あらすじ
[「結構です」→YES NOどっち? 「それですね」→どれやねん 「この先生きのこるには」→先生! こうして誤解は広がっていく] 「冷房上げてください」「大丈夫です」。言葉には、読み方次第で意味が変わるものが多々あり、そのせいですれ違ったり、争ったりすることがある。曖昧さの特徴を知り、言葉の不思議に迫ろう。 【目次】1 「シャーク関口ギターソロ教室」――表記の曖昧さ/2 「OKです」「結構です」――辞書に載っている曖昧さ/3 「冷房を上げてください」――普通名詞の曖昧さ/4 「私には双子の妹がいます」――修飾語と名詞の関係/5 「政府の女性を応援する政策」――構造的な曖昧さ/6 「2日、5日、8日の午後が空いています」――やっかいな並列/7 「20歳未満ではありませんか」――否定文・疑問文の曖昧さ/8 「自分はそれですね」――代名詞の曖昧さ/9 「なるはやでお願いします」――言外の意味と不明確性/10 曖昧さとうまく付き合うために
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
言葉は曖昧だから、面白い。
書き言葉だけでなく話し言葉も含めて、語の修飾関係などに注目して、例を挙げながら解釈のすれ違いが起こる原因を説明している。文の構造を言語学で習っていると、そうそう、と分析するけれど、確かに意味の図が何通りも書ける文章はよくある。
人間は自然とあり得ない意味の選択肢を排除していく。しかしこれは人工知能にはどのくらいできるのだろうか。寡聞にして人工知能が「僕はうなぎだ」をどのように処理するのかは知らないし、この本の範囲とはズレてしまうから特に書いていなかったけど、ふと思いついた。
誤解がないように伝えるには、をまとめているのが最後の章である。長すぎても短すぎても伝わらない。しかしコミュニケーションの工夫としてここに取り上げられている文の作り方を知っているのは大きいと思った。自然とできるという人もいるかもしれないが、暗黙知を言語化するのは大切なことなのである。