【感想・ネタバレ】働きたくないイタチと言葉がわかるロボットのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年06月23日

人の言葉をわかるロボットをイタチが開発する話である。
言葉を理解することについてわからせることで、人工知能と言語の問題を明らかにしている。
問題提起にはいいであろう。

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Posted by ブクログ 2021年01月01日

面白く学びも多かった。私のいる業界では、自然言語処理の認識が大変大雑把で、ビックデータを統計的に処理する、と言ったフレーズでなんとなくなんでもできてしまうことになっていたが、決して深入りせずもう一段ブレークダウンできた感がある。私の関心は言語のAI的応答よりも言語そのもののの構造や在り方の方にあるが...続きを読む、自然言語処理と言語学にまたがる説明により使われ方や課題がわかりやすく提示されているので、とてもよくわかった。
寓話的な本の作りは当初やや子供向けかなとネガティブに思っていたが、結局理解の助けになった。著者には感謝しかない。

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Posted by ブクログ 2020年10月20日

「AIによって仕事がなくなる」「10年後に消える職業」
そんな言葉を何度も耳に・目にしてきました。
私は替えのきかない仕事というわけでも、ポジションというわけでもなく、そういった言葉に危機感をよく覚えていました。
とって代わられないためにも、という気持ちからAIについて知ることから始めよう、と何気な...続きを読むく書店で見かけて惹かれたこの本を読むことにしました。

表紙や挿絵から伝わる絵本のようなとっつきやすい雰囲気が、AI分野にしては珍しく、初心者の私でも読めるかもしれないと思え手に取りました。
専門的な用語ばかり並んで素人は読み進めるのも難しいということがなく、絵本パート・説明パートと分けた構成になっており、なんとか読み切ることができました。

絵本のような語り口のイタチたち動物が出てくる物語のパートは、易しい文章で書かれていますが、AIについて深く理解している方でないとここまでわかりやすく読み易い物語調の文章は書けないと思います。
AIが言葉を理解するには、について順々に展開していきます。
いきなり情報が大波のように襲い掛かってくるのではなく、ひとつずつ「言葉の聞き取り」「おしゃべり」「知識」などフォーカスしていくことで、ひとつずつゆっくり理解していくことができます。
各物語パートの次には説明パートがあり、そこでは論文を引用した専門に近づいた説明がされていますが、そこも極めてわかりやすく、を意識して書かれていると思えます。
例えばディープラーニングとは何か、と言ったように。

AIについて現実に即した知識は私にはなく、映画や漫画などフィクションの世界で見るロボットの進化が凄まじく、人間が乗っ取られることがやけにリアルに思えていました。
でもこの本を読んで、計算が速いことと言語を理解できることは全く別で、人間の脳は、「言葉がわかる」点においてはAIよりも圧倒的に優れていることがわかりました。
逆に、なぜ人間がここまで言葉を理解することができるのか、AIに学習させる手間暇を知り不思議に思えたくらいです。
AIに言葉を理解させようとしてきた研究者の方々の苦労がいかに大変だったか、この本を読んで一端だけでも知ることができたと思います。

このように、今までよく知らず、なんとなくの印象で思っていたことが実際は違っていた、ということに気付けただけでもこの本を読んで良かったです。

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Posted by ブクログ 2020年10月01日

装丁と挿画とタイトルに惹かれて読み始めました。
人工知能についての知識がなくても、言葉に興味があればスッと読めると思います。
一言で言えば、言葉を理解するってどういうことなのか?が書かれています。
何でもできるロボットが作れれば、働かなくて良くなるんじゃない?と考えたイタチ達が、機械に言葉を理解させ...続きを読むられるよう(かなり他力本願に)取り組む物語パートと、解説パートが交互に続きます。
普段から他人に言葉で伝えるのは難しいと感じていたけれど、人間は想像以上に複雑なプロセスを経て言葉を使っているんだと改めて認識しました。他人の意図を推測するなんて、そりゃ機械にやらせるのは難しいよね、人間だってしょっちゅう間違えるのだし。(「暑いですね」と単なる世間話のつもりで言っても、「冷房付けますね」と気遣わせてしまうので本当に色んな人に申し訳なく思ってしまう......)
スマホに「○○に行きたい」といえば経路が出て来るのも、実はものすごく色んな人の研究や苦労があって出来ている機能なのだろうなと、あらためて言葉の奥深さ、面白さを感じました。

