『屍人荘の殺人』を読んでのち6年近い。あのゾンビ話に明智恭介が登場していたことすら記憶が定かではない。そんな中でこれを読んだんだけれど、ミステリーというのか彼の成長物語というのか。なんだか探偵ごっこみたいな感あり。ただし、彼は見当はずれであったり、いくぶん常識はずれであったりするものの、その未熟さゆえの過ちを踏まえつつ事件の真相にしっかりと向き合うのが素晴らしい。結果としてそのことが真実を照らし出すのだから。あの揺るぎない信念に惹かれるし、それだけではなくて本当は探偵としての高い潜在能力を秘めているのだ。