嶋津輝のレビュー一覧

  • カフェーの帰り道

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    終戦から63年後に生まれた呑気なガキでも、当時の情景や大切な人の帰還をただひたすら待ち続けるもどかしさを噛み締めることができた。冷房ガンガンの部屋で読んでも、心の内からじわじわ暖まった。特に章を追い、全てのキャラクターに愛着が湧いてからの『幾子のお土産』は、足先まで暖まりすぎて冷房の風量あげたт тイヤミスなどの後味悪い小説も良いけど、自分はこういう本が読みたいんだなと気付かされた。ほんでもって、装丁かわいい。100年前をコンセプトにしているんだなとひしひし感じる質感。

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    2026年10月19日
  • カフェーの帰り道

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    ネタバレ

    良い作品でした。
    昭和初期から戦後のカフェーを中心とした、女性たちの人間模様がとてもリアルに描かれています。作品の初めに出てきた人物が終わりの方で歳を取って再登場する様は、それほど長い作品では無いのにも関わらず、なぜか懐かしさをほんのりと感じます。最も心に残ったのは、セイと髭面の理髪師・向井とのやり取りです。二人の恋路の背中を押してあげたいような気持ちになりましたが……。向井の戦死があっさりと描かれており、戦争というものについて改めて考えさせられました。

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    2026年10月18日
  • カフェーの帰り道

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    直木賞作品
    『カフェー西行』で働く女給さんが章ごとに主人公となり物語は進んでいく
    人と人の繋がりや女給さん同士の思いやりや優しさ等が会話から解る
    戦前・戦中・戦後の生活感を着物姿や髪型等の様子を垣間みたように思う

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    2026年10月18日
  • 襷がけの二人

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    大正十五年、千代は19歳で親同士の決めたわりと裕福な家に嫁に行き、会ったこともない人と夫婦になるのですが、その家には料理の腕が抜群で、てきぱきと働く初衣という女中がいました。

    大震災に戦争という激動の時代を生き抜いた女性たちの絆を描いた物語です。

    随分あとになって、千代はお初さんの年齢や経歴を知るのですが、二人は人に言えないとんでもない秘密を打ち明け合ったり、お初さんのとてもひらけた考え方のおかげで千代は前向きに生きる姿勢を保てることができるのです。
    お初さんは特徴のない平凡な顔立ちの千代に、素直でのんびりした裏のないところが好きだから、女としての幸せを願っていると告げます。

    出会いもあり、別れもあり、酷く辛い場面も数多く出てくるのですが、台所で勇ましく立ち働く女性たちを描く場面がひときわ明るく光を放っていました。
    この二人の様子を見ていると、辛いことが吹っ飛んでしまうようです。

    解説の青木奈緒さんが、幸田文さんのお孫さんであることを知って、あぁ読んでよかったなと思いました。

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    2026年10月18日
  • 駐車場のねこ

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    短編7編
    ノスタルジックさがあってどの短編もとっつき安く読め、人と人との繋がりをやんわりと感じれる温かさがあった。

    「姉といもうと」が印象的
    登場人物の身の上は明るいとはいえないのに文章がみずみずしい。

    森絵都さんの解説もよかった
    「世の中には平凡な人間など一人も存在せず、外側はすまして生きている私たちの誰しもが、その内側にとてつもなくへんてこな個性を隠し持っているのかもしれない。
    どんな個性も大らかな人ユーモアをもって包み込むことで、マイナスをもプラスに転化させる、これぞ嶋津マジックだろう。」

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    2026年10月14日
  • カフェーの帰り道

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    戦争前後のカフェで働く女性達が主人公。読みやすく、面白くあっという間に読み終わった。戦時中の暗い話が前向きで明るい女性の視点で書かれており私の気分も爽快になった

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    2026年10月12日
  • カフェーの帰り道

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    カフェー西行で働く女給たちの人生のお話。
    時代、戦争に翻弄されながらも懸命に生きている。切なさもあり。

