川添愛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言語学とタイトルにつく本を何冊か読んでみて、いまだに言語学という広い範囲に何が含まれているのかつかみきれていないのだけれど、この本は言語学の中でも理論言語学のエッセンスを集めた本のよう。
川添愛さんの著書はこれまでにも何冊か読んでいるけれど、わかりやすく平易に説明する技術に長けた方だなと感じる。
この本も、これまでのものより専門的な本なのかなと思っていたら読みやすいので一気に読めてしまい、あまりに駆け足で読み進めてしまったので、きちんと理解できているのだろうか…?と首を捻りながらページを捲ると、第4章に出てくる総復習的な練習問題で「わかるぞ…!」と、意外としっかり内容を理解できていたと達成感を得られる。まるで進○ゼミのような本。予想外に実用的で驚いた。
「ふだん使いの言語学」というタイトルが表すとおり、日常的に言葉を扱う場面で役に立つ知識を中心としてまとめられており、専門書というよりは実用書のような手触り。作文技術に特化した本というわけでもないのできっぱり実用書的な内容を求めるひとには物足りないだろうけれど、言葉のしくみや理論の解説が多めなので言葉遊びが好きな人間には考えたり想像したりしながら読み進められて楽しい。
言語学の学習者ではないので、どの程度専門的な分野に触れられているのかはわからないのだけれども、専門外の人間にとって興味を持ちやすい部分が厳選されている気がする。
これを足掛かりにもう少し詳しく言語について掘り下げたいなと知識の扉を開く入り口としてちょうど良いかも知れない。 -
Posted by ブクログ
本書の著者である川添愛の別の本が面白かったこともあり、こちらも読んでみました。
『数学ガール』と『博士の愛した数式』のような要素を持つファンタジー、というのが自分の印象です。
何よりも、数字の使い方がとてもうまく、また、数字の意味付けや、キャラクター設定も絶妙だと思いましたし、それらとこの本の世界観の設定がうまくマッチしていると思います。
ちなみに、ある程度、数学の素養がある自分は、楽しく読めたのですが、普通のファンタジーとして読めるのかどうかは疑問です。
また、この本に出てくるフィボナ草の設定についても疑問があります。
が、たとえ、それらの疑問があったとしても、それらを上回る面白さがありました。
基本的には、ファンタジーには興味がないのですが、自分の興味を惹く要素があれば、ファンタジーも楽しめることを実感した一冊です。 -
Posted by ブクログ
コンピュータの中身はどうなってるの?
コンピュータは2進数で動いていると言われても、どういうことか想像できない。。
という状態で読みましたが、すごく分かりやすく解説されていて、今までキーワードとして聞いたことがあった言葉が、やっと理解できました。
コンピュータって便利だけど、なぜいろいろなことができるのか分からないという人に、本当におすすめです。
○コンピュータはデジタル機器
○コンピュータは数字で表された情報を扱う機械
アラビア数字は位取り記数法。コンピュータの内部ではこの二進法が使われている。
→電源のオンオフで表現できる2が、コンピュータにとって扱いやすいため。
コンピュータで扱われる文字や色は、それらに割り当てられた二進法の識別番号。
→このように文字や色も二進法の数字に置き換えればコンピュータで扱える。
ex.
ASCIIコード・・英語のキーボードの文字を7桁の二進法の数字と対応させている
Unicode・・1つのコード体系で世界中のすべての文字を置き換えようとするもの
フルカラー画像は、3バイト、つまり24桁の数字を使って1677万7216色を区別できる。
(nが1以上の整数の場合、n桁の二進法の数字は2のn乗個ある)
音は、音波を一定時間ごとに縦に輪切りにする。(標本化)その後、横に輪切り(量子化)して、数に置き換える。
量子化・・中途半端な値を、近くてキリのいい値に置き換えること。
デジタルとアナログの違い
アナログとは、連続的な量を、別の連続的な量を使って表すこと。
デジタルとは、連続的な量を、連続的でないとひとびの値(近似値)で表すこと。
○電気で計算を表す
算術演算
1桁の足し算は半加算器(AND回路とXOR回路)で表せる。
2桁以上の足し算は全加算器(半加算器2つとOR回路)で表せる。
論理演算
推論のパターンから個別の推論を導き出す論理学と数学をうまく結びつけたのがブール。
→and,or,notを使った計算のしくみであるブール代数によって、人間の推論の過程を表すことができる。
論理学と工学→論理回路
シャノンにより、リレーという電磁石を利用して自動的にスイッチをオンオフにする装置を利用すれば、ブールが考えた計算が表現できるという論文が出される。
→やがてリレーは、真空管という電気を使って電気の流れそのものをコントロールする装置に代わる。
→やがて真空管は、トランジスタという3つの電極がついていて、電流を増幅することができる半導体に代わる。
○プログラムでコンピュータに命令する
プログラム
計算の手順を順番に書いたものをプログラムという。コンピュータに命令するときは、人間が扱いやすいプログラミング言語を、機械か理解できる機械語に翻訳(コンパイル)して実行されている。
