あらすじ
[「結構です」→YES NOどっち? 「それですね」→どれやねん 「この先生きのこるには」→先生! こうして誤解は広がっていく] 「冷房上げてください」「大丈夫です」。言葉には、読み方次第で意味が変わるものが多々あり、そのせいですれ違ったり、争ったりすることがある。曖昧さの特徴を知り、言葉の不思議に迫ろう。 【目次】1 「シャーク関口ギターソロ教室」――表記の曖昧さ/2 「OKです」「結構です」――辞書に載っている曖昧さ/3 「冷房を上げてください」――普通名詞の曖昧さ/4 「私には双子の妹がいます」――修飾語と名詞の関係/5 「政府の女性を応援する政策」――構造的な曖昧さ/6 「2日、5日、8日の午後が空いています」――やっかいな並列/7 「20歳未満ではありませんか」――否定文・疑問文の曖昧さ/8 「自分はそれですね」――代名詞の曖昧さ/9 「なるはやでお願いします」――言外の意味と不明確性/10 曖昧さとうまく付き合うために
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Posted by ブクログ
日本語について、なるほど!と思うことがたくさんある。
話の流れや文脈で、日本人はこれを普通に使い分けている。
「の」の使い方、自分では全く意識していなかったが、いろんな意味がある。
改めて日本語について考えることができて、面白かった。
Posted by ブクログ
言葉というものはそもそも曖昧性を含んだものであり、それを理解して使うことが大切である。ということを再認識させてくれる本。
内容はいたって平易で当たり前ともいえるものかもしれないが、発言者の意図と受け取った側の解釈が食い違ってしまう可能性がある多くのパターンを一覧できるところに価値があると思う。
自分の言ったことに別の解釈がありうるかもしれない、相手はもしかしたら違う意図で書いているのかもしれない、と少しでも思いを馳せることで避けられるような諍いも多くあるのではないかと思う。
読みやすい本なので、たくさんの人に読んでほしい。
Posted by ブクログ
かの有名が「頭が赤い魚を食べる猫」をはじめとして、日本語のあいまいさをこれでもかと取り上げ、わかりやすく解説してくれる一冊。新書でこのサイズにおさまるのが素晴らしい。なるべく誤解を避けようとして頻繁に推敲する自分のような人間以外にもなるべく読んでほしいのだが、そもそも言語に興味がない人が手に取るはずもなく、果たしてどれくらい届くのやら。
Posted by ブクログ
最初は 漫才の話 掛け合い言葉の話かと思った 本書の中にも出てくるが 今でも 漫才のネタとしてあるのではないか?
言葉を区切る位置を変える 誰かという表示も 省略する それだけで全く 異なる意味で伝わることになる
読み進めて 行くと 次に 思い出すのが ニュースピークの話 (ジョージオーウェル
言論統制することは 思考の自由を奪うことである いいか悪いかの判断は難しいのだが 言葉は時代とともに変化する
終盤にいたり 著者はコンピューターの言語学者 AI に関与しているのだということがわかる
ここでは曖昧さがあってはいけない世界である 言い間違いの偶然はありえない それは意図したものである
言葉を間違えて伝えること理解することはとても人間らしいと思う 反面 場面と場所により 使い分ける技が必要かなと思える
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「明明白白」に対する「曖昧模糊」こそがことばの宿命だという言語学者川添愛。私たちが何気なく使っていることばの曖昧さを分類し例示する本書はさすがバーリ・トゥード。頭の中が整理されたというよりはかき回された感じ。
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身の回りの事例を広く拾い集めて、わかりやすく言葉の曖昧さについてまとめてあった。「広く」の範囲もずいぶんなもので、日常会話からネットミーム、芸人のネタ、戯曲まで、川添氏の守備範囲が本当に広い。日常に潜む言語の曖昧さは「ワハハ」「おい」「いやいや」と、適当に流すか、流さなくても説明できないことが多いのだが、これは教科書にできるレベルにわかりやすい。
Posted by ブクログ
いやぁ、大変面白く読ませてもらいました。
インパクト抜群の、「この先生きのこる」のイラストの帯。
私個人が日頃から思っている、「大丈夫」の使い方。
この本、学校の教材として取り上げてほしいくらいです。
