪くてめちゃ笑ったし、夫婦が初めてタバコを吸うシーンはめちゃ面白くて笑った。この本はすごく明るい。それでもボケてしまったマスターやいなくなってしまった恋人にもなってない人や叶わなかった夢たちやチョコレートも素直に楽しめないようなその日々は日々としてある。
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ネタバレカフェ関連の本が急に増えたなぁってのが正直な感想で、この本も新刊コーナーで見つけたけど、”またか”程度でスルーしていた。ところが直木賞ノミネート、そして受賞というからどんなもんなんだろうってスルーした悔しさ半分の気持ちで読んでみた。
近代ものと思いきや、カフェー西行に携わった女給のそれぞれの人物の短編ものが、それぞれに絡みながら明治から大正、そして昭和と時代を超えながらつながっていくとまぁありふれた構成で、やはりいつものカフェものだなぁとは思ったけれど、当時の女性の立場目線で描かれているのが面白く、また歳を重ね深い人生を過ごしてきて再びカフェー西行に現れるのがいい。さらっと読めて深イイ話的な連 -
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大正から昭和にかけての時代を生きた女性2人の物語。
父の友人が経営する製缶会社の跡取り息子に嫁いだ千代は、無口な夫とは心も体も通じず、女中頭の初衣や歳若い女中のお芳ちゃんと家事をする毎日だった。
千代と夫の関係がどうにもならなくなったり、初衣が元芸者で義父と関係があったことなどやさまざまなことがあるなかで、戦禍のなか逃げているうちにはぐれた千代と初衣。
ひとりで健気に生きようとする千代が、やっと親しくなれた男性にも裏切られ、次に出向いたのは住み込みで盲人の三味線のお師匠さん宅だった。
空襲に巻き込まれて喉を潰した千代と目が見えなくなった初衣との再会は、2人の立場が逆転したとはいえ、そ -
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思い出すのは、こゝろという喫茶店である。
大学時代によく通った。もしかしたら教室よりもこゝろで過ごした時間の方が長かったかもしれないと言えば流石に言い過ぎだろうか。
夏目漱石の小説からきたとかきてないとか言われるその小さな喫茶店はいつからあるのかもわからない。とてもレトロなお店である。いつ空いてるのかもわからない、友人と待ち合わせしても、行ってみたら空いてないことも満更だったな。あのお店にもいろんな人が通って、いろんな物語を継ぐんできたのだろう。まだやってるといいな。また行ってみたい。
カフェーの帰り道。ひとつのカフェーを中心とつつ、その給仕たちの物語を描いていく連作短編。
とても繊細に人物 -
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千代は容姿が平板で後味を残さない。
それがいいのか、悪いのか。
昭和24年、千代が訪れたのは
盲人で三味線の師匠をしている女性・初衣の家。
師匠の身の周りの世話をする仕事を得た千代。
そこから2人がどのように生きてきたのか
世の中の動きと共に明かされていく。
大正15年、千代が嫁いだ先に女中頭の初衣がいた。
時代と共に日常生活から戦局が深刻化していく様子が伝わってくる。
初衣と千代、その時代を生きた全ての女性たちの力強さが
読むものの胸にしっかり響いてくる。
木内昇さんが好きで読み続けているけれど
似ているようでまた違った面白さがある。
初読み作家さんだったが、この先も追っていきたい。 -
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大正14年
19歳で工場を経営する山田家へ嫁いだ千代
その婚家で女中頭だった初衣
二人は20歳差ながら、気の合う仲間
千代の夫である茂一郎はあまり喋らない人で夫婦関係はうまくゆかない
よその女性との間に子供を作り家にはほぼ帰らない
この時代の女性達は、一人で暮らしていける様な仕事もないから、どんな夫であろうと離縁されると生きてゆけず我慢するしか無いのですね
女性が一人前の仕事をしていた、数少ない人たちは
朝ドラのヒロインになる位珍しい事だったのでしょう
戦争の後初めて、一人で必死で生きる千代
戦禍の中生き別れになってしまった千代と初衣
そして再会出来た後、前向きに今を生きる二人の姿が、 -
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7つの短編集
ちょっと変わった人達が出てくるけど、根っからの悪人ではない
普通の人の日常の中に紛れる優しさ
そして、ちょっとした謎
しかもその説明は成されない
そんな何気ないやり取りが満載
・ラインのふたり
工場の短期バイトで知り合った女性二人の交流
若い社員から目の敵にされている事を察し、口撃を試みるが
その社員から返ってきた対応とは
バイト目線では、社員さんの仕事はそう見えるのでしょうね
実際は、他のタスクのついでだったりするのだけどね
それにしても、「命の母」って職場の救急箱に入ってるものか?
頓服薬ではないんだけど?
・カシさん
個人経営のクリーニングを営む夫婦と、下着ま -
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ネタバレジャミラはホントはいい人だなと思った。二人はお母さんと同い年だから、お母さんと同い年の気持ち思って薬渡したのか、悪い人に思えてもいいとこもあるのかなって思った
かしさん
最初は変わった女客だと思ったけど、妻が打ち解けあってる。クリーニングできれいなことに感動してたりする。人っていろんな顔持ってる
姉といもうと
多美子、指を失ってるにも関わらず臆することなく、おぎので働き、家庭教師の間に相手をみつけ、そのまま後継として、二人で住む。頑張ってるからこそ、幸せな感じがした。
129p「私の指のこと、質問もしないし、何も言ってこないの。それはそれで、何もいわないのもおばさんが直接きいてくるのもどっち