今村昌弘のレビュー一覧

  • 明智恭介の奔走

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【良かった点】「奔走」というタイトルにふさわしく、明智恭介が最後まで足掻き続け、手掛かりを求めて動き回りながら事件を解決へ導いていく姿が面白かった。華麗に謎を解くというより、泥臭く奔走する探偵像が印象的。
    【気になった点】最後の手紙の話は、私には少し分かりにくかった。もう少し腑に落ちる形なら、さらに評価が上がったと思う。
    【おすすめ度】3
    【ミステリーとしての意外性】★★★☆☆。明智恭介というキャラクターには魅力を感じただけに、惜しい人を亡くしたという読後感が残った。

    0
    2026年09月09日
  • 屍人荘の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    登場人物がどうにも惹かれない…覚えやすくはあるが、記号的というか、それぞれステレオタイプすぎるというか…
    別荘持ちの傲慢だが危機に陥ると臆病で情けないお金持ちの息子とか、過去に母親にトラウマがあって女関係が激しい闇があるイケメンとか、男勝りの女子とか弱い女子のコンビとか…ありきたりなキャラ設定ととってつけたような話し方がどうにも…
    根暗で取り柄のない主人公と綺麗だかクセの強いヒロインというのも擦られまくった設定のコンビに思うし…

    犯人の動機はありきたりな上にこの事件にしては薄いし、主人公が嘘をついた動機は震災のトラウマという思わずなんだそれと言いたくなる共感できない理由という…
    恋愛要素も物語を浅く感じさせてる気がするし…

    ミステリーと怪奇の両立という斬新で新しい内容を引き立たせるためにその他をわざとありきたりで薄味にしてるのかなぁ〜
    自分に合わないだけか…他の著作見れば分かるだろうか…

    0
    2026年09月08日
  • 屍人荘の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スラスラ読めて、ハマり出したらあっという間だった。
    斬新で面白かった点は、メインの探偵役と思っていた明智さんの早々離脱。予想外。

    面白かったという感想ではあるものの、個人的に微妙に思った点もあり…。
    ・ゾンビものであること
    なんというかクローズドという環境や連続殺人というだけである意味リアリティに欠けるのに、更にゾンビゾンビゾンビという展開にやや冷めてしまった

    ・犯人が結構綱渡り
    超天才型でもサイコパス系でもなく、この機会を利用してみたら意外と上手くいったわ感を感じてしまい(元々復讐計画あったものの)、あまり魅力的な犯人に見えず。もっとバックボーン見えたら違ったのかな。あと銅像運べる怪力なのか?

    ・比留子さんとワトソン
    あんまり恋愛匂わせしない方が面白い関係に見えると思ったけどなぁ。なんか余計な匂わせシーン多めに感じた。

    ゾンビ博士がたまたま参加していて、ゾンビ知識披露しまくるのもちょっと笑ってしまった。

    0
    2026年09月05日
  • 魔眼の匣の殺人

    Posted by ブクログ

    前作の設定や物語に惹かれて第二作目も読んでみた。面白くはあるのだけれど、いまひとつ納得のいかない筋だったという感想。最終章あたりからは読むペースが落ちてしまった。

    0
    2026年09月03日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本格ミステリの短編集という感じでした。こんな短編だけど書くの超大変なんだろうなー
    有栖川有栖読んだことないけど(なんで買ったんだ)良かったです

    0
    2026年09月01日
  • 屍人荘の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ゾンビ物だとは思ってなかったので驚いた。
    予想外な設定だったのと明智先輩が早々に離脱したせいで、正直作品の中盤まで映画の撮影オチを疑ってしまった。
    ミステリーとしてしっかり面白かったし、探偵役のキャラもたっててよかった。
    個人的に立浪と主人公が屋上で会話するシーンが好き
    極限状態だからこそ見えてくる人間の本音や本質が分かるシーンだった。

