【感想・ネタバレ】言語学バーリ・トゥードのレビュー

あらすじ

ラッシャー木村の「こんばんは」に,なぜファンはズッコケたのか.ユーミンの名曲を,なぜ「恋人はサンタクロース」と勘違いしてしまうのか.日常にある言語学の話題を,ユーモアあふれる巧みな文章で綴る.著者の新たな境地,抱腹絶倒必至!

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Posted by ブクログ

タイトルと表紙に一目惚れして手に取った一冊。
言語学者である著者が東京大学出版会の発行する冊子『UP』に寄稿した内容をまとめたもので、言語学の観点から様々なトピックについて語っています。
プロレスやダチョウ倶楽部、コロナ禍の散歩の楽しみ方等、トピックは身近なものばかりで親しみやすく、それらに対して腰が低いながらも言語学の視点であれこれ語る文章にはクスリとさせられます。
言語学者を名乗ることに対してやや自虐的なところもちらほらありますが、中でも自分が「ふふっ」と思わず声を出した一文を添えさせて頂きます。

「言語学者に言葉のセンスを要求するのは、植物学者にフラワーアレンジメントを頼むようなものだ。」

これで気になった人は是非読んでみてください。

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

著者の本は何冊か読んでいたので本書も手に取りました。言語学という、素人にはとっつきにくいテーマを、なんとも面白おかしく、しかし真面目に論じている本でした。ちなみに著者はプロレスファンということで、格闘技用語がタイトルに使われているだけでなく、プロレス好きなら誰でも知っている、ラッシャー木村の「こんばんは」事件を真っ先にとりあげています。またプロレス技にどんなワードが使われているかの分析や、ユーミンの「恋人がサンタクロース」はなぜ恋人「は」ではなく恋人「が」なのか、またAIはダチョウ倶楽部の熱湯風呂のギャグでおなじみの「押すなよ」を押せと理解できるのか、など興味深いテーマが多いです。とにかく肩の力を抜いて読めるエンタメ本になっていて、個人的には表紙も含めてイラストが秀逸でした。この本は長期間記憶に残りそうです。

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2024年12月30日

Posted by ブクログ

言語学という私が学生時代にも敬遠していたテーマをユーモアあふれる文章で記した一冊
筆者の周りで起こった些細な出来事から言語学の世界への導入が見事で、面白い講義を受けているような感じで読み込めます
AIは絶対に押すなよを理解できるか、と前提の話、たったひとつの冴えたanswerは必読

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2024年05月21日

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分かりやすく興味深い内容だった。助詞の「は」と「が」の使い方については、前後の名詞の関係が随分と変わってくるという説明があり、とても納得した。会話のほとんどが雰囲気で成り立っているのだなと考えさせられた。

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2023年12月11日

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東大出版会がだしてる広報誌に連載されてる言語学コラムを書籍化したもの。
言語学専攻としてはめちゃくちゃ面白かった
「言語学者は日本語の誤用に厳しそう」とか「恋人はサンタクロース」「恋人がサンタクロース」どっち?とか、わかるーーってなったりなるほどーってなったりするし、砕けた感じの文体だから読みやすい
言語学系のコラムちっくな本やっぱり好きですわ。もっとよみたい

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2023年11月21日

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(言語学)の勉強する振りして実はただクスクス笑いたい、つまり私は真面目で意識高い系で勉学に励むんですってスタンスを保ちつつ漫画読みたいようなヒトに向けられた本です。

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2023年09月23日

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「言葉」とその周りにあるあらゆる情報を(推測を含め)分析するとこんなに面白いんですね。私も、恋人「は」サンタクロースだと思い込んでました。著者のキャラも相当面白いです。何回か思わず吹き出してしまいました。round2待ってます。

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2023年08月21日

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ソシュールに関する小ネタを探して、必要があって読みました。川添さんの本は初です。
ところがどっこい。ソシュールさんはちぃ〜とは出てくるが、良い意味で想像を裏切られました。
当初の目的は果たせそうになかったけど、普通に面白くて読んでしまった。
軽妙な語り口調、何かどこかで読んだことがある感じだな〜と思ったら、さくらももこだ。川添さんは、言語学界のさくらももこさんと言ってもよいのではないでしょうか。
(さくらももこさんが少女漫画家の中でもアウトサイダー的にご自身を認知されていたあたりも、川添さんに重なる。)
夫が「は」と「が」で卒論を書いた言語学徒であったこともあり(まさに底なし沼!)、親しみを感じつつ楽しく読ませていただきました。