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Posted by ブクログ 2020年03月15日

人工知能の仕組みを「言葉が分かるとはどういうことか」という観点から、物語を通じて教えてくれる本。理論言語学と自然言語処理は似て非なるものであり、我々が想像している以上に、ロボットが言葉を分かるようにするためには沢山の条件が必要である。まさに、人間とロボットの違いであると言える。

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Posted by ブクログ 2019年03月14日

言語処理について書かれている.
言葉の意味について考えさせられる.
イタチが言葉が分かるロボットを作る話と技術的な解説が交互に述べられいて非常に読みやすく,そして興味深い本だった.

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Posted by ブクログ 2019年01月11日

働きたくないイタチたちが、いろんな動物たちを巻き込みながら、「何でもわかるロボット」の開発に悪戦苦闘するストーリーを追いながら、AIなど言葉を扱う機械の仕組みを解説しつつ、「言葉が分かるとはどういうことか」という問題を考えていく。
AIなど言葉を扱う機械の基本的な仕組みとその課題、そして「言語が分か...続きを読むるとはどういうことか」という問題について、理解が深まるとともに、知的な面白さが抜群だった。イタチをはじめとする動物たちが登場するストーリー仕立てなのもよかった。

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Posted by ブクログ 2018年10月19日

人間の言葉が分かるロボットを作ろうと努力するイタチ達。ストーリ仕立てでどのような機能が必要で、どのように難しいのかが分かるように工夫されている。深層学習などが発展してきても、言葉を取り扱うことの困難があるのだな。簡単には人間の言葉が分かる人口知能は実現できそうもないか。

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Posted by ブクログ 2018年09月04日

人工知能について、まず最初に手に取るといい本だと思う。寓話と解説が交互に出てくる構成もわかりやすい。
主人公である”イタチ”の考えることは、人工知能に興味を持った人がごく普通に持つ考えで、会社で人工知能関連のビジネスの話が出てくる時に最初にぶつかる意見でもある。それがいかに間違っているか、的をはずし...続きを読むているか、をとてもよく理解できる。ホント、ビジネスでAIとか言ってる人、まずはこれを読んでほしい。
もうちょっと先のレベルまで知りたいひとは同じ著者の『自動人形の城』があり、同様のスタイルで書かれておりわかりやすくおすすめ。

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Posted by ブクログ 2018年08月18日

知り合いの人工知能研究をやっている方が、「人工知能のできること・できないことが具体的にイメージできる、とても良い本」と言われていたので、早速読んでみた。「イタチ」に仮託した物語は面白く読めるし、言いたいことが事例とともに書かれているので説得力がある。確かにお奨め。

本の内容は、擬人化したイタチが、...続きを読む言葉がわかるロボットを作ろうと、他の動物たちが持つ技術を頼りにして機能強化していくというもの。その中で読者は、自然言語認識の課題と解決策について理解が深まっていくという形になっている。手に取る前は、擬人化しているので、自然言語研究のコアな部分をすっ飛ばして単純化した話になっているのかもしれないと思っていたが、そんな心配は無用であった。著者がしっかりとした技術知識と全体を把握する能力とそれを上手く表現にまとめる力があるので、この本が成り立っている。

著者はイタチの物語を通して、自然言語の理解には次の技術要素が必要だと説明する。「言葉が分かる」ということには少なくとも以下の要素が含まれており、少なくともそれらをうまくやり遂げられなくてはならない。

1. 言葉が聞き取れること
2. おしゃべりができること
3. 質問に正しく答えること
4. 言葉と外の世界を関係づけられること
5. 文と文との論理的な関係が分かること
6. 単語の意味についての知識をもつこと
7. 話し手の意図を理解すること

