今村昌弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃ良かった断篇集の続編!続編ってか、別に話が続いているわけではないので単に二冊目か。
前巻同様、装丁も内容も超豪華。表紙は多分描き下ろしでシールもついてて、カバーは良き手触りのツルツルがあり、著者が全員違い、そしてお話は全部オリジナル。
前巻でも良かった、主人公や人気キャラ以外も扱うという方針は今回も同様で、あざジャスはしっかりとありながらも、今回は山田がいない!外伝で扱われるのは初めてなんじゃないかと思う、松田や司書さんの話は大変良かった。ガイドはなぜか二連続で抜擢。経歴がおかしいから、逆に何させても違和感がないという便利なキャラなのかもしれない。
本編と同様、リアル過ぎる、いや、もはやリアルじゃないかもしれないがとにかくインターネットの闇な部分を濃縮した部分ががっつり提示されて嫌な気持ちになる。まあ、そこも含めて都市伝説解体センターなんだけど、そこは都市伝説解体センターの良さではないので、あんまりそこに本気出さなくても良いという気持ちはある。
それはそれにして、新たなあざジャスを享受できて良い。
最初の話、女子高生実況主の著者は、こないだ見てきた恐怖心展の人だった。さすが、恐怖心を理解しておられる。そしてしっかり本当の怪異も入ってるの、とても良いですね。
美脚ババアが一番の怪異だが、チャンネル登録者数が65人というのがやけにリアルだった。そしてこの話のあざジャスがまた最高だった。狐と狸って公式情報なんだっけ… まあ、どっちでもいいけど!
そして次がなんと、あの松田!
松田、本編だと結構な嫌われものに感じたが(というか自分が単に言葉が強い人間が好きじゃないだけかもしれないが… )こっちでは普通にええやつやんけ。関西弁が強く聞こえるだけだったか。「しょうもな。」が若干優しく感じる。でも、この話が本編の前なのか後なのかで結構印象が変わるかもしれないな。
次は美桜の前日譚〜!?美桜って本編で結構出番が多いからか、外伝で出てくるイメージはなかった。
まさか、あざみとの出会い!?と思ったらほんとにそうだった。クソテニヤリサーという典型的な悪役は余りにも典型的だったが、おどおどしてる上に天然すぎるあざみの大学生活が垣間見れて感無量。ちゃんと通ってたんだなぁ。
微笑ましいのに悲しい。
ただ、あざみが余りにも天然というかモノ知らずで純粋すぎて心配になる。まあ、危険な目に遭いそうになったらなんとかなる、というかするんだろうけど。
ガイドさんは後日談!そういえばガイドさんだけはマジで無関係だったから、本編のあとも普通に暮らせてたのか。いや、松田も別に悪いことしてないから、さっきの話が後日談だったとしても別にいいのかもしれない。
表紙だと帯に隠れて見えてなかったけど、ちゃんと寿司屋だ!そしてこれは確かに悪役顔。どうやってもギャグ要素が出てきちゃうな、ガイドさんだと。
そして司書さん!表紙にいるから、まさか?となってたがしっかりと登場!地味に良いキャラだったから再登場嬉しい。しかしムラサキカガミって。実際中学高校で聞いた記憶があって、今の今まですっかり忘れていた。思い出しちゃったじゃないか!これは集英社に苦情のファンレターを送らないと。
『集傑社』編集者が失踪してるのがおもろい。ってか、そこはもうそのまま集英社にしても問題なかったのでは。
そして謎解きの村崎さんと加賀美さん。確かにありうる名前だ。単純な罠。うまい。司書さん、ものすごいクールキャラかと思ったら、がんばってアンガーマネジメントしてたりクッキー絶許過激派という、ノンクールさも多かったけど、最終的に落ち着いて良かった。ってか普通に死にかけとるやんけ。
墓場文庫のオーダーなのか、著者のオーダーなのか分からないが、山田とか人気どころだけじゃなく、これまで扱われてなかった松田とか美桜、ガイドを主人公にするの、とてもいいです。断篇集、一生続刊してくれ。
