神戸遥真のレビュー一覧
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自分の好きな事を好きって他人に言えない時もある。
変だと思われないか、笑われないか
男のくせに、女のくせに、変なの、気持ち悪い
そんな言葉の刃物に傷付けられて
自分の殻に閉じ込めてしまう。
この物語の主人公、優人もその1人。
手芸が好きなのに、過去のトラウマによって素直になれず、友達に流されるままサッカー部へ入ってしまう。
手芸男子の成長ストーリー。
テンポがよく、スラスラ読めました。
個人的には手芸部の先輩、サンカク先輩が大好きです。
『好きなものを好きっていって、なにが悪い!』
その通り!
好きな事(物)があるってことは素敵なことだと教えてくれる1冊です。 -
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ネタバレ行きたくなる、生きたくなる 十七歳の地図物語
魅力を語る!おすすめポイント
地元や身近な街がもっと好きになる!
見慣れた風景も、少し視点を変えるだけで「魅惑の冒険スポット」に大変身!「自分もカメラや地図を持って街を歩いてみたい」「自分の街の隠れた魅力を見つけたい!」と、一歩外へ踏み出す元気をくれる作品です。
千葉県に馴染みがある方はもちろん、街歩きや旅行が好きな人にはたまらない胸熱ポイントが満載!
鰻のいい香りが漂ってきそうな成田の描写をはじめ、読んだ後は「電車に乗ってどこかへ出かけたい!」「美味しい名物を食べに行きたい!」と旅心がグッとくすぐられます。
ページをめくれば、あなたもチリケンのメンバーと一緒にフィールドワークへ出かけたくなるはず。 -
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海浜千葉高校の同好会地理学研究会、略称地理研に関わる5人の高校生の物語。章ごとに5人それぞれの視点で物語が進む。会長の佳純(高2)は、顧問が地理好きの貝塚先生にかわったことをきっかけに、ゆるゆるの地理研の改革をしようとする。あまり興味のなさそうな崇斗、こうあるべきだと色んなことに自分の物差しを持っている打瀬、自分の気持ちに蓋をしがちな新田、副会長として佳純と活動することになる高瀬、仲良かった佳純から離れていった悠花、それぞれの想いが明らかになって繋がり始め、変わっていくのがとても面白かった。貝塚先生ののほほんとしたキャラと生徒たちと同じ目線で誰よりも地理学を楽しんでいる様子が微笑ましい。
作者の出身地千葉を舞台にしたフィールドワークは全く土地勘のないものにも興味深かった。折しも豪雨被害で連日千葉の様子がニュースになっていて心を痛めていた時だったので、自分でも位置関係を調べながら読み進めた。 -
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▼これまで全5冊の「Eバーガーシリーズ」の、最後を飾る6冊目。短編集。大きな物語としては完結してるので、「後日談集」みたいなものです。
軽く読めますが、1~5を楽しんだ人は、けっこうちゃんと味のある一冊になっています。すごく満足した記憶が。
▼・・・ただ結構前に読み終わったので、詳細をだいぶ忘れています。④⑤の主人公の詩織さんが、大学生の隼人さんと、同級生の須野くんの、どっちと付き合うのかなあという疑問が、確か須野くんと良い感じになるような話があったような・・・違ったらごめんなさい。
▼小6の娘と相前後して読んで、「面白かったね」と他愛もない感想戦を楽しめたシリーズでした。それはそれで、かけがえのない読書の快楽。ありがとうございました。(ただ、それだけにとどまらず、やはり神戸さんの筆力は大したものです。この先、神戸さんが50歳60歳になっていくとき、どんな小説を書いてくれるのかと思うと、ちょっとわくわくします) -
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▼神戸さんの「Eバーガーシリーズ」の第5編。①②③が「優芽さんシリーズ」。④⑤が「詩織さんシリーズ」。①②③の主役だった優芽さんも、④⑤に脇役として出てきます。
▼詩織さんシリーズの、後編。基本テーマは「詩織さんは、自分に自信がなく、周りに合わせてキャラを作ってきた。ひょんなことから始めたバイトで、自信をつかみかけたけど。バイトしていたことを親友に隠していて、それがばれてしまった。さあどう仲直りできる?」ということです。
▼まあ、当たり前ですが、「誠実に話す」ということで和解してめでたしになり、話は終わります(笑)。ちゃんとそこは予定調和に進んで終わってくれるのは、安心感。
その過程で、大学生の隼人さんや、同級生の須野くんなどの、「バイト仲間キャラクターたち」が小気味よく活躍します。その「小気味よさ」が売りであり、大事。エンタメとしては。
▼そしてエンタメを楽しむ中で、「周りに合わせすぎない」「結局正直がいちばん」「世の中そう悪いもんじゃない」「頑張って働くのって、素敵かも」「いろんな人がいて、色んな価値観がある」「仲良しさん、クラス、そういった近場の雰囲気を気にしすぎないほうがいい」・・・・という、作者が伝えたいことがちゃんと伝わる。基本に忠実で、素敵なシリーズでした。
(まあただ、大事なことは10代の読者が共感するかどうかなんでしょうけれど。うちの子はシリーズ読破したので、おもしろかったのでしょう) -