ディープラーニング技術が必要なもの、充分な質の高い学習データが必要なもの、豊富な知識ベースが必要なもの、いわゆる「常識」が必要なもの、レベルに応じて必要な要素は変わってくる。また、それぞれ要素は互いに独立ではなく、互いに複雑に影響し合っている。意味と意図の違い、多義語の曖昧性の解消という問題もある。

著者は、言葉がわかる機械を作るために全体に共通する課題を次の三点にまとめている。

A. 機械のための「例題」や「知識源」となる、大量の信頼できるデータをどう集めるか?
B. 機会にとっての「正解」が正しく、かつ網羅的であることをどう保証するのか?
C. 見える形で表しにくい情報をどうやって機械に与えるか?

その大変さは本書でイタチたちが苦労する様に象徴的に描かれている。一気に解決するようなものではなく、一歩一歩進めていくような課題である。

それでは、なぜ人間は「言葉がわかる」のか。それは現在の機械が言葉を理解する能力を持とうとして用いられるやり方とは明らかに異なるやり方で獲得された能力だからだ。著者は次のようにまとめる。

① 人間は言葉を習得するとき、生まれた後で接する言葉だけを手がかりにしているわけではない
② 言葉についてのメタな認識を持っている
③ 他人の知識や思考や感情の状態を推測する能力を持っている

これが人間の「言葉がわかる」ために必要であるとするならば、これらを機械に実装することは可能なのだろうか。進化の過程で言葉を獲得したことで人間は他の動物と異なる形で地球上で繁栄することとなったとされているが、一口に「言葉を獲得する」と言っても果たしてどのようにそれは成されていったのか、とても不思議で複雑な問題であるが、興味をそそるものでもある。


あとがきにおいて「言語能力の研究は、あまり報われない」と著者は嘆く。言葉の研究をしている、というと「何語の研究?」と聞かれる。日本語の研究と言うと、日本人なら誰でもできている日本語の何を研究しているの、と言われるらしい。機械による言語理解の研究と言うと、今は将棋や碁のプロに機械が勝つくらいなので、もうすぐできそうですよね、と言われるらしい。著者はロボットに東大の入学試験を解かせる「東ロボプロジェクト」に参加していたが、その中で言語理解について多くの課題が整理されて浮かびあがってきたことと、またそのことが適切に世の中に認知されてきたことが大きな成果だったと評価する。そして、この本もまた正しい理解に役立つことができればという気持ちで書かれたという。そうであれば、その意図はとても成功していると思う。誰もが思い付かず、やろうとしなかったフォーマットでそれを実現した。あとはより多くの人にこの本を手に取ってもらうこと、だろう。そして、著者が言語の研究も報われたと思うようになってほしい。ということで、ぜひぜひ手に取ってほしい。

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Posted by ブクログ 2018年07月22日

人工知能の事前言語対応における思考過程がとても分かりやすかったです。どのように言語解析が発展していったのかがわかりやすく、何が問題点なのかもわかりやすいです。

最後まで読んだときに、主人公が「イタチ」なのもそれなりに意味があっんだなあ。と思いました。

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Posted by ブクログ 2021年11月23日

言葉を機械に扱わせることの難しさをやさしく説いた本。自然言語処理(NLP)だと形態素解析→構文解析→意味解析→文脈解析と習うが、なんとなく全体がわかった気になる内容だった。
PCで言語を扱うと手間の割に報われないことが「あまた」あるのも仕方ないことだと納得。諸々の前処理(タグ付け)の苦労は何度も出て...続きを読むきてご苦労されているのだなぁと思ってしまった。

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Posted by ブクログ 2021年03月15日

自然言語処理について、小説形式で、面白おかしく学べる本。
小説形式とは言え、自分のような素人には結構骨太な内容。
しっかり考えながら、読み進めないと、読み切れません。
一方、この分野をここまでかみ砕いてストーリーにして下さった
著者には感謝と尊敬の念を抱かざるを得ません。
この人、スゴイな。。

