川添愛のレビュー一覧

  • 働きたくないイタチと言葉がわかるロボット

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    ネタバレ

    言葉がわかるロボットを作って、楽したい!

    人工知能が言葉を理解しているとはどういうことなのか。言葉がわかるロボットを作って、自分たちの代わりに働いてもらおうとするイタチたちの物語と一章ごとの解説で、それがどれだけ難しいことかを説明する本。言語学を外国語教育の方面からかじっていたので、イタチたちほど自分は愚か者じゃないと思いつつ、「言葉を理解する」の想像以上の深さにあらためて驚く。

    ChatGPTの精度が色々言われているが、大量のデータを集めていても元になっているデータに間違いがあると吐き出した結果も間違うことがある。だからすべてロボットに任せることはまだできない。判断は人間がする。またすべ

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    2024年05月03日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    人によって、文章を読むと捉え方が違う。そのパターンを丁寧に解説した本。SNSやインターネットが普及した昨今、いわゆる「どちらにも意味がとれる」内容で炎上沙汰になった(炎上を見た)ケースが多くあるだろう。書いた人はそんなつもりじゃなかったのに、といった言葉足らずというより情報の不足だったり、日本語独特の句読点の切り方だったり。自分もLINEやメールを送る時に、客観的に読み返してあいまいな文章になっていないか、話し言葉で説明するときに情報は足りているか、注意するように気をつけようと思う。事例がとても良い。アンジャッシュのコントなどわかりやすく巧みな「誤解を引き起こす」例が用いられ、読み進めていてと

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    2024年04月29日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    私たちがふだん何気なく使う言葉には、「曖昧さ」の要因がいくつも重なり、複数の解釈が生み出されている
    そのことで、ものの考え方は変わらないのに、解釈の違いだけですれ違うことも少なくない

    曖昧さによる言葉のすれ違いを防ぐには、まず3つ。
     ・短い言葉には、一言か二言でも情報を追加すると正しく伝わる可能性が高くなる
     ・言いたいことを予測してもらうために、文脈の影響を考慮する→一番重要なことはできるだけ早く言う、接続詞を適切に使う
     ・重要な文書の場合は、公開する前に第三者に見てもらう

     簡潔に正しく情報のやりとりができることはとても大事
     曖昧さがあることで、遊び心が生まれていることも大事

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    2024年04月23日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    『言語学バーリ・トゥード』の川添愛さんがヤングに向けて放つ日本語ムズカシイ本。

    ほんと、難しい。素直にそう思う。
    音声よりも文字のコミュニケーションが増えてますますそう思う。
    だいぶ司馬懿が勝った本ではあるが、それがいい。
    ↑誤字じゃないよ

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    2024年04月03日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    普段何気なく話している言葉
    こうやって解説されると、なんて複雑!
    それを自然と使い分けたり理解してる私たちってすごいな。
    とはいえ、ここに書かれているように言葉の曖昧さからくる誤解はたくさんあり、そこから大きな問題や行き違いになってしまうこともあることでしょう。
    言葉を選ぶ時、他に解釈されないかな?ちゃんと伝わる言葉かな?ということを意識していこうと思いました。

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    2024年03月29日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    おもしろかった。日頃から、これどっちの意味にも取れるな?とメール文を書き直したり、届いた内容に複数解釈を想定してどのパターンなのか悩んだりしていたことや、英語学習の中でいかに日本語には主語が省略されるかなどを感じていたので、構造の説明を明確に見ることができて非常にすっきりした。とはいえ、曖昧だからこその面白さや味もあるから、日本語は奥深い。

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    2024年03月27日
  • ヒトの言葉 機械の言葉 「人工知能と話す」以前の言語学

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    ・AIがどうやって言語処理を行なっているか、そもそも人間はどうやって言葉を操っているか等について書かれた本だった。

    ・言語処理に使われている機械学習と深層学習について一番初歩的な理解はすることができた。
    機械は人間とは全く異なる方法によって翻訳、要約、対話等を行なっていて、人間にもその過程は分からない。なぜならニューラルネットワークという無数のパラメーターを持つ関数をAIが作り出しているから。

    ・言語AIが人間にとってブラックボックスになる以上、その使い方には細心の注意を払う必要がある。また、AIが出した結果が正しいかどうかの判断は人間が行う必要がある。

    ・現在の言語AIがWebサイト等

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    2024年02月03日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    笑える読み物として単に面白いし、ネタ的にいろいろ懐かしくもある。内容的には、自虐話への応答について考察した第8章や前提がらみの問いかけの怖さを説いた第9章あたりが印象に残っている。

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    2024年01月30日
  • 聖者のかけら(新潮文庫)

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    ミステリーとしてかなり面白いが、やはり宗教の部分にとっつきにくさがある。
    しかし、人物像の細かさや投げかけられる問いのわたしたちへの親和性が物語へ繋いでくれる良作。

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    2024年01月08日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    タイトルに期待すると裏切られる(言いすぎか)
    言語学をネタにした抱腹絶倒エッセイといった感じ。読書の入口がエッセイで今は語学が趣味の自分にとっては最高の一冊だった。Round 2にも期待したい。

    追記: 素人の自分には分からないだけで、他の書評を読むと言語学の専門的知見は随所に張り巡らされているらしい。

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    2024年01月07日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    言語学を話しのキッカケにしつつ、面白いことを書いている本。学問への興味が少しくすぐられる感じはあるけど、単純に読み物として面白いという感想の方が強い。