    0
    2026年08月21日
  • 兇人邸の殺人

    Posted by ブクログ

    目次
    第一章 アンラッキー・ガール
    《追憶 I》
    第二章 兇人邸
    《追憶 II》
    第三章 予期せぬ死
    第四章 隔離された探偵
    第五章 慧眼
    《追憶 Ⅲ》
    第六章 惨劇の夜、再び
    第七章 生き残り
    《追憶 Ⅳ》
    第八章 裏切り
    第九章 最後の仕掛け
    特別対談 綾辻行人×今村昌弘
    本格ミステリを書き続ける
    ♢屍人荘の殺人
    ♢兇人邸の殺人
    ♢名探偵と助手
    ♢本格ミステリを書き続ける

    『明智恭介の奔走』収録の「最初でも最後でもない事件」を期間限定で(2026年10月31日まで)

    0
    2026年08月17日
  • 兇人邸の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    "生ける廃墟"と呼ばれるテーマパークに建つ奇怪な屋敷「兇人邸」。
    斑目機関の研究資料を探すグループとともに、深夜そこへ侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首切り殺人鬼だった。


    「屍人荘の殺人」シリーズ3作目。
    今回の舞台は遊園地内に建つ屋敷・兇人邸。
    何人もの来場客やスタッフがそこで殺されたという噂がありま、一度入ったものは出てこれないと言われるいわくつきの建物です。
    屋敷の中では首切り連続殺人事件の惨劇が繰り広げられているのに、外はのどかなテーマパーク。園内放送の音が聞こえてきたりするギャップがなんとも不気味。
    出る手段はあるのに、外がテーマパークゆえ簡単には出られない。そんなジレンマもよいです。

    それぞれが全く別の思惑を持って動いているため、どんどん複雑になっていく事件の様相がハラハラして面白い。
    犯人といい動機といい、密室を打破する方法といい、読後感はちょっとやるせない余韻が残ります。

    0
    2026年08月03日
  • 明智恭介の奔走

    Posted by ブクログ

    剣崎比留子シリーズのスピンオフ作品。

    神紅大学ミステリ愛好会長、明智恭介と唯一の会員である葉村譲の2人が挑んだ5つのミステリー。

    大学のコスプレ研究部で起きた不可解な盗難事件

    廃れた商店街のボロビルが、なぜ2000万円で売れたのかという謎

    泥酔した明智が朝起きたらパンツを履いておらず、さらにそのパンツがなぜか引き裂かれていた事件

    神紅大学宗教学の試験問題が何者かに盗まれた事件

    ハイツの住人たちにばら撒かれた不審な手紙事件


    剣崎比留子シリーズとは異なり殺人事件は起きません。
    しかし、単純になぜそんな事件が起きたのか、そしてその真相が知りたいと知的好奇心を大いにくすぐる一冊でした。

    また剣崎比留子シリーズとは異なり、コミカルな雰囲気もおもしろかったです。

    原作はわかりませんが、それぞれの短編はオマージュものみたいなので、興味をもったいくつかの原作を読みたくなりました。

    0
    2026年07月28日
  • 明智恭介の奔走

    Posted by ブクログ

    葉村、剣崎シリーズのスピンオフ。明智恭介が主人公。
    彼と葉村が日常の謎に挑む。この作品を読む限り、明智はもしかしたら探偵としての資質があったのかもしれないと思う。本編ではもう会えないと思うと少し寂しい。

    0
    2026年07月15日
  • でぃすぺる

    Posted by ブクログ

    今村昌弘さんの『でぃすぺる』を読んだ。基本的に宇宙人とか幽霊とかの仕業でした系には何でもアリになってしまうからか興醒めしてしまう方なのだけれど、本作に限らず氏の作品はその辺りのバランスが良いのか、読後に満足感があるのが不思議。個々の人物が魅力的だし、ミステリー愛に溢れていて素敵!

    0
    2026年07月12日
  • 明智恭介の奔走

    Posted by ブクログ

    今村昌弘さんの『明智恭介の奔走』を読んだ。初々しくも「日常にある謎」への情熱に突き動かされる明智君の活躍が活写される短編集。謎そのものや解決に至る道筋に唸るというよりは読みやすいエンターテインメントとして、ミステリー好きの同輩として楽しんだ。『とある日常の謎について』が特に好き!