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    2026年10月11日
  • カフェーの帰り道

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    戦前でカフェに女給として働いていた女性達がいろいろな人生を経ても戦後にまたマスターのもとにつながりができる心温まるストーリーでした。

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    2026年10月11日
  • カフェーの帰り道

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    カフェーを舞台にした日常の物語なのになんか先が気になる、読みたくなる。文章も読みやすいのに雰囲気はあって楽しい。ほのぼのと思いきや、そうかその時代か、となるエピソードもあり、最後まで入り込めた。

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    2026年10月11日
  • 駐車場のねこ

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    短編7編。
    主人公は普通の人だったりちょっと風変わりな人だったり…。普通の人などいないのかもしれない。それぞれに生活があり、淡々と暮らしている。今を生きてる強さみたいなものを感じた。

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    2026年10月03日
  • 襷がけの二人

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    ネタバレ

    大正〜昭和時代のお話。
    戦前〜戦中〜戦後 一つの映画やドラマをみているかのような描写が目に浮かぶ作品。(特に料理のシーンはどれも食べたくなる…!)

    この時代の女性は、暮らしにくさもある中でとても強く、逞しくて、時にはお茶目で可愛くて尊敬する。令和の時代を生きる私にとってはある意味羨ましく感じる部分も…。

    千代さんがずっと過酷すぎて、もっと千代さんが幸せになってほしい。こんな運命でなければお初さんと死ぬまで暮らすことができなかったのであると考えれば、ある意味幸せなのかも。
    ずっとずっと二人で笑いながら楽しく生活してほしいな。

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    2026年09月27日
  • 女ともだち

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    ネタバレ

    短編集はサクッと読めて良い!

    copy
    騙された、僕って言うもんだから

    ト・モ・ダ・チ
    え、分かる。怖いけど早苗の気持ちが分かる。
    親友が欲しくて、孤立してる子に近づく気持ち。
    この子だったら親友になってくれるんじゃないか的な下心。
    ただ、あることないこと言いふらすのはだめです。

    卵の殻
    よかったのでは??お母さんはちょっとずれていたけど、遼子はずれてないように思えたし。

    水底の星
    タイプの違う負けず嫌いたち。怖い。

    こっちを向いて。
    刺さりまくりで痛い。仕事を辞めると仕事でつながっていた人脈がなくなるのが怖くて仕事辞められない。思えば、これまでの友達は、一緒に担ぐ御神輿があった。同じお神輿がないと、女ともだちって作りにくいのかも。

    ブータンの歌
    たぶん本筋とは違うけど、介護問題は根深い

    ラインのふたり
    結局、ふたりは何か共通の敵を作ってなんでもいいから文句言いたかっただけなんじゃないかと思った。ジャミラの方が一流だった。

    獣の夜
    同い年だ。なんか憧れた。好きな話だった。

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    2026年09月22日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    町田そのこさんの話目当てに読んだ。
    遺族が、死と向き合う。
    いい話だと思ったら…
    なかなかいい話だった。

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    2026年09月04日
  • 駐車場のねこ

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    7つの短編で構成されてるのですが、分かるようなすぐ側の日常の中でのほっこりや、内に秘めた個性?の人の目線。暗い背景のようで、その登場人物たちは普通に明るく過ごしてる強さ。
    とても個性溢れた登場人物や、謎の人物などが出てきます。
    すごいなぁ、この人の独特の世界観?視点、面白い!と思ったらあとがきで、普通という事にこだわりましたで、解説の方同様ずっこけました。
    すごいですね、この方のこれから描いていく世界が気になります。

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    2026年08月27日
  • 女ともだち

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    どのお話も長編で読みたくなるくらい面白かった!それぞれ短編とは思えない満足度と内容の濃さ。初読み作者さんもいたから他のも読んでみたい。