...続きを読む最近、AI(機械)が人間のできることをどんどん奪っていく」といった
ホラー・ストーリーを至る所でよく聞くようになりましが、
現時点でAI(機械)に何ができて、何ができないのかを正確に知っておくことが
未来への備えの第一段(ファースト・ステップ)なような気がします。
チェス・将棋・囲碁では、プロが機械に勝てなくなりつつある昨今、
人の言葉を理解するロボットは作れるのか?
こういったことに興味のある人は読んでみると、とても楽しめるのではないかと思います。

改めて、人間ってすごいな、ということと
特に日本語って、ややこしい(誤解を生じやすい)、
そして、今は機会に限界があれども、いつブレイクスルーが起こってもおかしくない時代の流れの速さ、
そんなことを考えながら楽しませてもらいました。

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Posted by ブクログ 2021年02月27日

数年前から,ある本屋さんで平積みになっていた本書は,いつか読んでみたいと思っていた書籍の一つでした。なんせタイトルが面白くないですか?働きたくないイタチと言葉がわかるロボットって。ということで一気読みしてしまいました。とても面白く読ませていただきました。

本書はタイトルの副題にもある通り,人間が使...続きを読むう言葉がいかに難しい概念であるのかを,人工知能というスタンスから非常にわかりやすく理解することが出来ると思います。

スマートフォンの音声アシスタントの使い勝手がどんどん良くなっているのも分かる通り,この AI 社会において,人工知能が人間の言葉をそのまま「まるっと」情報処理することができるようになっているのではないのか?といった,大きな期待にも似た勘違いが増えてきているのだそうです。

そもそも私たちは,深く考えもせずに曖昧な言葉を瞬時に文脈に合わせて理解し,適切な推論や対応を取ることができます。自分が簡単にできることはコンピューターにだって簡単にできるはずだと考えがちになってしまいます。しかし,そうは問屋が卸しません。

私たちが日常で当たり前のように行っている言語処理を,コンピューターに実行させようとすると,非常に大きな困難や大きな壁にぶち当たってしまうのだということを本書を読んでよくわかりました。

イタチとその他多くの動物たちとの漫才のような掛け合いの中で,現在の人工知能技術にできることと,できないことのある種の ライン を客観的に理解することができたように思います。AI とかよく分からないし,自分には関係ないし,と思っていらっしゃる方の中で,でもAI ができることって何なんだろう?と少しでも思っていらっしゃる方は,本書を読んでみることを是非お勧めします。

私たち人間がお願いしたことを何でも処理してくれるロボットを作り出すことがいかに難しいのかを,楽しみつつ順を追って理解することができます。本書を一通り読んだ後で思ったのは,ドラえもんは未来道具がなくとも,とんでもない精巧な人工知能を有しているんだなと理解できたことです。

ドラえもんのようなマシーンが大量に生産できるという未来の科学技術の高さに驚愕した次第です。 この先,シンギュラリティがいつ起きるのかを楽しみに待ちつつ,何でもできるロボットを作ることが,人間の言語的な本質を理解することにつながるのを,これからも少しずつ勉強していきたいなと思います。とても面白かったです

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Posted by ブクログ 2021年01月10日

動物村の働きたくないイタチを主人公にして童話のような展開で自然言語処理を中心とした人工知能の発達を描きます。人間なら簡単に理解できることを機械に理解させようとすることの難しさをイタチをはじめとした動物たちの言葉で面白おかしく表現しているところが逆に著者の研究における苦労を物語っているように思いました...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年10月17日

イタチ達はアリやカメレオンやフクロウなどとの交流の中でロボットを作っていく.ロボットの仕組みが物語の中でわかりやすく説明されていくのには感心した.