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2023年06月19日

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バーリ・トゥードとはポルトガル語で「何でもあり」の意味。格闘技界隈では総合格闘技ということらしい。本のタイトル「言語学バーリ・トゥード」とは担当編集者が「何でも書いてもいいですよ」と答えたことに端を発するとか。川添先生のプロレス愛溢れる言語学エッセイはプロレスを知らなくとも楽しめます。イラストも最高です!背表紙の「AIマスク」はおそらく川添先生と思うが、「アイ」なのか「エーアイ」なのか論争も起こりそうである笑

この本が好きな方は川添先生の「日本語界隈」を読むことをオススメします。「街で見かけた変な文」を娯楽として成立させたいなんてふかわりょうさんが泣いて喜びそうです

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2025年05月05日

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「AIは”絶対に押すなよ“を理解できるのか」って、つかみが既に面白い。とりあえず「面白おかしく書いてやる!」と「格闘技が大好き!」に前のめりなのはわかる。そこはわかるんだけど、面白すぎて中身がてんで記憶に残らない…これでいいのか…?笑
挿絵が絶妙に上手面白くて、そこも良かったです。

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2025年04月16日

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言語学をバックグラウンドにしたこ難しさのないエッセイ。
心に残ったネタは以下。
・こんばんは事件にみる挨拶のユースケース
・恋人がサンタクロース、恋人はサンタクロースじゃない(今までずっと勘違いしていた)、これらの意味は異なること
・前提の置き方(いついつに〜しましたか?ではなく〜したのはいついつでしたか?、また会う?ではなく今度いつ会う?等)
・文法的に逸脱した文が引っ掛かりを残す
・藤波さん、やることなすことなんでもドラゴンなんとか
(ニックネームに必然と偶然)

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2024年10月05日

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楽しい1冊だ。
日常で見聞きする「言葉」について考えてみる。もちろん言語学者としてのリテラシーを持ってするわけだけど、真面目すぎないところがいい。ちょっと言い訳が多すぎるけど、これは掲載誌のせいだな。

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2024年10月03日

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随所に散りばめられたネタがおじさん向けであんまりピンと来なかったけど、ユーモアたっぷりで面白かった。「あとはリング上で決着をつけるしかない」

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2024年09月23日

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言語学というと、敷居が高く取っ付きにくいが、ユーモア満載で楽しく読んだ。

言葉の曖昧さや、案に意図している事など、
普段のコミニケーションで違和感に感じている言葉を見事に分析していて、とても為になった。

「過剰一般化」(思い込み)について、大人は、
一旦意識すると、大抵、心の中で言語化され、
の人の意識の中で強化され、口に出してしまい、後で後悔するパターンについて、深く納得。


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2024年08月24日

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読みやすい割にもっと深く考えたいトピックが多かった。
若干世代間ギャップでわからないネタはあったが、熱量高くて面白く読めた。
プロレス沼は深そうなのが目に見えてなかなか踏み込めない…

いろんな製品のキャッチコピーに切り込むのは特に面白く、そのフォーマット使えるかも!っていう例も多くあった。

来月このシリーズ2冊目が発行されるようなので楽しみ。
東京大学出版会のUPに載っていたもののまとめらしいが、定期購読しちゃおうかな…年間2000円…

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2024年07月15日

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笑える読み物として単に面白いし、ネタ的にいろいろ懐かしくもある。内容的には、自虐話への応答について考察した第8章や前提がらみの問いかけの怖さを説いた第9章あたりが印象に残っている。

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2024年01月30日

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タイトルに期待すると裏切られる(言いすぎか)
言語学をネタにした抱腹絶倒エッセイといった感じ。読書の入口がエッセイで今は語学が趣味の自分にとっては最高の一冊だった。Round 2にも期待したい。