昨今のSNSでも、言葉足らずのために誤解が生まれたり、議員さんたちの妙な言い回しのために誤解が生じたりなどと、さまざまなケースがあり、日本語自体もここ数年で大きく変わりつつあると実感していたところに、この本です。
「あいまい」は決して悪くはないけれども、使い方を工夫したり誤解を生まないように言葉を補足したりすることが大切なのだと、教えてくれました。
私自身も「書く」ことが好きですが、言葉を増やしたり減らしたり推敲を重ねながら書くように心がけてはいますが、果たして他の方に、自分自身が意図した通りの意味が届いてるのやら、不安になりますね。
とても好感が持てたことが一つ。
色んなケースを紹介してくださっているのですが、著者自身の失敗談を取り上げていることが多く、モノを書いてらっしゃる方でも、こんなふうに誤解したり、あるいは誤解を生じさせたりということがあるのだ、と書いてくださっていること。
「きのこ先生」と、「頭が赤い魚を食べる猫」には大笑いしました。
しかし、日本語ってホント、難しいですね。笑
Posted by ブクログ
日常にありふれている日本語の表記を使って、言語学をわかりやすく、興味深く解説してくれている。川添さんは語学に対していい意味でミーハーなんだな、と思える。それが親近感に繋がって一気に読めた。
Posted by ブクログ
あいまいでいい場合と困る場合があると思う。前後の文脈で推測できればいいが、そうでない場合は困ってしまう。できるだけ率直に、伝わるコミュニケーションを取っていきたいと思った。
Posted by ブクログ
読み物としても研究書としても頗る面白かった!
日本語文法の視点から、誤解を生むような(複数解釈が可能な)文の分析をしていく
意味が曖昧な文は避けるべきだが、それを敢えて楽しむ余裕もあった方がいいのだろう
Posted by ブクログ
日本語のあいまいな表現を様々な事例で例証している.「頭が赤い魚を食べる猫」が5通りの解釈ができる由.面白い.あいまいな話し方については、おばさん言葉が良い例だと感じている.結論を言うまでに、長々と 〇〇だけど、〇〇なんで、〇〇もあり、・・・と続くのをよく耳にする.勘違いが多く、この本で解説されていることを学んでほしい.
Posted by ブクログ
著者の既出の著作とやや内容が被る部分もあるが、新書としてコンパクトにまとまっている分、読みやすく、充分に楽しめた。例が具体的で丁寧な解説が付いていることに加えて、ユーモラスな表現が随所に散りばめられて思わず「くすっ」となる癒しの要素も満載。「おわりに」の章で曖昧さは日本語だけに生じる特性ではない、という補足にも思わず首肯した。
Posted by ブクログ
人によって、文章を読むと捉え方が違う。そのパターンを丁寧に解説した本。SNSやインターネットが普及した昨今、いわゆる「どちらにも意味がとれる」内容で炎上沙汰になった(炎上を見た)ケースが多くあるだろう。書いた人はそんなつもりじゃなかったのに、といった言葉足らずというより情報の不足だったり、日本語独特の句読点の切り方だったり。自分もLINEやメールを送る時に、客観的に読み返してあいまいな文章になっていないか、話し言葉で説明するときに情報は足りているか、注意するように気をつけようと思う。事例がとても良い。アンジャッシュのコントなどわかりやすく巧みな「誤解を引き起こす」例が用いられ、読み進めていてとても楽しかった。
Posted by ブクログ
私たちがふだん何気なく使う言葉には、「曖昧さ」の要因がいくつも重なり、複数の解釈が生み出されている
そのことで、ものの考え方は変わらないのに、解釈の違いだけですれ違うことも少なくない
曖昧さによる言葉のすれ違いを防ぐには、まず3つ。
・短い言葉には、一言か二言でも情報を追加すると正しく伝わる可能性が高くなる
・言いたいことを予測してもらうために、文脈の影響を考慮する→一番重要なことはできるだけ早く言う、接続詞を適切に使う
・重要な文書の場合は、公開する前に第三者に見てもらう
簡潔に正しく情報のやりとりができることはとても大事
曖昧さがあることで、遊び心が生まれていることも大事
言葉って楽しいもの、面白いものと感じられるのは、言葉について回る「曖昧さ」があるからなんでしょうね
Posted by ブクログ
『言語学バーリ・トゥード』の川添愛さんがヤングに向けて放つ日本語ムズカシイ本。
ほんと、難しい。素直にそう思う。
音声よりも文字のコミュニケーションが増えてますますそう思う。
だいぶ司馬懿が勝った本ではあるが、それがいい。
↑誤字じゃないよ
Posted by ブクログ
普段何気なく話している言葉
こうやって解説されると、なんて複雑!