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▼恋ポテシリーズの、第4弾。タイトルがポテトからシェイクに変わりました。
第Ⅰ作から第3作までは「優芽さん」の物語でしたが、4作目から主人公が「詩織さん」に変更。ただ、優芽さんはじめとしてこれまでのキャラクターは変わらない。シリーズは続く。時間軸も続く。優芽さんも重要な脇役として登場。
▼主人公の「乗り越える成長課題」が進化?しています。優芽さんは、
・志望校にいけなかったことの挫折感
・やりたいことが見つからないぼんやりとしたつまらなさ
・母親の精神的支配感からの卒業
みたいなことが課題でした。それらをアルバイト経験、異なる境遇の人々との出会い、そして恋、で乗り越えていく物語。
▼今回の「詩織さんの物語」は、とにかく、
・孤立することを恐れて、友達に阿り、小さな嘘を繰り返す。(本当はネットマンガが好きなのだけど、それを言うとオタクとみなされて辛くなると思って隠している)
・勝手に同調圧力を感じて、勝手に屈服して卑屈になっていく
というようなことからの成長、が課題です。
このあたり、より微妙で複雑でむつかしい主題に挑んでいる、と言えると思います。
▼取り囲むバイト先の面々が馴染みのキャラクターで、それが心地よく。なんだけど主人公が変わっただけで、同じ風景が変わって見えてくる。同じバイト初期の苦労も、ヒロインが違えば感じ方が少し違う。そんな味わいが楽しく読めました。
▼はじめから意図的にシリーズで作られているので、第4巻の終わりは「うわっこの先どうなる?」クリフハンガーな作りになっていて、作者のエンタメ職人技も味わい深い。
小6娘との共有読書なんですが、付き合っているというより楽しめているので、ありがたいです。 -
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▼子供と付き合いの読書。最近、神戸遥真さんは気に入っています。子供も。
▼真面目で何かと自信のない高校1年生女子が、チェーンのハンバーガー屋さんでのアルバイトを始めたことがきっかけで、世の中を(それ以前に比べれば)知っていき、自信も持っていくという成長物語。恋もします(重要)。
そんな、ある意味、のんきな物語がのびやかに千葉市周辺で描かれる。
▼優芽さん、という主人公が、
第1作→アルバイトを始める。慣れるまでの奮闘。淡い片思い。フリーター、大学生、パート主婦、正社員、などとの交流。そして大学生男子へのあこがれが、同級生男子への恋に変わっていくまで。
シリーズ化が決まらず書いていたはずなので、1冊で世界観は完結していて、傑作でした。
第2作→好評につき・・・という感じで、同級生男子(バイト仲間)との恋以前の恋が停滞し、そこにライバルの大学生男子登場。主人公はやっぱり同級生男子が好きだと自分の思いに気がつくけれど、彼は別の女の子と交際をはじめたようで・・・というところで第3作に繋げる終わり方。
そしてこの第3作。
以下ネタバレですが、
▼当然ながら、いろいろが誤解が解けて、同級生男子とめでたく両思い。彼が告白してくれて、彼彼女としての交際が始まります。めでたいな、で終わります。つまり完結編です。
▼エンタメ的流れの手段は完全に男女交際、恋愛なんですが、1作目で展開したハンバーガー屋さんの人間模様、人間関係がなかなか読み心地がいいので、惰性でも愉しめてしまう。
それってエンタメとしては大変にトップゾーンの作品で、素晴らしいことです。書き手の力ですね。
▼ヤングアダルト、というそうですが、まあつまり10代くらいの人に向けた、胃の痛くならない小説、ということなのでしょう。
どんなジャンルでもそうですが、面白いものとつまらないものがあります。もちろん受取手次第なんですが。
それでもこのシリーズ、神戸さんは、エンタメとしても、人間を描く意味でも、かっちりと信頼できる手腕だな、と改めて。
▼千葉って全然ご縁がなくて、千葉市周りも全然知らないのです。でもやっぱり、明快にある地域に根を下ろして書いているものって、輪郭が太く濃くなったようで、良いですね。
▼どうでもいいのですが、ハンバーガーが食べたくなりました。(で、数日後に食べました)
・・・どうでも良いと書きましたが、これは作り手さんからすると、いちばん、「してやったり」なのかもしれませんね。
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創作の楽しさと大変さ
これまで接点の薄かった男子中学生二人が、少女漫画を合作する青春小説。少女漫画や少女向け小説が好きな男の子主人公が、自身のアイデンティティに葛藤するジェンダーYAでもある。
漫画賞の受賞を目指し、少女漫画の構造を二人で分析する様子は情熱的で、まさに青春そのもの。壁ドンは定番だけど自分たちの漫画のキャラに適しているのか? とかに加えて、転びそうになった子を抱きとめるポーズはプライベートゾーンに触れるから避けたい、などの現代的な価値観の話題までさまざま。
一方で、漫画制作にかまけて夏休みの宿題が手につかない、などの現実的な問題に直面するのもリアルでよい。
また、男が少女漫画を好むことに対する周囲の理解のなさも少し描かれる。
ここは個人的にかなり共感するポイント。私は少女漫画を読むことを周囲に隠したことはなかったけれど、2000年代に中高生として過ごした身として、無意識にぶつけられるジェンダー差別がいろいろ思い出された。