川添愛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自然言語処理について、小説形式で、面白おかしく学べる本。
小説形式とは言え、自分のような素人には結構骨太な内容。
しっかり考えながら、読み進めないと、読み切れません。
一方、この分野をここまでかみ砕いてストーリーにして下さった
著者には感謝と尊敬の念を抱かざるを得ません。
この人、スゴイな。。
「最近、AI(機械)が人間のできることをどんどん奪っていく」といった
ホラー・ストーリーを至る所でよく聞くようになりましが、
現時点でAI(機械)に何ができて、何ができないのかを正確に知っておくことが
未来への備えの第一段(ファースト・ステップ)なような気がします。
チェス・将棋・囲碁では、プロが機械 -
Posted by ブクログ
人間と自然な言葉のやりとりができるAIが登場していますが、「果たしてAIは言葉の意味を理解しているのかどうか?」という疑問について深掘りした1冊です。
現在のAIは「こういう単語や語句の後には、このような語句が続くことが多い」といったように統計的に解析して言葉を発しているようです。これを「言葉の意味を理解している」と言って良いかどうか、微妙な問題です。
その辺りの議論を正確に進めるために、本書は「言葉の意味とはどういうことか」という点、「人が言葉の意味を理解するとはどういうことか」などAIの議論をする前に一歩下がって、まずは「人間が言葉をどう理解しているのか」という点について言語学者の著者が分 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数学の知識を物語の中で学べる作品となっています。私はこのような作品を今まで様々なものを読んできましたが、本書はその中で、最も「カッコいい」作品でした。設定は理解するまでに時間がかかりましたが、一度理解してしまえば手に汗握るストーリー展開や数学に詳しく無くても「なるほど」と言えるものばかりでした。
本書で私が最も感動したのは大学数学レベルの領域や、未解決問題も取り上げられているのにもかかわらず、そのほとんどが四則演算に知識で理解ができると言うことです。そしてこれらの説明が淡々と方られるのでは無く、方法や答えに物語としての意味が関連づけされていることで、より興味をそそられました。
例え -
Posted by ブクログ
働きたくないイタチって誰? 他ならぬオレやアンタだよ。でもそれあんまり関係ない。
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もうAI本飽きたよね。
ではこの本はつまらないかって? 否。
AIでどう堕落するか、失敗するか、それを動物の森(じゃないか)の住民たちが代弁して、少しずつすすめていってくれる物語、なのだ。
最近電子書籍ばかり買っていて、この本が手元に届いたときに、装丁の美しさに息を呑んだ。いや本当は呑まなかったが、綺麗だなーと思った。
僕は本にそういう機能は求めていないが、本以外には求めている。愛でたくなる、ということは大切なことだ。愛でなくていい本が多いから電子書籍に流れてしまうのだ。
そういうこと -
Posted by ブクログ
まずタイトルと装丁が秀逸。内容も「寓話」と「解説」が交互に並び、直観と論理の両面を相互チェックするかたちで理解が進む。文章も極めて平易で一気読み可。中学生くらいの子供なら十分読めるのでは。言語処理について現在の人工知能ができること/できないことがわかるのはもちろんだが、それを通じて我々が現に操っている言語の面白さ/不思議さにも触れることができる。
本書では、現在主流である「ビッグデータ」を利用してのAIを用いた言語処理の限界と、それを乗り越えることの困難さ(システムの無矛盾性に関するゲーデル的命題を思い出した)が提示されている。どれもなるほどと思えるものだが、ここではたと思い至ったのは、不完