それを自然と使い分けたり理解してる私たちってすごいな。
とはいえ、ここに書かれているように言葉の曖昧さからくる誤解はたくさんあり、そこから大きな問題や行き違いになってしまうこともあることでしょう。
言葉を選ぶ時、他に解釈されないかな?ちゃんと伝わる言葉かな?ということを意識していこうと思いました。
Posted by ブクログ
おもしろかった。日頃から、これどっちの意味にも取れるな?とメール文を書き直したり、届いた内容に複数解釈を想定してどのパターンなのか悩んだりしていたことや、英語学習の中でいかに日本語には主語が省略されるかなどを感じていたので、構造の説明を明確に見ることができて非常にすっきりした。とはいえ、曖昧だからこその面白さや味もあるから、日本語は奥深い。
Posted by ブクログ
「ことば」ってのは誰もが使うし、誰もが理解していると個々に思っている。
では自分が使う「ことば」が他人にも、自分と同じように受け止められるかというと、とても怪しい。そもそも「ことば」って曖昧なもの。いろいろな例が紹介されているけど、著者の理解とほとんど合致しない。「学者先生の理解って偏っているなぁ」と思って、家人にも聞いてみたら、自分だけが異なる理解をしていたことに気付かされる。やれやれ。
Posted by ブクログ
一つの文章で、複数の意味が読み取れるもののことなどが、豊富に紹介されています。
「あるある!」と思う例えばかりで、言葉を発するときには気をつけていこう、と思いました。
Posted by ブクログ
あいまいで誤解されやすい表現を集めて、どうして誤解されちゃうのかを解説した本。
面白い例文とともにどうして誤解が生まれるのかを丁寧に&優しく解説してくれるので、リラックスして読めた。読んでる間中、「でもこれって文脈によってわかる(誤解は生まれない)もんじゃないの…?」と思ってたら、最後に「文脈に大きく左右される」というようなことが書かれていてすっきり。
Posted by ブクログ
まず、本文を、ちょびっと引用させてもらいます。
「私たちが発する言葉のほとんどは曖昧で、複数の解釈を持ちます。しかし、私たちはなかなかそのことに気がつかず、自分の頭に最初に浮かんだものを「たった一つの正しい解釈」と思い込む傾向があります。」
~中略~
「言葉のすれ違いを察知し、ある程度の対処ができるようになるには、言葉を『多面的に見る』ことが必要になってきます。」
「その際に役立つのは、曖昧さがどういうときに起こるかについての知識です。」
さて、みなさんは、次の文章をどう解釈しますか?
『あなたのように文章が上手ではない人は、どうしたらいいんでしょうね」
これ、褒められてますか? けなされてますか ?
『21日、24日、25日の午後が空いています。』
これ、3日間とも午後だけ空いているという意味でしょうか?
それとも、21日と24日は午前も午後も空いていて、
それに加えて、25日は午後だけは空いている、という意味でしょうか?
古典的な例ですが、ある場所に『ここではきものをぬいでください』という紙が貼ってあったとします。
この場所で脱ぐのは、「着物」でしょうか? 「履物」でしょうか?