追記: 素人の自分には分からないだけで、他の書評を読むと言語学の専門的知見は随所に張り巡らされているらしい。

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2024年01月07日

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言語学を話しのキッカケにしつつ、面白いことを書いている本。学問への興味が少しくすぐられる感じはあるけど、単純に読み物として面白いという感想の方が強い。

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2023年10月27日

Posted by ブクログ

書きっぷりがざっくばらんで楽しい。個人的にカラマーゾフの兄弟を再読中故、合間の”休憩読書”にぴったりだった。寝る前とか休日一気読みに向く一冊。
日本語の文章における修飾先の曖昧性とか、誘導尋問に使われるような、文章が持っている「前提」の話、会話の中の言葉を相手が知っているかどうか、知っていたとしても、相手が知っていることを前提に話してしまっていいのかどうかという「相互知識のパラドックス」など、軽く流し読みできるネタ満載。東京大学出版会の月間冊子「UP」掲載文をまとめたもの。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

勧めてもらっていた本をようやく。
副題の「AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか」が本作を端的に物語っている。大変面白かった。

最初は、東大出版会さんの本をこんなに気軽に読めるなんて…と、なんか感動。
教科書として以外では初めてかも。

目から鱗だったのはこちら。

「フィールドワークの場合、調査対象の言語の話者たちが交通の便の悪い土地に住んでいたりすると、そこに行くまでの中継地点に長期滞在することもあるため、その地域のメジャーな言語を使う必要も出てくるという。さらに、調査対象の言語がごく内輪でしか話されないものである場合、相手の人たちと相当仲良くならないと調査ができないというはなしも聞いたことがある。そんなとき、どうやって打ち解けるのか?という疑問に対する答えは、ズバリ「酒」であった。つまりフィールドワークには語学力だけではなく、肝臓の強さも必要なのだ。…」

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2023年04月15日

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言語学にまつわるあれこれを書いた、カロリーの高いエッセイ集。東京大学出版会のPR誌「UP」に連載したものがベースとなっている。

「この『UP』は比較的安心して好きなことが書けるガンダーラのような場所だ。『UP』の読者の皆様はインテリがジェンスしている人たちばかりだから(←過剰一般化)、少しぐらい変なことを書いても許してくださるだろうと完全に油断しているのだ。」
という調子。

連載の第1回が「『こんばんは』事件の謎に迫る」で、いきなりラッシャー木村の有名な「こんばんは」分析だ。
そのほかにもプロレス界隈の有名フレーズが多数出てくる。
同世代人としてフレーズが流布していることは知っていても由来を知らない、それらのフレーズが説明されていて勉強になった。

本書を読んでいて、昭和(後半期)のプロレス関連ワードの強さを思い知った。現代であればネットミームになる題材のオンパレードである。
考えてみれば、プロレスほどキャッチフレーズ、キメ台詞が飛び交う世界は多くない。「マイクパフォーマンス」が興行における一つの要素にもなっているし。

(唐突に感想終わり)

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2023年03月18日

Posted by ブクログ

日常に潜む言語学のあれやこれやを(脈絡なく)軽く書く、連載を元にした本。若干内輪ノリがある。文法や言語学の学説を学べたりするわけではないが、こういうとこに着眼点があるのか、というきっかけになる。著者がプロレス好きなので、例えにプロレスネタが多め。Twitterやデイリーポータルとか出てきて、幅広くチェックしてる、気軽だしクスッと笑えたりして面白かった。日本語を修士までやった身としては、仮説を出しては否定しまくるとか、身の回りのグレーゾーンの日本語を探す習性とか、身に覚えがあるw

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2023年02月27日

Posted by ブクログ

川添さんを知った本。ハイコンテキストと言われる日本語の含意、日本語を知らない人に理解するのは苦労も多いけど、日本語を知る身としては母語の厄介さを学ぶにちょうどいい。はっきりモノを言わない日本語の奥ゆかしさは是可否可、自分なりの見解を持つのに参考になる。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

昭和文化とプロレスの知識をあまり持ち合わせてないがために、例えや小話の内容が理解できなかった。専門用語の説明はわかりやすくて、軽めのエッセイ本として楽しめた。

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2025年01月13日

Posted by ブクログ


言語学バーリ・トゥード: Round 1
AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか
川添 愛 (著)