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    2023年10月27日
  • ヒトの言葉 機械の言葉 「人工知能と話す」以前の言語学

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    AIが「言葉を理解する」ということの意味を、平易な言葉で説明している。最終的には人が言葉を理解するとはどういうことなのか、言葉の意味とは何か、という問題に行きつく。人が言葉を判断する時は、辞書にある意味だけでなく、常識や文脈、状況やその言葉を発している相手が属している文化などを全体として理解しているから、言葉の単独の意味が分かることだけでは人間と同様の理解にはならない。
    AIの中身がブラックボックスである以上、その性能は「振る舞い」で評価するしかない、と著者。チューリングテストと同じだ。受け手が「人間だ」と感じる程の振る舞いをすること。中身を「理解しているか」とは別問題だ。でもそれは人間同士に

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    2023年09月19日
  • 働きたくないイタチと言葉がわかるロボット

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    「言葉がわかる」とはどういうことかを、物語形式で段階を踏みながら丁寧に追っていくことができる1冊。
    また、言語化や機械化、システム化とは何か、についても考えさせられる良著だと思います。
    章ごとに「物語+解説」という構成も、この本には適していると思います。

    個人的に最も「なるほど」と思ったのは、文(文章)の「意味」と「意図」の違いの話。
    「意図」を読み取れない人との会話は、苦労することも多い一方で、あえて「意味」と「意図」を変えることで相手の反応や本心を試す、なんてこともやっていたりします。

    理論言語学や自然言語処理に興味があるけど、どこから手をつければいいのかわからない、という人には、この

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    2023年09月12日
  • 数の女王

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    数学ファンタジーって珍しいなって思って読みはじめたら、横書き!読みなれないな~って最初は感じたけど、なるほど横書きじゃないと数字並べるの大変よね。

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    2023年07月31日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    書きっぷりがざっくばらんで楽しい。個人的にカラマーゾフの兄弟を再読中故、合間の”休憩読書”にぴったりだった。寝る前とか休日一気読みに向く一冊。
    日本語の文章における修飾先の曖昧性とか、誘導尋問に使われるような、文章が持っている「前提」の話、会話の中の言葉を相手が知っているかどうか、知っていたとしても、相手が知っていることを前提に話してしまっていいのかどうかという「相互知識のパラドックス」など、軽く流し読みできるネタ満載。東京大学出版会の月間冊子「UP」掲載文をまとめたもの。

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    2023年07月01日
  • コンピュータ、どうやってつくったんですか? はじめて学ぶ コンピュータの歴史としくみ

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    コンピューターの仕組みが視覚的にも内容的にも分かりやすく書かれていて、勉強になった。2進法を活用すれば複雑なコードを組んでいけるし、バリエーションも増える。数という概念を数字で表現する概念も興味深かった。

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    2023年06月10日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    勧めてもらっていた本をようやく。
    副題の「AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか」が本作を端的に物語っている。大変面白かった。

    最初は、東大出版会さんの本をこんなに気軽に読めるなんて…と、なんか感動。
    教科書として以外では初めてかも。

    目から鱗だったのはこちら。

    「フィールドワークの場合、調査対象の言語の話者たちが交通の便の悪い土地に住んでいたりすると、そこに行くまでの中継地点に長期滞在することもあるため、その地域のメジャーな言語を使う必要も出てくるという。さらに、調査対象の言語がごく内輪でしか話されないものである場合、相手の人たちと相当仲良くならないと調査ができないというはなしも聞いた

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    2023年04月15日
  • 私たちはAIを信頼できるか

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    GPT3についても言及されている(多分この本が出た時はまだネットニュースとかに掲載されていなかったと思う)。ゲームでは味方のAIにユーザーは厳しいとか各界からの意見が面白い。
    インタビュー中も様々な本が出てくるが巻末でも要約した感じでお勧め本が紹介されているのはありがたい。
    人工知能におけるフレーム問題は中田敦彦のYouTube動画でも取り上げられていたが正式に初出が分かったのが良かった。

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    2023年03月28日
  • ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)

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    理論言語学の知見から日常の会話のちょっとした違和感を読み解くきっかけを与えてくれる。
    例題とそれに対応するメソッドを組み合わせてしかも豊富に提示してくれていて興味が尽きない読中感。

    情報量が多くて少し頭を使うが、筆者の言語学を一般の人たちにも親しみを持ってもらいたいという気概がびしびし伝わって気持ちがいい。

    それぞれの方法の説明は割愛しますが、筆者のような引き込む力のない文章では退屈させると思うので、是非読んでみて欲しい。そう思うのです。

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    2023年03月21日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    言語学にまつわるあれこれを書いた、カロリーの高いエッセイ集。東京大学出版会のPR誌「UP」に連載したものがベースとなっている。

    「この『UP』は比較的安心して好きなことが書けるガンダーラのような場所だ。『UP』の読者の皆様はインテリがジェンスしている人たちばかりだから(←過剰一般化)、少しぐらい変なことを書いても許してくださるだろうと完全に油断しているのだ。」
    という調子。

    連載の第1回が「『こんばんは』事件の謎に迫る」で、いきなりラッシャー木村の有名な「こんばんは」分析だ。
    そのほかにもプロレス界隈の有名フレーズが多数出てくる。
    同世代人としてフレーズが流布していることは知っていても由来

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    2023年03月18日