今村昌弘のレビュー一覧
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ネタバレ
登場人物がどうにも惹かれない…覚えやすくはあるが、記号的というか、それぞれステレオタイプすぎるというか…
別荘持ちの傲慢だが危機に陥ると臆病で情けないお金持ちの息子とか、過去に母親にトラウマがあって女関係が激しい闇があるイケメンとか、男勝りの女子とか弱い女子のコンビとか…ありきたりなキャラ設定ととってつけたような話し方がどうにも…
根暗で取り柄のない主人公と綺麗だかクセの強いヒロインというのも擦られまくった設定のコンビに思うし…
犯人の動機はありきたりな上にこの事件にしては薄いし、主人公が嘘をついた動機は震災のトラウマという思わずなんだそれと言いたくなる共感できない理由という…
恋愛要素も物語を浅く感じさせてる気がするし…
ミステリーと怪奇の両立という斬新で新しい内容を引き立たせるためにその他をわざとありきたりで薄味にしてるのかなぁ〜
自分に合わないだけか…他の著作見れば分かるだろうか… -
Posted by ブクログ
ネタバレスラスラ読めて、ハマり出したらあっという間だった。
斬新で面白かった点は、メインの探偵役と思っていた明智さんの早々離脱。予想外。
面白かったという感想ではあるものの、個人的に微妙に思った点もあり…。
・ゾンビものであること
なんというかクローズドという環境や連続殺人というだけである意味リアリティに欠けるのに、更にゾンビゾンビゾンビという展開にやや冷めてしまった
・犯人が結構綱渡り
超天才型でもサイコパス系でもなく、この機会を利用してみたら意外と上手くいったわ感を感じてしまい(元々復讐計画あったものの)、あまり魅力的な犯人に見えず。もっとバックボーン見えたら違ったのかな。あと銅像運べる怪力なのか?
・比留子さんとワトソン
あんまり恋愛匂わせしない方が面白い関係に見えると思ったけどなぁ。なんか余計な匂わせシーン多めに感じた。
ゾンビ博士がたまたま参加していて、ゾンビ知識披露しまくるのもちょっと笑ってしまった。
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ネタバレ"生ける廃墟"と呼ばれるテーマパークに建つ奇怪な屋敷「兇人邸」。
斑目機関の研究資料を探すグループとともに、深夜そこへ侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首切り殺人鬼だった。
「屍人荘の殺人」シリーズ3作目。
今回の舞台は遊園地内に建つ屋敷・兇人邸。
何人もの来場客やスタッフがそこで殺されたという噂がありま、一度入ったものは出てこれないと言われるいわくつきの建物です。
屋敷の中では首切り連続殺人事件の惨劇が繰り広げられているのに、外はのどかなテーマパーク。園内放送の音が聞こえてきたりするギャップがなんとも不気味。
出る手段はあるのに、外がテーマパークゆえ簡単には出られない。そんなジレンマもよいです。
それぞれが全く別の思惑を持って動いているため、どんどん複雑になっていく事件の様相がハラハラして面白い。
犯人といい動機といい、密室を打破する方法といい、読後感はちょっとやるせない余韻が残ります。 -
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剣崎比留子シリーズのスピンオフ作品。
神紅大学ミステリ愛好会長、明智恭介と唯一の会員である葉村譲の2人が挑んだ5つのミステリー。
大学のコスプレ研究部で起きた不可解な盗難事件
廃れた商店街のボロビルが、なぜ2000万円で売れたのかという謎
泥酔した明智が朝起きたらパンツを履いておらず、さらにそのパンツがなぜか引き裂かれていた事件
神紅大学宗教学の試験問題が何者かに盗まれた事件
ハイツの住人たちにばら撒かれた不審な手紙事件
剣崎比留子シリーズとは異なり殺人事件は起きません。
しかし、単純になぜそんな事件が起きたのか、そしてその真相が知りたいと知的好奇心を大いにくすぐる一冊でした。
また剣崎比留子シリーズとは異なり、コミカルな雰囲気もおもしろかったです。
原作はわかりませんが、それぞれの短編はオマージュものみたいなので、興味をもったいくつかの原作を読みたくなりました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ※個人的な備忘録として記。ネタバレが嫌な方はお気を付けください。