    0
    2026年07月12日
  • 明智恭介の奔走

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ※個人的な備忘録として記。ネタバレが嫌な方はお気を付けください。

    【感想】
    『屍人荘の殺人』シリーズのスピンオフということで、読んでみた。あの明智さんによる日常ミステリでほんわか気分。可もなく不可もなくこんな感じだろうなという感想。泥酔引き裂き事件はさすがに無理があるなと思いつつも、それ言うたら全部そうだし適度に楽しく読みました。

    【あらすじ】
    生前の明智さんの探偵事務所でのバイトと大学サークル探偵ごっこの話。
    大学では助手の葉村くんと頼まれた依頼を解決していく。
    ◆各話
    ★3「最初でも最後でもない事件」
      →盗難事件、盗撮を隠そうと犯人は死人に罪をかぶせようと画策
    ★3「とある日常の謎について」
      →寂れた商店街のビルが高額で買取りされた、なぜ?真相は思い出復活&ついでにインベーダーの小銭と真面目に喫茶店やってきた男の良き話
    ★1「泥酔肌着引き裂き事件」
      →引裂かれたパンツ。明智さんさすがに寝ぼけすぎ
    ★3「宗教学試験問題漏洩事件」
      →わずかな時間に部屋が荒らされ、USBが盗まれた。真相は教授の部屋替えトリックによる紛失隠蔽
    ★2「手紙ばら撒きハイツ事件」
      →探偵事務所でバイトの明智が初の助手体験。謎の真相はWストーカー

    0
    2026年07月11日
  • 都市伝説解体センター 断篇集 痕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    全て面白かったのだが、特に第1話の「N番目の臨時ニュース」が1番好きだった。
    ゲーム本編が、物語上でおこる怪異は全て説明がつく現象だがそれはそれとして不可思議な存在はいる、というスタンスだったので第1話のギミックはそれに則っているようで良かった。
    あざみと美桜が仲良くなった経緯や司書さんの前日譚が知れて良かった。こう言ったこともスピンオフの醍醐味だよなと思う。

    0
    2026年07月03日
  • 明智恭介の奔走

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「屍人荘の殺人」より以前、明智恭介がまだ1回生だった時や、葉村と行動を共にして日が浅い時に遭遇したミステリー短編集。

    明智の人柄に焦点があたり、読み進めるに従って、少しずつクセのある明智に愛着が湧いてくる。

    この数年後に「屍人荘の殺人」で明智があんなことになると思うと、結末を知っているだけに胸がキュウっとなる。

    0
    2026年06月29日
  • 有栖川有栖に捧げる七つの謎

    Posted by ブクログ

    トータル面白かったという印象だけど、読んでないシリーズもの関連は当然わからないので知らないからあのオチにああ感じたのね成程、と解説読んで思ったり。
    紐、女子高、型取りが楽しかった。
    コピペ率たけーーーってのとああ二次創作だなってのの差がよく見えた1冊だった。

    0
    2026年06月29日
  • 兇人邸の殺人

    Posted by ブクログ

    3.0

    正直に言うと、好きなタイプの作品ではなかった。
    ミステリーを読むとき、犯人がどのような方法で殺人を行ったかとか、複雑な建物の構造を理解することにあまり興味がわかない。
    この作品はそうした要素がメインだったため、好きになれなかった。残念。
    ただ、作品そのものはとても読みやすくテンポも良いため、最後まで無理なく読むことができた。

    登場人物の名前に関する仕掛けと巨人の正体について予想を外しており、自分はまだまだミステリー初心者だなと思ったし、このシリーズの主人公コンビのことは気になるので、次回作が出たら読むんだろうなあ。

    0
    2026年06月25日
  • でぃすぺる

    Posted by ブクログ

    ユースケ、サツキ、ミナはとても生き生きと描かれていた。でもちょっとストーリーが「そんなのアリか?」と思ってしまった。
    最初からそういうものだとわかっていたら、違っていたかもですが…。

