東野さやかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ワシントン・ポーシリーズ第7弾。今年もこの季節がやってきた。
英国各地で17人もの市民が同じ手口で射殺される。
だが被害者たちに関連性は見つからず、犯人の目的は一切不明のままだった。
政府は事件解決の切り札として、ポーたち重大犯罪分析課の元メンバーを招集。
ポーは仲間との再会に久しぶりの笑顔を見せる。
さらに分析官ブラッドショーが17件の犯行現場にある法則を見つける。
どうやら犯人は特殊なサイコロで犯行現場を決めているようだった。
前作『デスチェアの殺人』において解体させられてしまった重大犯罪分析課。
ティリーをMI5に奪われ、ポーは魚臭い毎日を送る羽目に。
ここから今後どういった展開になっていくのか、
前作から一年、ヤキモキした気持ちで過ごしていた。
やはりポーとティリーのコンビは良い。実家の様な安心感だ。
だが今回の敵はシリーズの中でも群を抜くイカれ具合。
冒頭から「嘘っ!?」と思わず声を出してしまう不穏な文面が続く。
上巻の段階ではまだ謎が謎を呼ぶ展開ばかりが繰り広げられる。
ここから下巻でどう終息へ向かうことになるのか。
相変わらず読みやすい文体に保証された面白さ。
だが、どこかティリーの様子がおかしい気もした。
これは下巻への布石なのか、それとも…… -
Posted by ブクログ
長い!けどサクサク読める。
主人公のポーとティリーの親子のような、奇妙な友情がとても良い。
真相は胸が悪くなる系なのだがそこに至るまでいろんな小さな事件が絡み合っている。読んでいてちょっと唐突に話が逸れたけどなんで?と違和感があった部分が真相につながったり。
全体的に海外ドラマみたいだった。なんだか少し前に読んだダン・ブラウンに似てるのだが、違いは美女を伴って捜査に乗り出すのではなく、ちょっと堅物な女性上司や、有能だがコミュニケーションに難ありの子供のような部下の女性と友情を以って打ち解けていくのがここ10年の世界観の感じがした。
ラストはポーが自分の信念と正義と友情に従う展開。
最近読書を再開して思うのは、自分の中の信念に従う、ということは良くも悪くもその人間の(小説だとキャラクターの)人生を形作っているのだなと言うこと。小説の中に限らず、信念に従う、と言うのは人生の至る所で自分の価値観に従って選択をすると言うことであり、現実でも人生を送るうえでとても重要なことだなあ、それが、ある人間1人の1日1日の1年1年の、ひいては人生そのものの満足度を左右してくると言うことに気づいてきた。
本書の舞台はカンブリア州。イギリスは好きな国ですが、存在を知らなかった。カンブリア紀の名称ってそこから来てるのかな?いわゆる湖水地方で、ベアトリクス・ポターが住んでいたところだそう。
あとブラックベリーの携帯というのが出てくるが、ありましたね昔!スマホではなくてガラケーとスマホのあいの子みたいなやつ。なのでポーは携帯では調べられずに色々ティリー(ブラッドショー)に調べ物を丸投げするんだろうけど、ブラックベリーを知らない人は何故自分の携帯で調べない?みたいに思いそう。
それとポーとフリンがアナログ人間だと知ったティリーがネットの情報をめっちゃ紙に大量に印刷するところもなんだかツボった笑
2026年時点だと紙に印刷することは少なさそう。
ラストにかけて、ポーのファーストネームの真相とか色々出てきて詰め込みだったのもなんだかすごかった。海外ドラマの次のシーズンへの伏線みたいな展開。 -
Posted by ブクログ
政治家や聖職者、カンブリアの上流社会に君臨する人物たちがストーンサークルで次々と焼き殺されるという猟奇的な連続殺人事件を追う刑事ドラマです。
冷静沈着で常に警察の裏をかき続けるイモレーション・マンに対し、どんな障害にも屈せず愚直に真相を追い続けるポー。そしてデータマイニングを武器に証拠を積み上げていくティリー。常識に囚われない二人の刑事と犯人との頭脳戦が非常に見応えがありました。
他人の棺の中に遺体を隠すといった犯人の狡猾さや、火あぶりにされた遺体のCTスキャンから傷口の法則性を見出す捜査描写など、両陣営とも描写が秀逸です。
政治的な圧力や証拠の隠蔽で捜査が行き詰まっても諦めず、アナログとデジタルの両面から多角的に迫っていく二人と、その先手を常に打ち続けるイモレーション・マンとの知恵比べが最後まで楽しめます。
犯人の正体は途中で概ね察しがつきましたが、主人公二人のバディものとしての関係性と、人生を賭けた周到な準備のもとに困難な殺人を実行し続ける犯人のドラマが読み応えを支えており、最後まで飽きることなく読み切れました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物が多いのと、偽名や改名があるのとで、ややこしかったー!ポーやティリーの頭の中について行くのに必死だった。それでも人物の書き分けがしっかりしていて、ちゃんと生きた人間が描かれている点が良い。
今回の事件は国同士が絡んでいて、特に慎重な判断が必要になるものだった。でも人の命が軽く扱われてはならないというその狭間で、高い倫理観のあるポーが人々の尊厳を守ろうとしたところに救いがあった。
前線の兵士たちも喜怒哀楽をもった人間であり、フラストレーションの溜まる任務を続けて、富に目が眩むこともある。そのあたりがすんなり納得できる内容になっていた。
真実にどんどん迫っていき、なにか怪しかったバーンズにたどり着いたときには「やっぱり!」と思ったけれど、その理由や原因や手のうちまでは予想できなかった。今回もティリーが大活躍していてなぜだか嬉しい。