三浦綾子のレビュー一覧
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三浦綾子が青春に出会った本ということで、若干古いものがおおいですが、今もすたれぬ名作ぞろいで私も何冊かは読んだことがあるものがあった。この本を読んで始めて三浦綾子の本の読み方を知ったけれども、良くも悪くもほんとうに教科書的というか、筋と登場人物を的確に追って、解釈をし、感動というかこころ動かされるポイントはここで、教訓はこれである、といったような、まあ言い方悪いですが平凡な読み方をしたとのような書き方で驚いた。しかしまあ青春に出会った本というのは後から振り返っても格別の思い入れがあるようで、わたしも今読んでいる本を大切にしようとおもいました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ三浦綾子さんには珍しい文章だな、と思ったらセブンティーンで連載されていたものとのこと。
好みの問題は置いといて、連載媒体によって、「三浦綾子の世界観」を残しつつもテイストをたくみに変える、そこがとても見事だと思いました。
恋愛がメインテーマになるかとおもいきや、ストーリーは「男女の性別にとらわれない人と人の結びつき」が愛である、と結論します。
思い込みがや感情の起伏の激しい主人公にやや疲れながら読み進めましたが、この結末にはほっとしました。
その少々疲れ、うんざりさせるような主人公も20歳そこらの女性としては至極自然な姿です。
三浦綾子さんのほかの作品と比べると、キリスト教色も淡く、非常に自 -
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昼ドラの悪役並みに悪いヒロイン香也子の毒気にあてられます。裕福な家庭に生まれ、人並み以上の美貌もあるのに人の幸せを台無しにすることに熱意を注ぐ香也子は、心優しい姉絵理子までも妬み…
どこかで改心するものと思いましたが、最後までどうしようもないままでした…小悪魔にもなりきれていないし…
でも香也子程でなくても自分より優れたり恵まれている人を羨んでしまう気持ちは私の中にもあります。
人の振り見て我が振り直せ。西島・絵理子カップルは完璧すぎるけど、せめて金井のような男の本質を見抜く目は欲しい。
幸せにしてくれそう(だから好き)ではなく、幸せにしてあげたい(だから一緒にいたい)とお互いに思い -
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昼ドラの悪役並みに悪いヒロイン香也子の毒気にあてられます。裕福な家庭に生まれ、人並み以上の美貌もあるのに人の幸せを台無しにすることに熱意を注ぐ香也子は、心優しい姉絵理子までも妬み…
どこかで改心するものと思いましたが、最後までどうしようもないままでした…小悪魔にもなりきれていないし…
でも香也子程でなくても自分より優れたり恵まれている人を羨んでしまう気持ちは私の中にもあります。
人の振り見て我が振り直せ。西島・絵理子カップルは完璧すぎるけど、せめて金井のような男の本質を見抜く目は欲しい。
幸せにしてくれそう(だから好き)ではなく、幸せにしてあげたい(だから一緒にいたい)とお互いに思い -
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平凡で幸せそうな家族なのにこんなにもそれぞれの葛藤があるのかと
思える作品でした。
サラリーマンの夫和朗とその妻亜由子。
子供は男の子が二人、兄純一と弟真二の四人家族。
物語は少年純一の澄んだまなざしをとおして、
父と母の大人の世界を見つめながら進んで行きます。
和朗は昔から浮気症だと思っている亜由子の目線で
最初は語られるので、読者も和朗が悪いと思えますが、
和朗には和朗の言い分があり、
それがこの物語のキーワードになっていました。
この小説は昭和58年発行で、そのころの世相がよくわかる作品です。
夫婦にしてもこれは、まるで仮面の夫婦です。
ギスギスした夫婦間でも子供のためにと、
耐え