この本には「曖昧さがどういうときに起こるか」の例が、豊富に紹介されています。
わたしが実際に言われたことのある例も載っていました。
①『私には双子の妹がいます』 この人には、何人の妹がいるでしょう?
②『お医者さんの奥さん』 奥さんが、お医者さんってことなの?
みのりが好きなみんなに この本をオススメします。
さて、みのりが、この本をオススメしたい人とは、
みんな(全員)でしょうか?
それとも、みのりのことを好きだと思ってくれている人だけでしょうか?
そこは、あいまいにしたまま終わりましょうw
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『言語学バーリトゥード』で人気を博している著者が、「一つの文章で複数の(時には矛盾する)解釈ができる文章」についてその原因や構造を分析している書籍です。
エッセイではなく評論なので、「読みやすさ」という部分では少しとっつきにくいところもあるかもしれませんが、修飾語のかかり方によって同じ文章でも様々な解釈の可能性があることを丁寧に解説していて作文や発表の際の参考にもなると思います。
文体は平易で中学生から読むことが出来そうですし、章末には「練習問題」も掲載されていて言語学への入門書としても良いと思います。
Posted by ブクログ
どちらにでも取れる文章というのは日本語には存在する。「の」でなんでもくくれてしまったりする。
それを聞き手が言い手の思い通りに受け取るには、文章を削ぎ落とすか、文章を分けたり言い方を変えたり、情報を出す必要がある。
どちらにせよ、文章からある程度瞬間的に正しい答えが導き出せている私は問題ないが、万人に理解してもらうためにはこの様な努力も必要ということ。
例えば「頭が赤い魚を食べる猫」は5つの解釈が考えられるらしい。③と④と⑤は厳しい気がするが。
①頭だけが赤い魚 を食べる猫
②魚を食べる 頭の赤い猫
③頭が 赤い魚を 食べる 猫
④(ある人の)頭が 赤い魚を食べる猫(だ)
⑤(ある人の)頭が 赤い 魚を食べる猫(だ)
Posted by ブクログ
言葉は曖昧だから、面白い。
書き言葉だけでなく話し言葉も含めて、語の修飾関係などに注目して、例を挙げながら解釈のすれ違いが起こる原因を説明している。文の構造を言語学で習っていると、そうそう、と分析するけれど、確かに意味の図が何通りも書ける文章はよくある。
人間は自然とあり得ない意味の選択肢を排除していく。しかしこれは人工知能にはどのくらいできるのだろうか。寡聞にして人工知能が「僕はうなぎだ」をどのように処理するのかは知らないし、この本の範囲とはズレてしまうから特に書いていなかったけど、ふと思いついた。
誤解がないように伝えるには、をまとめているのが最後の章である。長すぎても短すぎても伝わらない。しかしコミュニケーションの工夫としてここに取り上げられている文の作り方を知っているのは大きいと思った。自然とできるという人もいるかもしれないが、暗黙知を言語化するのは大切なことなのである。
Posted by ブクログ
文章を読んでて、う?と思い読み返す、あるいは?のまま読み続ける際の?という曖昧さを整理した本。川添さんの前作「言語学バーリトゥード」が面白かったので、手に取りましたが、おふざけが少なかったのでちょっと残念。一瞬プロレスのネタ出てきましたけど。もう少しおふざけ欲しかったです。
Posted by ブクログ
タイトル通り、日本語の曖昧さについて、豊富な例に基づいて紹介している。日常にある表現を例にしているので、あるあるネタのようで面白く読めるし、また、例題もあり、理解が深まりやすい。
たくさんの例を紹介しているが故に、一つ一つの現象については、比較的簡単な解説となっているし、専門用語も極力使わないようにしているようなので、全体に言語学への入門の一歩手前の本という感じ。欲を言えば、現象への理解を深めるために、次に読む本が紹介されたりしてると良かったか。
レポートや書類を作るときに、気をつけるべき曖昧な表現を考えるのに役立ちそうなので、そういう視点でも読んでもらいたい。