次は村のジジイだな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「剣崎比留子シリーズ」の3冊目。
ミステリにはお約束の、舞台となる建物の見取り図と登場人物一覧が、両面印刷の1枚のカードになって挟まれているのがナイス。
葉村と友人たちとのちょっとした謎解きが冒頭に置かれた後は、さっそく、“事件を引き寄せる体質”を見込まれた比留子が班目機関の研究資料を探し求める企業の関係者に誘われて…というところからスタート。
葉村を伴った比留子が彼ら&その傭兵とともに廃墟を売り物にするテーマパークの中の建物「兇人邸」に侵入してからは、早くも矢継ぎ早の展開。
異形の殺人鬼に、死体はゴロゴロ、比留子は行方不明…、ちょっとしたホラー映画の絵柄が脳内に浮かぶ。
結構ややこしい話なのだが語り口は読み易く、見取り図カードのお陰でいちいち巻頭に戻るストレスもなく、ズンズンと読み進めることができる。
またまたクローズドサークルながら、屍人荘は“偶然発生した“、魔眼の匣は“故意に作られた”、今回は“留まることを選ばざるを得ない”ということで、脱出の道も選べない。
ほどなく見つかった比留子の立ち位置がまた特殊で、冒頭で葉村が次のミステリ愛好会のテーマと言っていた「安楽椅子探偵」の位置に嵌り込む。
いやはや、毎回違った設定と趣向で楽しませてくれるものだ。
どうやって葉村は比留子を助け出し、謎を解いて生き延びていけるのか!?、と想像もつかなかったのだが、最後もまた映画を観ているようにたたみかける展開で、ラストの捨て身のアイデアには驚愕。明かされた異形の殺人鬼の正体にはやりきれない悲哀が漂う。
今回も探偵とその助手としての葛藤が出てくるが、そうした中で比留子のキャラクターや葉村との関係性はより分かり易く描かれていたように感じた。
重元さんって、誰だ? -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々の休日で一気読み。
前作のことはちょっと忘れたことが多かったけど、たしかナンセンスな設定をミステリに落とし込む、みたいな強烈な思い出。今作は、予言というナンセンスを前提として動機やトリックが仕込まれるのが新しい。設定が邪道だけど、それなのにちゃんとその設定を王道ミステリに落とし込んでるというか。
めっちゃネタバレ
犯人が、明確な殺意を持ってクローズドサークルに人々を招いたわけではない、というのがまずずるい。と思わせて、それが予言というナンセンスを際立たせる。明らかに人為ではどうしようもない第一の犠牲者と、以降が整合性とれない、というジレンマも予言を際立たせる。そういう点では、前作よりその辺りの必然性のレベルが高かったように感じる。前作はトリックの手段だったな。
クローズドサークルの欠点は、狭まった選択肢から犯人が予想されやすいという点。そして、なんとなく死んでしまう人間も想像しやすい点…前作もそうだった気がするが、人物と名前に関連を持たせてくれたおかげで早々にイメージができた。 -
Posted by ブクログ
剣崎比留子シリーズ当初に出たクセ強キャラの短編集。「〈明智恭介〉シリーズ第一短編集」と書かれてるのでまだ出るのかな?
屍人荘の殺人以前の話という事で、人が死ぬ事はないけれど、少し奇妙な謎たちに巻き込まれ?突っ込んで?解き明かしていってます。途中「これが真相?何か消化不良…」となったところで解き明かされる真相にスッキリしました。
殺人事件以外のミステリはあまり興味なかったんですが、明智くんのクセ強キャラ、ナイスな助手役の葉村くん、仕事としての探偵事務所の方々、周りを取り巻くサポートややりとりも読んでて楽しく、絶妙に気持ち悪い日常ミステリに引き込まれました。こうやって警察が関わらない謎も多いんだろうなぁ…と何だか恐怖心も湧きつつ思っちゃいましたね。