今村昌弘のレビュー一覧
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ネタバレ本来であればミステリーとは相容れないであろう要素を混ぜ込んで展開されるこのシリーズ。前作『屍人荘の殺人』ではゾンビパニックホラー、そして今回は未来予知のオカルト。未来予知なんかミステリーとは水と油の関係なんじゃないの!?と思ったけど、それを逆手にとった見事なトリックを考えるもんだよまったく。
なによりも今回もまた比留子さんがかわいいね。それだけでも読む価値あります。そんなかわいい比留子さんにあんな選択を迫るとは……。これは悪魔の所業ですよ。
それにしてもやっぱりミステリーの感想を書くのは難しい。ここがよかった!あそこがよかった!と言いたいのは山々なんだけど、その尽くが作品全体の仕掛けに関係するもののような気がして何も言えなくなってしまう。
しかしこの作品にはそれ以外に語るべき大きな話題が一つある。そう、何を隠そう物語の探偵役でヒロインでもある剣崎比留子がかわいいということである。今作でもそのかわいさを遺憾無く発揮し、殺伐とした空気の中を清流の流れる森のような爽やかさで包み込んでくれる。え?相棒の葉村くんはどうしたんだって?そういえばそんな人もいましたね。まぁ彼は解説役としては優秀ですよ。常に比留子さんの側にいるっていうのは気に食わないけど。比留子さんとイチャイチャしてるところがこれまたムカつくんだ。
ともあれ、そんなかわいい比留子さんのこれからに暗い影を落とす出来事が起きようとは……。この巻がシリーズのターニングポイントになるであろう予感を感じましたね。次巻『兇人邸の殺人』ではそれがどんな影響を及ぼすのか、私、気になります! -
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七不思議に導かれる、ジュブナイルホラーミステリ
オカルト好きのユースケ、現実主義のサツキ、ミステリ好きのミナ。学校の掲示係である三人が、サツキの従姉のマリ姉の死の真相に迫る。
手がかりは、マリ姉がパソコンに残した、六つしかない七不思議。
この六つの怪談話の中の違和感や矛盾点に目をつけながら、徐々に事件の真相に迫っていく。
怪談話というホラー要素に、ミステリの推理で挑むところが本作の特徴だ。
本作で私の好きな点は、主人公が小学生であることだ。
行動できる範囲や時間には限界があるし、時には大人に見下される。
しかし、彼らは頭を使って活路を見いだしていく。信頼できる大人を頼ったり、動画配信者に情報提供して代わりに動いてもらったりとたくましい。
また、本作はそこかしこに不穏な恐怖が漂っている。
あちこちで感じる怪異の気配。古い町の陰謀の気配。
それに立ち向かうのが小学生なのだから、余計にハラハラしてしまう。
その一方で、掲示係の活動や運動会など、小学生らしい学校生活の日常もしっかりと描かれる。
恐怖と隣り合わせの日常。
そして、恐怖は終盤に一気に加速する。
最後まで目が離せない。 -
Posted by ブクログ
斑目機関の研究者であった不木玄助によって運営されているという廃墟テーマパークへの潜入に同行することになった剣崎比留子と葉村譲。だが闇夜に乗じて不木の屋敷、兇人邸へ忍び込んだ彼らの前に姿を現したのは、超人的な能力を有する異形の存在だった。死傷者が続出する中、一行は屋敷に閉じ込められてしまう...
剣崎比留子シリーズ3作目。
陸軍731部隊を思わせる楽しいバックボーン設定。荒唐無稽な特殊設定を読者に納得させるための周到な構成力とそれを支える文章力。有栖川有栖の初期作を想起させる喪失と再生の青春ミステリ感。明快な状況説明ととにかく登場人物をきちんと憶えてもらおうとする親切設計。
最近はご無沙汰気味ではあるものの、かつて西澤保彦を始めとして散々読んだ特殊設定ミステリだが、このシリーズが一番肌に合うかもしれない。
今作は3作目にして予想外にアクション要素が強めのサバイバルホラー感あふれる展開。緊迫した状況の中であくまでロジカルに解決に向かうのはこれまでの作品と同様だが、比留子の脱出法まで異常にロジカルに突き詰められていたのには唸ってしまった。
さらりと披露されるあるトリックは綾辻行人っぽくもあり、かつての新本格ミステリファンにとっては非常に楽しめる作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ屍人荘の殺人からはじまるシリーズの中で、魅力のあるキャラクターだっただけにあんなにも早く退場してしまい悲しかっただけに、明智さんにスポットが当たったことにとても喜ばしく思います。
短時間とはいえ深い爪痕を残したっだけあり、今作でもなかなかのクセの強さ。
ミステリーというものに真っ直ぐで貪欲すぎるがゆえ、周囲の人間とこじれてしまいながらもどこか憎めない明智さんの日常が楽しめます。
事件の内容も屍人荘シリーズよりはライトなもので、読みやすい作品でした。
微笑ましいことも、少しカチンとくることもありますが、この先は屍人荘の殺人にいつか繋がるのか・・・と多いながら、在りし日の姿を偲びました。