CPU
制御装置・・命令を送ってもらう役
演算装置・・計算する役
クロック・・時計を見て、一定の間隔です作業をさせる役
レジスタ・・計算に使うデータや、計算の途中結果や最終結果、命令を置いておく場所。作業の状態を表示する掲示板。
CPUの外
メインメモリ・・電源を切ると記憶した中身が消える。(記憶されるものはすべて電気信号)その代わり、記憶されている情報はすでに電気信号なので、情報の読み出しや書き込みが速い。
→ノイマンが、メインメモリにプログラムとデータの両方を入れてから実行するというアイディアを発表した。
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Posted by ブクログ
これを書いた人は天才でしょう!コンピュータを可能にした原理や技術を数学や論理の世界にまでさかのぼってわかりやすく面白く解説してくれる。
今時コンピュータ(パソコンとかスマホと思ってもいい)の恩恵を受けるだけならそんなこと知る必要は全くないけど、何か作ろう何か生み出そうと思ったら原理を知っていると違う。しっかり固い基盤の上でジャンプするか、フワフワのクッションマットの上でジャンプするかの違い、というイメージ。
本書はアラビア数字の位取り記法からはじまるくらいさかのぼるんだけど、それが今度は数学の理解を立体的なものにしてくれるようにも感じる。 -
Posted by ブクログ
川添愛にはずれなし!この本の章立ては以下の三つ。
① 数字で情報をあらわす
② 電気で計算をあらわす
③ プログラミングとは?
①と③はユーザー感覚でなんとなくわかっても、②があいまいなので結局ブラックボックス感を拭えない、という私に向けて?、「妖精がコンピュータを作ってみる」というあいかわらずメルヘンな設定とゆるいイラストとで盤石に解説してくれる。説明に使う材料はというと。
二進法
豆電球と電池の回路
電磁石→スイッチのオンオフ。これが真空管、半導体につながる歴史も解説。
真偽の論理式→Aがうそつきなら、Bは、云々。論理学と数学の融合の学術史もカバー。
おお、基本ぜんぶ小学生の学習指導要領の範囲内。
この本の結末で、妖精の国に無事コンピュータが出来上がるのだが、「みんなが『もう勉強は要らないんじゃないか』って言い始めたんです。」(P168)。
うーむ、我々が陥りかねないディストピア化を予言しているような・・・。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ言語学バーリ・トゥード
: Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか
言語学をネタにしたプロレスエッセイのようなエッセイでした。
著者のプロレス愛が深く感じられる内容でしたが、プロレスがTV中継されていた時代を知っている竹蔵の世代とプロレスがオタク化した後の世代では多分読んだ印象は異なるのではないかと推測していますが、はてさて本当にそうなのか?
言葉の曖昧さに関してのエピソードも多く、改めて言葉は生き物であり日々変化していっていることを再認識しました。
副題の「絶対に押すなよ」はダチョウ倶楽部の上島氏がまだご健在だったころに着けられたサブタイトルと推測できますが、ちょっと物悲しさを感じた竹蔵でした。
ところで「バーリ・トゥード」ってなんだっけ・・・
竹蔵 -
Posted by ブクログ
日常に溢れる表現を言語学的に(硬くなく)紹介・解説してくれているいわばエッセイ。小説とかと比べれば文体もラフな感じでご自身も意識して描いているのだろう、とても読みやすかった。
昭和プロレスは全く齧ってないけど、ネタとして知られてるところの話も面白く書かれてたし、「恋人がサンタクロース」のタイトルの違和感、藤波辰爾の「ドラゴン」という愛称が普及した理由、「主語デカ」の話など、過去から現在の時事にも触れてるので、「なるほどなぁ」と実感しながら読んでいた。
違和感とか疑問って感じで調べたり考えたりするのが面白いっていうのも改めて感じた。
川添さんの言語学バーリ・トゥードは2もあったはず。そっちも読みたい。 -
Posted by ブクログ
最初のところを読めばわかるが,言語「学」を論じた言語学について学べる書籍ではなく,あくまでエッセイなのでお間違えなく.使われている言葉も「五年ぐらい着古したパジャマ兼部屋着のスウェット上下」なので,家でスマホをいじる代わりに1節読んでみるくらいの気分で読むと良いと思われる.
連載企画が「なんでもあり」ということから,その名の通りのポルトガルの格闘技「バーリ・トゥード」を名に冠す.言葉を専門にされている人が普段どういう観点で世の中にある言葉を見ているのかが垣間見える.なお言語学者のエッセイは吉岡乾氏による「フィールド言語学者、巣ごもる。」でもそうでしたが,なぜか脚注が多い.
ゆる言語学ラジオが好きな方は楽しめると思います.
個人的に興味があった項を少し:
・7「一般化しすぎる私たち」より,述語により主語を一般化して見てしまうものとそうでないものの違い
・11「あたらしい娯楽を考える」より,変な文探し