最初は意味が分からず。

バーリ…はプロレス用語なのね。
一番印象に残ったのは、氷室京介?とGLAYのTERUの対話の部分。
後輩に私おばちゃんだから、と言って気を使わせるシーンににている?かも?
全員に使えるものではないけれど。

気楽に言語に向き合いたい方におすすめなのかな?
2もでてるから、人気なのでしょう。
私にはちょっとわからない部分もありました。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

プロレスの話はオタク過ぎてほとんどわからなかったが、何だか不思議と面白く読んだ。
鉤括弧や三点リーダーは自分自身が良く使う派。無意識だったが、なるほど確かにそういう深層心理があるな、と思った。
キャッチコピーの件は興味深かった。助詞一つでこんなにも印象が変わる。奥深い。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

3.5かなぁ。新刊発売時に気になってたが、タイミング悪く、今読むに至る。内容は作者が雑誌で掲載しているコラムからの抜粋?で、言語学について雑学混じりに解説しているので読みやすい。
「白いギターの箱」と言われたら、白いのはギターなのか、箱なのか?という問いも、言われてみたら確かにどっちとも取れるから面白い。また、表紙にものっている「恋人(は/が)サンタクロース」の勘違いも、見事に自分自身がしていたのが、興味深い。
筆者曰く、名詞➕名詞の文の場合、◯◯(は)◯◯という風に(は)を使う事が多く、(が)を使った文章は珍しいという事が誤解の原因らしい。自分で書いてて理解しにくいので、興味ある人は是非本書を手に取って読んでみて欲しい。また、1番印象に残ったのは、正しくない言葉という考え方ではなく、服と同様、場所によって使い分けをするのが、よいのではないかという事。全然オッケーとか、汚名挽回といった言葉も解釈しだい。なんでも目くじらを立てるのはどうかとの事。そもそも、現代と昔の解釈が違っていたりもするので、正解は時代によって移りゆくもの。フォーマルには正装と敬語を、友人とは、ラフな服装と言葉のチョイスを。

そして、この本読んでいて衝撃だったのが、
ラスト5ページで、筆者が女性と分かった事。
プロレスとか文体で絶対に男性だと思い込んでいたから、驚かされた。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

美しい水車小屋の娘
今はもう動かないおじいさんの時計

これら二つの文章は、形容詞がどちらの名詞を修飾しても「雰囲気」として許容できるアート性がある。しかし、美しいのは水車小屋?それとも娘?など、明確にしなければ、正しい理解には及ばない。一意に決まる日本語を使うか、曖昧さを残すなら「文脈」で読み解くしかない。例題はどちらでも良いという仕掛けにも読み取れる。そういう内容を楽しく伝えてくれるのが本著。著者の川添愛はプロレスが好き。きっと授業も面白いだろうなと思う。

で、問題は「文脈」だ。発言者の個性や脚本の流れ、前例や歴史認識なんかも含む「文脈」だ。英語は多民族で扱うから文脈依存度が低く、明確。日本語は、同じ文化を共有するため、文脈依存度が高く曖昧。

「絶対押すなよー」のアレだが、AIがそれを誤認して、命令に背く方が危険。人間は、その一連の流れを期待して見てしまうが、文脈通りに共鳴できる事は安心感があり、元々は緊張と緩和を演出するお笑い芸なのだろうが、単に緊張もなく、有名な文脈を見れる満足感、文脈を共感できる楽しさだろうか。学術的には深い本ではないが、読み物として、楽しい本だった。

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2023年11月07日

Posted by ブクログ

42
コピュラ文における は と が の違い
西山佑司『日本語名詞句の意味論と語用論 指示的名詞句と非指示的名詞句』

80
今井むつみ『ことばの発達の謎を解く』
広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』

104
分裂文と誘導尋問

206
しかも、もともと「w」は書き言葉に欠けている「笑いの表情」を表す記号だったのに、そのヴィジュアルが「草」という言葉になって話し言葉に回帰したというのは、かなりレアな現象なのではないだろうか?

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2023年05月18日

Posted by ブクログ

読みやすいが、タイトルにあるAIや言語学的要素は少なめ。
世代が近い同期のおっさんと飲みながら雑談してる感じに近い。

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2023年03月04日

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