あらすじ
文学、映画、アニメ、漫画……でひときわ印象に残る「名台詞(せりふ)=パンチライン」。この台詞が心に引っかかる背景には、言語学的な理由があるのかもしれない。ひとつの台詞を引用し、そこに隠れた言語学的魅力を、気鋭の言語学者・川添愛氏が解説する。
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Posted by ブクログ
「パンチライン」とは名セリフのことです。
誰もが知っている主に漫画作品を主に、その作品の
名セリフを日本語の言語学観点から考察するのが
本書の内容です。
しかし本書の面白さはそれだけではありません。
その作品のキモとなる部分の解説には、
思わずクスりとさせられるツッコミがあり、
「そういえばそんな場面があったなあ」と思い出に
浸ることもできます。
あの「タッチ」の朝倉みなみによる「めざせ、
カッちゃん、甲子園」はなぜ、「カッちゃん、
目指せ、甲子園」ではないのか。
意味としては後者の方が通じるのになぜ?
ガンダムの終盤に登場するジオングの整備士は
ジオングの脚がないことについて、「偉い人には
それが分からんのですよ」というセリフが
ありますが、実は映画版では最後の「よ」が
消えているのです。
この「よ」があるのとないのとでは、観る側に
どのような印象を与えるのか。
などなど無意識に使っている日本語の奥深さを
学ことができる一冊です。
Posted by ブクログ
マニアックなとこから引用してきてる名台詞なのに、解説されるとなるほどと不思議と納得してしまう。
言語学から見ると、そういう視点なのか、というのもあり本書を通じて新しい見方を教えてもらった気がする。
「よ」の使い方が多彩すぎることもびっくりだったし、「怒りをぶちまける人間と倒置法は実に相性が良い」という文章にもニヤニヤしてしまった。
Posted by ブクログ
相変わらず面白い。
もちろん言語学の話も分かりやすい。
特に「よ」の話。
今回はプロレス度合いは少ない。
ところどころにあるパワーワードが素晴らしい。
星屑ロンリネスな人材とか、パルプ・フィクションの合いの手の話とか、「刃牙モノマネ」とか。
でも、最強は『北斗の拳』だわ。
Posted by ブクログ
『わかってもらうということ』を書いた同じ著者とはとても思えないし、本当はわからない人にわざわざわかってもらう気がなさそうなマニアックなことを、わかりやすく書いているからタチが悪い。言語学バーリトゥードよろしく、お願いしますね、2巻、3巻と。
Posted by ブクログ
面白かった〜!川添さんのツッコミが面白い。エンタメ的に楽しく読めるし、言語学的な初めて知る知見もありで知識としても楽しめる本でした。北斗の拳を読んだことないのに北斗の拳のくだりが最高だった〜あとパルプフィクションの格好良さをしみじみ感じました。みてないコンテンツがかなり多かったけど全然楽しめる本。楽しかったので気になってた川添さんの前の書籍も買っちゃった!楽しみ〜
Posted by ブクログ
漫画、ドラマ、映画などの名ゼリフを言語学の観点から眺めてみると…。著者がほぼ同世代なため、取り上げた作品のほとんどに親しみがあり、聞き覚えのあるセリフばかりで、むちゃくちゃ面白かったよ。
Posted by ブクログ
言語学的な方法論で、日本語を論じているわけですが、松岡正剛的な視点も感じるわけです。あと、國分効一郎の中庸態とか本多さんとか。そしてそれをpop cultureに適用するってのがもうなんか平安貴族域に達す。みたいな。
Posted by ブクログ
改めて、言語は奥深いと思った。
本書で紹介されたパンチライン、実はほとんど知らない。
だけど面白いんだよねえ。
解説を読みながら「確かに」「分かるなあ」を連発してしまう。
特に《よ》と《こそあど》の話は学習意欲が刺激される。
普段から使っている言葉の意外な性質を知るのは本当に楽しい。
Posted by ブクログ
<目次>
略
<内容>
「パンチライン」=マンガや映画などの「名ゼリフ」のこと。言語学者の著者は、本はもちろん、マンガやアニメ、映画もけっこう鑑賞されているらしい。あまりピンとこないパンチラインを紹介している(言語学的な分析が必要なせいかもしれない)。「Web TRIPPER」に連載の記事を加筆したもの。まあ人によって、マンガなどの面白いところは違うし、心に残るシーンも違うので、こうした本は斬新だ。全体的に言語学的な分析が薄い気はするけどね。