【感想】
『屍人荘の殺人』シリーズのスピンオフということで、読んでみた。あの明智さんによる日常ミステリでほんわか気分。可もなく不可もなくこんな感じだろうなという感想。泥酔引き裂き事件はさすがに無理があるなと思いつつも、それ言うたら全部そうだし適度に楽しく読みました。
【あらすじ】
生前の明智さんの探偵事務所でのバイトと大学サークル探偵ごっこの話。
大学では助手の葉村くんと頼まれた依頼を解決していく。
◆各話
★3「最初でも最後でもない事件」
→盗難事件、盗撮を隠そうと犯人は死人に罪をかぶせようと画策
★3「とある日常の謎について」
→寂れた商店街のビルが高額で買取りされた、なぜ?真相は思い出復活&ついでにインベーダーの小銭と真面目に喫茶店やってきた男の良き話
★1「泥酔肌着引き裂き事件」
→引裂かれたパンツ。明智さんさすがに寝ぼけすぎ
★3「宗教学試験問題漏洩事件」
→わずかな時間に部屋が荒らされ、USBが盗まれた。真相は教授の部屋替えトリックによる紛失隠蔽
★2「手紙ばら撒きハイツ事件」
→探偵事務所でバイトの明智が初の助手体験。謎の真相はWストーカー -
Posted by ブクログ
ネタバレ「屍人荘の殺人」、「魔眼の匣の殺人」に続く、班目機関の存在を背景とした剣崎比留子を探偵役、葉村譲をワトソン役とするシリーズ第3弾。冒頭は、葉村が友人の小山、矢口との間で、ちょっとした推理対決をする。前2作と比べるとかなり軽い導入だが、頭の体操をしたあと、本筋へと入っていく構成になっている。
かつて、班目機関の施設で研究をしていた不木玄助という人物が、「廃墟テーマパーク」として一部で話題になっている馬越ドリームシティ内の「兇人邸」に住んでいる。そして、その建物には、施設で研究対象となっていた子どもの生き残りがいるという噂があった。班目機関の研究成果を手に入れたい成島IMS西日本社長・成島陶次は、剣崎比留子の「事件を引き寄せる体質」を利用し、「何かを起こす。」ことで、兇人邸への侵入が空振りに終わるのを防ごうとする。成島は、「事件を引き寄せる体質」を持つ剣崎比留子を利用すれば空振りには終わらないと考え、六人の傭兵とともに兇人邸へ潜入してほしいと依頼する。剣崎も、「どうせ事件を呼び寄せるなら、傭兵に守ってもらった方が安全だろう」という理由でこれを受ける。
この時点でかなり特殊な世界観である。前作『魔眼の匣の殺人』が「サキミの予言は当たる。」という前提でロジックを組み立てていたのと同様、本作も「剣崎比留子は事件を引き寄せる。」という前提の上で、成島は剣崎に依頼をしているし、剣崎も依頼を受け入れている。納得しにくい面もあるが、班目機関シリーズは、こういうミステリ、特殊世界ミステリなんだとして受け入れるしかない。
兇人邸では、「満月の夜に身寄りのない従業員が生贄に捧げられる」という噂がある。その情報をもとに潜入した一行は、そこで「隻腕の巨人」に襲われることになる。そして、不木玄助が殺害される。
本作の中心となるのは、「不木を殺したのは誰か」という謎と、「施設の生き残りは誰か」という謎である。しかし、剣崎は巨人のいる別館に閉じ込められ、本館にいる葉村たちと直接合流することができない。会話による推理はできるが、自ら現場を歩くことはできない。そのため、本作の剣崎は名探偵というより、極めて優秀な安楽椅子探偵として振る舞うことになる。
その一方で、物語の合間には四十年前の班目機関の研究施設における追憶が挟まれる。この施設は、『魔眼の匣の殺人』においてサキミが予言していた「極秘研究施設での大量殺人」の舞台でもある。
追憶パートでは、研究員の羽田、不木、そしてケイ、ジョウジ、コウタといった子どもたちが登場する。羽田は通常の人間を超える身体能力や回復能力を持つ子どもたちを研究しており、不木は特殊なウイルスを利用した研究を進めている。しかし、小動物殺しなどの不穏な出来事が続き、サキミは「査察の日に施設で大量殺人が起きる」と予言する。そして実際に惨劇が発生する。
現在の事件と過去の惨劇が少しずつ結びついていく構成は非常にうまい。自然と、「生き残りは誰なのか」「巨人の正体は誰なのか」を考えながら読み進めることになる。