    0
    2026年06月18日
  • 兇人邸の殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     「屍人荘の殺人」、「魔眼の匣の殺人」に続く、班目機関の存在を背景とした剣崎比留子を探偵役、葉村譲をワトソン役とするシリーズ第3弾。冒頭は、葉村が友人の小山、矢口との間で、ちょっとした推理対決をする。前2作と比べるとかなり軽い導入だが、頭の体操をしたあと、本筋へと入っていく構成になっている。
     かつて、班目機関の施設で研究をしていた不木玄助という人物が、「廃墟テーマパーク」として一部で話題になっている馬越ドリームシティ内の「兇人邸」に住んでいる。そして、その建物には、施設で研究対象となっていた子どもの生き残りがいるという噂があった。班目機関の研究成果を手に入れたい成島IMS西日本社長・成島陶次は、剣崎比留子の「事件を引き寄せる体質」を利用し、「何かを起こす。」ことで、兇人邸への侵入が空振りに終わるのを防ごうとする。成島は、「事件を引き寄せる体質」を持つ剣崎比留子を利用すれば空振りには終わらないと考え、六人の傭兵とともに兇人邸へ潜入してほしいと依頼する。剣崎も、「どうせ事件を呼び寄せるなら、傭兵に守ってもらった方が安全だろう」という理由でこれを受ける。
     この時点でかなり特殊な世界観である。前作『魔眼の匣の殺人』が「サキミの予言は当たる。」という前提でロジックを組み立てていたのと同様、本作も「剣崎比留子は事件を引き寄せる。」という前提の上で、成島は剣崎に依頼をしているし、剣崎も依頼を受け入れている。納得しにくい面もあるが、班目機関シリーズは、こういうミステリ、特殊世界ミステリなんだとして受け入れるしかない。
     兇人邸では、「満月の夜に身寄りのない従業員が生贄に捧げられる」という噂がある。その情報をもとに潜入した一行は、そこで「隻腕の巨人」に襲われることになる。そして、不木玄助が殺害される。
     本作の中心となるのは、「不木を殺したのは誰か」という謎と、「施設の生き残りは誰か」という謎である。しかし、剣崎は巨人のいる別館に閉じ込められ、本館にいる葉村たちと直接合流することができない。会話による推理はできるが、自ら現場を歩くことはできない。そのため、本作の剣崎は名探偵というより、極めて優秀な安楽椅子探偵として振る舞うことになる。
     その一方で、物語の合間には四十年前の班目機関の研究施設における追憶が挟まれる。この施設は、『魔眼の匣の殺人』においてサキミが予言していた「極秘研究施設での大量殺人」の舞台でもある。
     追憶パートでは、研究員の羽田、不木、そしてケイ、ジョウジ、コウタといった子どもたちが登場する。羽田は通常の人間を超える身体能力や回復能力を持つ子どもたちを研究しており、不木は特殊なウイルスを利用した研究を進めている。しかし、小動物殺しなどの不穏な出来事が続き、サキミは「査察の日に施設で大量殺人が起きる」と予言する。そして実際に惨劇が発生する。
     現在の事件と過去の惨劇が少しずつ結びついていく構成は非常にうまい。自然と、「生き残りは誰なのか」「巨人の正体は誰なのか」を考えながら読み進めることになる。
     また、本作には倒叙ミステリ的な要素もある。剛力京子が不木を殺害したことが比較的早い段階で明かされるからである。剣崎は葉村に犯人捜しをする必要はないと言いながらも、見事な推理によって剛力が犯人であることを見抜く。この不木殺しの推理は、非常にロジカルではあるものの、やや地味に感じた。
     アリと不木の首を首塚に運ぶには、巨人は二度移動する必要がある。しかし、巨人は二度移動していない。隻腕の巨人には二つの首を運べない。不木を殺した犯人は不木より先に部屋へ入っていなければ不自然。そして、剛力だけがアレクサンドライトが赤く輝く場面を目撃できた。
     論理はしっかりしている。しかし、エレガントさや意外性よりも、地道な消去法の積み重ねという印象が強い。
     その後、雑賀が殺害される。本作には、不木殺しのロジック、雑賀殺しのアリバイトリック、巨人の正体、生き残りの正体、剛力の正体など、多くの仕掛けが存在する。個々の伏線やロジックはよくできているし、読者をミスリードする技術も高い。裏井の名前を意図的に伏せていた点などは非常にうまいと思う。
