今村昌弘のレビュー一覧
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『屍人荘の殺人』シリーズ第3弾。
遊園地に作られた兇人邸を舞台にした特殊設定ミステリです。
兇人邸の構造が複雑すぎて…。
勿論、建物の図面はあるんですが、空間把握能力がない自分は、部屋と部屋の位置関係がよく分からず、理解するのを途中で諦めてしまいました。
館の中に殺人鬼の巨人がいて、犠牲者の首を切断して一箇所に集めている…その中に比留子と葉村、そして斑目機関の資料を探す者、その秘書、護衛の4人の外国人が閉じ込められるというお話です。
ミステリにおいて首を切り落とすのには、そうしなければいけない合理的な理由があるはずで、巨人側の理由は納得できたんですが、犯人側の理由があまりに想像の範囲外で読ん -
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ネタバレ2018年本屋大賞の続編、スピンオフ作品
『屍人荘の殺人』で強烈な印象を残しながら、物語の途中であっさりと退場してしまった明智恭介。
「あのキャラクターを、あそこで終わらせるのはもったいない」と感じた読者は多かったはずだ。本書『明智恭介の奔走』は、そんな思いに応えるかのように、彼が生きていた“過去”の事件を描いた短編集である。
舞台は神紅大学とその周辺。殺人事件は一切起こらず、扱われるのは盗難騒ぎ、日常の違和感、試験問題の消失、奇妙な悪戯など、ごく身近で小さな謎ばかりだ。いわゆる「日常の謎」ミステリであり、米澤穂信の古典部シリーズが好きな人には特に相性がいい。個人的にも、死人が出ないミステ -
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推理ミステリー、オカルト、ホラーを掛け合わせた作品。
受賞多数の話題作で期待して手に取りました。
大学サークルの夏合宿で避暑地のペンションに集まった男女。未曽有のアクシデントによって閉じ込められ、この世のモノとは思えない恐怖が迫り来る。そのような状況下でさらに不可思議な殺人事件が発生してしまう。犯人、動機、犯行方法とは一体?同行していたミステリ同好会の葉村が探偵少女とともに謎解きに乗り出して・・・というストーリー。
各登場人物のキャラ、独自のクローズド設定などよく練られていて、興味を喚起されてスンナリ話に入っていけました。
最後の謎解きもドンデン返しは無いものの、上手く盛り上がる流れになっ -
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ネタバレ『全部予言が悪いんだ』以上!感想終り!
ミステリーというよりもSF小説のつもりで読んだ
予言が必ず当たる世界、登場人物は予言的中に向け
自ら行動をせねばならない、せねばならぬのだ
だって・・・予言されちゃったんだもの
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神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子は、
人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪問
するが外界への唯一の橋が燃え落ち閉じ込められた
予言者である老女「あと二日のうちに、この地で4
人死ぬ」と告げ、葉村たちを混乱と恐怖が襲う、残
り48時間、二人の予言に支配された匣のなかで… -
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『屍人荘の殺人』
2017年第27回鮎川哲也賞
2017年第30回このミステリ-がすごい!第1位
2018年第18回本格ミステリ大賞受賞
あとがきに 有栖川有栖氏が怪物的な傑作、驚異の新人による衝撃にデビュー作とされています。
再び、遠田志帆さんのカバー。
今村昌弘さんは初読みです。
2017年に鮎川哲也賞を受賞し、いまなお続編が刊行され続ける人気シリーズ。
時折、皆さんの本棚でお見かけして「いつかは読もう」と思っておりましたが、ちょうど借りることができました。
本格推理は卒業と言いながら、読ませていただきました。
このタイトル“屍人”は、小野不由美さんの“屍鬼”を意識されているので -
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前作「屍人荘の殺人」もそうであったように、このシチュエーションであるからこそ起こり得る殺人/動機が見事なロジックで語られており、本当に舌を巻く。
メインの解決編と交じわるように各キャラクターの素性解明という別軸が走っている構成も非常に良く出来ていて、最終的に明らかになる悲劇的な人間関係が切ない。
そんなわけでミステリーとしての品質はお墨付き、一級品であることは間違いない。
あとはもう好みの問題で、個人的に予言ありきの設定が先の展開を縛っているように感じ、興奮やスリルが削がれてしまった。主人公コンビのラブコメ要素みたいなのもちょっとノイズだったかなぁ。