嶋津輝のレビュー一覧
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直木賞候補作にこの『カフェーの帰り道』という作品が上がった時に、タイトルと装幀にとっても惹かれ、受賞が決まった時には尚更「読むしかない」と心の中で決めた作品でした!
今の弱った私は正しくこんなのを求めてたぁ〜と、文章に、そして登場人物たちに胸を打たれながら読みました。
美しく読みやすい文章に引きこまれ、 戦前〜終戦後間もないころの女性の働き方を、女性の目線から辿れるお話でした。
当時の日本の「カフェー」文化の勉強になるし、そんなカフェーで働く「女給」の仕事についてや、「職業婦人」という名称のついた女性の立ち位置、デパートのいわゆるエレベーターガールの見られ方などを垣間見ることができ、当 -
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昭和24年、鈴木千代が口入屋(職業紹介所)から斡旋されて三村初衣という三味線のお師匠さんの家を訪ねる場面から始まる
千代は目が不自由な初衣の家で住込みで働くのだ…
しかし初衣はその昔、千代が嫁いだ先の女中…
つまり千代が奥様だった
東京大空襲で目が見えなくなっていた初衣と喉を痛め銅鑼声の千代
千代は素性を隠して初衣に仕えることに…
そして場面は大正15年
千代の祝言の日に変わる…
そして二人は互いにかけがえのない存在になっていく
表紙からも想像するように市井の普通の生活が描かれているようで…途中からこれはミステリなのかしら?と思いながらこの作品にどっぷりはまった!
(ミステリではなかった…( -
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朝ドラ「あんぱん」とドラマ「めおと日和」で、ちょうど同じ時期に戦前戦中の暮らしが描かれていたことがきっかけで、こちらの本に興味を持ちました。
工夫しながら丁寧に家事をして日々を過ごしている様子が好印象でした。ご飯もおいしそう!
タケのように噂好きな人はいるでしょうが、基本的には他人の暮らしが見えず、自分たちの小さな生活に集中している感じが、今のSNSまみれの生活よりも精神上安定するのかなと思いました。
悩みはあるけれど、知らないことは知らないでいいし、できないことはできないと割り切る感じ。
千代とお初さんの、奥様と女中でありながら、師匠と弟子、親子のような、踏み込みすぎずお互いを気遣い合う -
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前半、あまり好みでない作品が続きましたが、後半すごく良かったです!
おもしろかった3作品
「こっちを向いて。」
分かるー‼︎って話でした。大人になってから友達作るのって難しい。こちらと向こうに友達を作ろうという願望が、まさに同じタイミングで存在しないと成立しない。
自分が今までに経験した感情が言語化されてる感じで気持ちよくて、そして切なかったです。
「ラインのふたり」
いたずらして笑ってはいけないのに全身で笑い出したくなる感じ。笑いすぎてお腹痛くて涙出る、みたいな。そういう時の女子同士の連帯感を思い出しました。
終わり方も良かった。
「獣の夜」
一番好きです。ジビエ、全然興味なかったけ -
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太平洋戦争を挟んで、ひょんなことから二人で一緒に生活していくこととなった二人の女性の出会いと別れ、そして再会の物語です。
物語は、主人公がとある女性の家に住み込みの女中として働き始めるところから始まる。その女性は、盲目だがしゃんとした人で三味線のお師匠をしている。彼女は、主人公にとっては戦時の混乱の最中に生き別れになった、誰よりも近しい人だった。大正十五年の嫁入りから、昭和二十年三月十日の東京大空襲の日まで、ずっと同じ家で過ごしてきた。その日々の中には様々な想いや葛藤があったけれど、つましい中にもたくさんの楽しみを見つけていく彼女たちは、生き生きとその時代を生きていたのだと感じられる一冊