     しかし、トリックやロジックはいいが、その前提となる人物の行動や状況設定に説得力が感じられない。例えば、ケイが隻腕の巨人となり、四十年間もあの夜の中で戦い続けていたという真相である。班目機関シリーズであり、特殊世界ミステリである以上、ある程度の荒唐無稽さは受け入れるべきなのだろう。しかし、それでも私は「いやいや、40年?それはさすがに・・・。」と思ってしまった。
     また、そのために従業員を生贄として捧げ続けていたという設定も、どうしてもやり過ぎに思える。
     裏井についても同様。裏井が「生き残り」だったという真相には意外性があるし、伏線もきちんと存在する。しかし、ケイとの「何があっても一緒」という約束を果たすために、「正当防衛で殺人をする。」のは行き過ぎだと感じる。共感できない。
     雑賀殺しも、ロジックとしては成立している。しかし、物語の流れの中で自然に起きた事件というより、「トリックを成立させるために発生した事件」のように見えてしまった。
     最後の、裏井が自らの首を利用して鍵を運ぶトリックもまた、同じ印象を持ってしまった。巨人に首を運ばせることで鍵を届けるという発想自体は面白い。しかし、このトリックを成立させるために、ここで急に裏井が正体を明かし、自ら死を選んだように見えてしまった。
     要するに、兇人邸の殺人は、個々のパーツはよくできている。不木殺しの推理も、雑賀殺しのトリックも、巨人の正体も、生き残りの正体も、それぞれ単独で見れば、良いロジックで、意外性もある。
     しかし、それらを一つの物語として組み上げたとき、どうしてもいびつさを感じてしまった。
     そもそも、いくら廃墟テーマパークとはいえ、その中で巨人を匿い続けるというのも引っかかる。従業員を生贄として捧げ続けるのも、「なんで」という感じ。四十年間も同じ夜を繰り返すか?。剛力という人物も、ミスディレクションとしては機能しているが、どこか作者の都合で配置されたように見えてしまった。裏井やケイの行動原理そのものに納得しきれなかったから、トリックや真相まで浮いて見えてしまったように思う。
     評価は難しい。個々のロジックは端正で、伏線も意外性もある。しかし、全体として見ると、荒唐無稽な設定と本格ミステリ的な論理のバランスがうまく取れていないように感じた。
     『屍人荘の殺人』も十分にバカミス的な作品だった。しかし、あちらは荒唐無稽な設定そのものが作品の勢いと面白さにつながっていた。本作はバカミスとして突き抜けるわけでもなく、本格ミステリとして納得させるわけでもない。その結果、「大胆な特殊設定ミステリ」というより、「バカバカしい話」に見えてしまった。
     ★2ではない、★3。個々のパーツはもっと上手く組み合わせれば、かなり良い作品になったと思う。この荒唐無稽さが上手く機能したのが『屍人荘の殺人』であり、上手く噛み合わなかったのが『兇人邸の殺人』だったのかもしれない。
     最後に、『屍人荘の殺人』で登場した重元が姿を見せ、物語は次作への引きで終わる。班目機関の謎は依然として多く残されており、続編への興味は強く刺激される。一方で、あまり間を空け過ぎず、早めにしっかり完結まで描き切ってほしいとも思う。シリーズの縦軸は魅力的であるだけに、このまま宙ぶらりんになってしまうのは惜しい。それこそ、綾辻行人の「館」シリーズみたいになってほしくはないと思う。

    0
    2026年06月14日
  • 都市伝説解体センター 断篇集 痕

    Posted by ブクログ

    うーん。
    都市伝説をからめた短編集。
    1話目はまあまあ、夜中にテレビから流れる不穏な臨時ニュースをモチーフにした話で割と面白かったが、それ以外は、微妙だったなー。

    中高生向けなのか、ストーリーやトリックやオチなどがすこし、単純に感じられてしまった。

    もしかしたら、読み込み不足で
    理解できてないだけの可能性もありけり。

    0
    2026年06月05日