また、本作には倒叙ミステリ的な要素もある。剛力京子が不木を殺害したことが比較的早い段階で明かされるからである。剣崎は葉村に犯人捜しをする必要はないと言いながらも、見事な推理によって剛力が犯人であることを見抜く。この不木殺しの推理は、非常にロジカルではあるものの、やや地味に感じた。
アリと不木の首を首塚に運ぶには、巨人は二度移動する必要がある。しかし、巨人は二度移動していない。隻腕の巨人には二つの首を運べない。不木を殺した犯人は不木より先に部屋へ入っていなければ不自然。そして、剛力だけがアレクサンドライトが赤く輝く場面を目撃できた。
論理はしっかりしている。しかし、エレガントさや意外性よりも、地道な消去法の積み重ねという印象が強い。
その後、雑賀が殺害される。本作には、不木殺しのロジック、雑賀殺しのアリバイトリック、巨人の正体、生き残りの正体、剛力の正体など、多くの仕掛けが存在する。個々の伏線やロジックはよくできているし、読者をミスリードする技術も高い。裏井の名前を意図的に伏せていた点などは非常にうまいと思う。
しかし、トリックやロジックはいいが、その前提となる人物の行動や状況設定に説得力が感じられない。例えば、ケイが隻腕の巨人となり、四十年間もあの夜の中で戦い続けていたという真相である。班目機関シリーズであり、特殊世界ミステリである以上、ある程度の荒唐無稽さは受け入れるべきなのだろう。しかし、それでも私は「いやいや、40年?それはさすがに・・・。」と思ってしまった。
また、そのために従業員を生贄として捧げ続けていたという設定も、どうしてもやり過ぎに思える。
裏井についても同様。裏井が「生き残り」だったという真相には意外性があるし、伏線もきちんと存在する。しかし、ケイとの「何があっても一緒」という約束を果たすために、「正当防衛で殺人をする。」のは行き過ぎだと感じる。共感できない。
雑賀殺しも、ロジックとしては成立している。しかし、物語の流れの中で自然に起きた事件というより、「トリックを成立させるために発生した事件」のように見えてしまった。
最後の、裏井が自らの首を利用して鍵を運ぶトリックもまた、同じ印象を持ってしまった。巨人に首を運ばせることで鍵を届けるという発想自体は面白い。しかし、このトリックを成立させるために、ここで急に裏井が正体を明かし、自ら死を選んだように見えてしまった。
要するに、兇人邸の殺人は、個々のパーツはよくできている。不木殺しの推理も、雑賀殺しのトリックも、巨人の正体も、生き残りの正体も、それぞれ単独で見れば、良いロジックで、意外性もある。
しかし、それらを一つの物語として組み上げたとき、どうしてもいびつさを感じてしまった。
そもそも、いくら廃墟テーマパークとはいえ、その中で巨人を匿い続けるというのも引っかかる。従業員を生贄として捧げ続けるのも、「なんで」という感じ。四十年間も同じ夜を繰り返すか?。剛力という人物も、ミスディレクションとしては機能しているが、どこか作者の都合で配置されたように見えてしまった。裏井やケイの行動原理そのものに納得しきれなかったから、トリックや真相まで浮いて見えてしまったように思う。
評価は難しい。個々のロジックは端正で、伏線も意外性もある。しかし、全体として見ると、荒唐無稽な設定と本格ミステリ的な論理のバランスがうまく取れていないように感じた。
『屍人荘の殺人』も十分にバカミス的な作品だった。しかし、あちらは荒唐無稽な設定そのものが作品の勢いと面白さにつながっていた。本作はバカミスとして突き抜けるわけでもなく、本格ミステリとして納得させるわけでもない。その結果、「大胆な特殊設定ミステリ」というより、「バカバカしい話」に見えてしまった。
★2ではない、★3。個々のパーツはもっと上手く組み合わせれば、かなり良い作品になったと思う。この荒唐無稽さが上手く機能したのが『屍人荘の殺人』であり、上手く噛み合わなかったのが『兇人邸の殺人』だったのかもしれない。
最後に、『屍人荘の殺人』で登場した重元が姿を見せ、物語は次作への引きで終わる。班目機関の謎は依然として多く残されており、続編への興味は強く刺激される。一方で、あまり間を空け過ぎず、早めにしっかり完結まで描き切ってほしいとも思う。シリーズの縦軸は魅力的であるだけに、このまま宙ぶらりんになってしまうのは惜しい。それこそ、綾辻行人の「館」シリーズみたいになってほしくはないと思う。