東野さやかのレビュー一覧
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ネタバレ前作に続き、2作目のこちらも期待を裏切らない良質でわくわくする読書時間を提供してくれた一冊。プロローグでいきなり前作同様に否が応でも興味を掻き立てる。
冒頭からいきなりワシントン・ポーが殺人容疑で逮捕されるというのっぴきならないシチュエーション。
それもあのハンニバル・レクターを彷彿とさせる、グルメでサイコな気取り野郎との因縁を感じさせる禍々しい雰囲気たっぷりの場面で、ポーが殺人犯人でないのは読者的にはわかりきったことだけど、いったいどうして? なにがあった、ポー?! とページをめくる手はもう止まらない。
今回は犯人捜しの本格推理ではなく、タイムリミットもののサスペンス色が色濃いので、それ -
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一応、逃避行?なんだろうけど、強盗から足を洗った2人が夫婦として落ち着く場所を探して走り行く様は、読んでいて胸がすく思いがする。理屈と言葉を捏ね回す現実派のデルと、楽天的で度胸のあるルイーズ。ワイン・テイスティングのセンスは圧倒的にルイーズの方が勝るというね。
デルのトンチキテイスティング・コメント、悪人になりきれない強盗事件、流産の悲しみと一時の育児体験。姑と夫のあからさまな、でもユーモアいっぱいの対立。行く先々で起きる事件についても、やや冗長なきらいがあるが面白かった。物語の締めくくり、ウェディングドレスの一件はあまりに犯人探しを引き延ばしすぎてダレ気味かも。全てが解決した後のラスト・シ -
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ポーはお気に入りの家を失いそうになっていた。ティリーに弁護を頼み見事勝利を手にしようとした瞬間呼び出された。
連れて行かれた場所はMI5。依頼はキュレーター事件で知り合ったFBIのメロディ特別捜査官から。時限的に売春宿になっていた空き家で拷問を受け殺された男は国際会議に出席するVIPを運ぶ民間機のパイロット。
というはじまりのお話で、まーいろんな捜査機関が入り乱れそれぞれの思惑が交錯し進展がない中ポーとティリーは我が道を行き少しずつ成果を上げてゆく
最初に家を取り上げられそうになったポーが頼るのが最高の頭脳を誇るティリーで、相手の弁護士などまったく相手にならず実に爽快。一旦スカっとしてから謎 -
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クリスマスでざわめく街でツリーの下のプレゼント箱から人の指が発見された。そこから次々と人の指が見つかりSCASが動員される。
大いなる味方のフリンは妊娠中でポーはティリーと頑張るしかないが、事態は二転三転して行き・・・
といった導入のお話。
妊娠したフリンのために女ばかりでパーティをするのにどうしてポーは呼ばれているのか。ポーは女子枠なのだろうか。
それはそれで「らしくて」いいけれど。
ティリーの頭脳がさえわたりめちゃくちゃかっこいい。フリンは今まで通りに活動できなくて焦ったりイラだったりってわからんでもないけど 部下を持つ身であるならちゃんと自制するのも仕事と割り切るべきでは・・?
犯人に -
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ワシントン・ポーシリーズの第5作目。
今回はボタニスト、毒の使い手が相手となる。
そしてシリーズでは初となる上下巻二冊の大長編。
買った当日、一気に読み終えてしまったがやはりこのシリーズは面白い。
ミステリー好きにはたまらない一作であることは間違いない。
トーク番組の生放送中、女性蔑視の持論を展開するケイン・ハントが
突然倒れ、搬送先の病院で死亡。
ケイン・ハントは脅迫状を受け取っており、警察は殺人事件として捜査を開始。
そしてそれを皮切りにボタニストと呼ばれる殺人者による犯行が相次ぐ。
不可能と思われる状況からの毒殺を繰り返すボタニスト。
一方、同タイミングでポーのもっとも信頼する病理学者 -
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ネタバレ最近無くなった本屋さんで自分を呼んでる声が聞こえ購入のパターン。水族館で賢いミズダコが不器用でタイミングの悪い人間たちをアシストして、予定調和に導くハートフルなストーリー。デビュー作だが、あまりベタな展開にならず、ある意味単純なストーリーを上手に膨らませ最後まで読者を離さない筆力は今後楽しみ。気分転換的に楽しく読めたので、おすすめ。まあどれだけ賢くても所詮タコはタコなので、会話したり八面六臂の大活躍をしないけど、それが良い(往年のSFでないし)。老境の寂しさをしみじみ感じる作品でもある。
ただ、主な登場人物、他の文庫(創元とか光文社)とかは、数多くの登場人物を掲げるので、わからなくなっても参照