東野さやかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ラスト・チャイルド』(上) ジョン・ハート
『ラスト・チャイルド』(下) 同
読書は順調に進むが、まとめの感想書きが溜まってしまう。読後、間を開け過ぎると読んでいる時の空気感や印象が薄れる。夏休みの宿題を先延ばしにしてプレッシャーが限界に達したような気持ちだ。
「読んで、反芻し考えてまとめ、文章化して脳に刻む」、これを一連の読む動作として続けることだ。
次の本を脇に置いて、この作文に手をつける。
13歳の双子の兄ジョニーが主人公で、一年前に突然失踪した妹アリッサを探すミステリー長編である。
娘の失踪で両親もギクシャクして、彼が尊敬し慕う父親は家を出る。美人の母親キャサリンは精神が病み実業家ホロウェイの愛人となり荒んだ生活をする。
ジョニーはホロウェイが大嫌いだ。担当刑事のハントはキャサリンに被害者への同情以上の思いを募らす。彼は捜査に没頭し家を顧みず妻に出て行かれ、息子とふたり暮らし。13歳とは思えない発想と行動のジョニーは学校を抜け出し、一人で妹の捜索を続ける。
新たに起こった殺人事件と誘拐事件がきっかけで事実解明が一気に進む。後半の展開は息をつく暇がない。
長編の割に展開も表現もスムーズでスピード感がある。久し振りに一気読みであった。翻訳も作者の意図を汲み自然でうまい。全編を通して読者を飽きさせない。結論にはあまり意外性がなく、途中の複雑な入り繰りに無理があるような気もするが、それも許容の範囲だ。
主人公は13歳の割にひね過ぎこましゃくれ、親しみや同情よりも危なっかしさでハラハラの連続だ。
いつのまにか作者の思惑に乗せられる。
兄妹愛や家族愛をテーマにして、欠けることでその価値を痛感させる構成である。丁寧でウエットな文章で人情味を削いだ乾いた表現は独特だ。
2010年アメリカや英国でミステリー賞を受賞し、早川文庫40周年記念の作品である。
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Posted by ブクログ
カルト教団「ヨブの子供たち」の指導者が石打で殺されるという事件が発生。ポーとティリー、そして会計監査院から派遣されたライナスは捜査に当たるものの、謎は増すばかり。今回も読む手の止まらないシリーズです。
さて、今回いったい何が起こったというのか。相も変わらずユーモラスな会話などでテンポよく楽しめる物語なのだけれど、序盤からポーがカウンセリングを受けているという状態なので、とんでもないことが既に起こってしまっているのだろうな……というのが予測できる状況。でも事件の全貌はなかなか語られず、なんとも気を持たされるばかりです。教団にまつわる数々の事件と、何かを隠している関係者たち。家族を惨殺したのちに消えた少女など、謎は増えるばかりで下巻へ続きます。