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    2026年08月24日
  • 駐車場のねこ

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    なんとも言えず面白かった。ひやっとして嫌な予感がする展開でも、杞憂に終わって本当に悪い人は誰もいない。そういえば、直木賞受賞作でも旦那さんは浮気などしていなかったな。作者は平凡そうに見せかけて変わった人間を描く作家だけど、いい人なんだろうな。ちょっとクセになるお話ばかり。もっと他の作品も読みたいと思う。

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    2026年07月20日
  • 駐車場のねこ

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    七篇の短編集
    いずれも市井の人々の日常を描いたものだが、どれもがひと癖あってじんわりくる
    「一等賞」のアラオさん
    「あねいもうと」の多美子さん
    「スナック墓場」のハラちゃんが好き

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    2026年06月07日
  • 駐車場のねこ

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    短編集。7本中の3本目で「あ、これは作者の『リアリティ』なんだ」と気付いてから一気に面白くなりました。特殊な状況で明確になる、特殊ではない感情に、共感。よかった。

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    2026年06月01日
  • 駐車場のねこ

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    表題作「駐車場のねこ」を含む全7編の短編集。
    単行本時「スナック墓場」から改題。

    商店街を中心にした人間模様が描かれる。

    少しスカッとしたり、
    ちょっとほっこりしたり。

    一体何が起こっていたんだろう、という作品も。

    分からない作品は、作家さんが書きたいものがより際立つ気がして興味深い。

    それにしてもあまりにヒキのない題でびっくりする。
    直木賞を獲っていなければまず手にとらなかった。
    獲ってくれたから、読むことができた。
    直木賞ありがとう。

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    2026年05月14日
  • 駐車場のねこ

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    【感想】普通のようでいて、どこか奇妙な感じの人びとが棲息してる短編集。湿っぽくなく、したたかに、やすらかに暮らしている。
    【内容】(01)作業ラインで知り合った女たちのほのかな交流。(02)シミ抜き好きクリーニング屋主人と乾いた感じの妻と洗濯をしない不思議な女性カシさん。(03)女中願望のある里香と指に欠損があるが屈託ない多美子の姉妹の仕事と生活。(04)布団屋の民子・治郎夫婦と地域猫とフグ屋の女将。(05)女性にぞんざいに扱われると気分が高揚する益郎はぶっきらぼうな母娘の米屋で弁当を買う。(06)ときどき何かを探そうとする発作が起きる荒雄さんと、商店街のみんなと、いろんな店でアルバイトしている演技好きなユキ。(07)妙に賑わってるスナックは常連客がよく死ぬ店でもあった。

    ■メモ

    「ちゃんと手ぇ動かしてね!」(p.15)

    「あたしは一流の人間が好き」(p.25)

    柔らかい声がした。高くも低くもなく、ただ柔らかくて、まるく響く声だった。(p.47)

    女客はどこかわくわくしているような目つきをし、笑いを堪えているような口許をしていた。(p.48)

    あなたの汗って、なんとなく、汚くなさそうな感じがするわ(p.66)

    「だって、あなたって、乾いた雑巾みたいだもの」(p.66)

    里香にはもともと女中願望がある。(p.81)

    「あるもので何とかする」(p.93)

    「うん、たしかにやることが一番大事だけど、なんで、を考えるのも時々は必要じゃないかなあ」(p.110)

    「そう、里香ちゃんは、凄いところがある」(p.130)

    夫はなぜか猫をべつの動物に例えたがる。(p.137)

    民子はこの女店主の笑う以外の表情を見たことがない。(p.140)

    益郎は、女性にぞんざいに扱われると気分が高揚する。(p.168)

    店主たちは一致団結し、荒雄さんを手から手へ運んでいくのだ。(p.189)

    貧しくも健気な人間ごっこは徐々にエスカレートしていった。(p.194)

    ユキはあたかも商店街全体とフリー契約でも結んでいるような形で、人手が足りないと声がかかるや、どの店にでも手伝いに出ている。(p.202)

    なんのきっかけもなく、ある日突然、ああ、いま自分はこの店の一部である、と理解したのだ。(p.223)

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    2026年05月12日