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Posted by ブクログ 2019年08月28日

今流行りのAI(人工知能)をベースにした内容です。

言葉の意味を理解するとはどういうことなのか、
なぜ機械は全ての文章を理解するのが難しいのか。

イタチ以外にもたくさんの動物が登場して、(物語の部分は)とても読みやすい一冊です。

解説部分は決して難しいわけではないのに、若干読みづらく感じました...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年06月09日

★AIの現在地を自分は知らない★理論言語学と自然言語処理の専門家が、AIに言葉を教え込むことの難しさを例え話で教える。信頼できるデータを大量に教え込むことが可能になりディープラーニングでAIが急速に進化したのだと浅く理解しているが、そのデータの信頼性の確保は素人が思うほど簡単ではないようだ。そもそも...続きを読む入力データである音声と音素は違い(「ん」の表記でも音は少なくとも3つはある)、単語の意味の決め方や話し手の意図の推測はかなり難しいようだ。AIが理解できるのはまだ定型の表現なのだろう。言語によってAIの理解のしやすさは違うのだろうか。

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Posted by ブクログ 2018年12月30日

人工知能が言葉を理解するというのは、どういうことなのかを物語形式で語る。
言葉(音声)が聞き取れること
おしゃべりできること
質問に正しく答えること
言葉と画像を結び付けられること
文と文との論理的な関係が分かること
単語の意味についての知識を持っていること
話し手の意図を推察できること

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Posted by ブクログ 2018年12月12日

表紙のイラストが可愛いので読んでみた。人工知能が日本語を理解するのは現状難しい。新井紀子著『AI vs 教科書が読めない子どもたち』で人工知能の限界について詳細に書かれていたが、本著作はその限界部分を、イタチとその他村民たちとの会話で、わかりやすく詳しく書かれてある。本文中にもイラストがいっぱいあっ...続きを読むて可愛いし、本文もイタチがひどくて面白い。今はまだ発展途上の分野であるが、今後ブレイクスルーが起こって発展するかもしれない。それがすごく楽しみ。

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Posted by ブクログ 2018年10月24日

言葉がわかるってどういうこと?そんな疑問を物語を読みながら考えられる本。
途中からは、関数のif式を思い浮かべて読んでました。

曖昧さって言語によっても違うし、地域によって意味合いが変わる言葉もあるから、改めて言葉の難しさを感じました。

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Posted by ブクログ 2018年10月23日

言葉の字面だけを捉えて、判断をすると色々と問題が出てくるのだと、言葉を分解されることで、改めて分かった。
周りの状況や、話し手と受け手の認識、文脈、句読点の位置等によって、随分と言葉の印象が変わることに気づかされる。

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Posted by ブクログ 2018年10月21日

「AIは絶対に押すなよを理解できるか」というエッセイを読んだので、そのままの流れで購入。
言語学と自然言語処理にまたがって研究をしてきた研究者が、自然言語処理の進歩とその限界を、言語学者として、「言葉がわかる」ためには、意図と意味の違い、言葉の外部の世界とのつながり、論理性、など、譲れないラインを示...続きを読むし、その解決の難しさが、平易な物語の形で表現される。
やっぱり人間が言語を学ぶやりかたとは全然違うから、現時点ではイタチごっこの域を出ないんだなとわかる。

「窓を開けてほしい」は命令じゃないし、「グラスとって」は特定のグラスを指してるし、機能語がどこにかかるかで意味が変わるなど、普段意識していない言語の難しさに意識を向けさせられる。

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Posted by ブクログ 2018年09月23日

パラ見の段階では長そうだし読みにくそうだと思っていたけれど、読み始めてみるとスルスル読める。物語に乗せると、書かれている内容が具体的により身近に感じられるので、手法として成功していると思う。版画イラストもとてもマッチしていていい感じ。逆説的に、抽象的な事柄について考えたり、言い表したりということを自...続きを読む然にできている「人間」が、すごいことをしている(できているのだ)ということに気付かされる。人間と同じように言葉を操る機械完成まで道のり(どの時点を完成というのかという問題もあるけれど)はまだまだ遠いなということを実感させられる。このシリーズ、他も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2018年07月23日

自然言語処理の研究者による著作。イタチ達が自然言語処理ができるロボットを作るという寓話と、解説によって構成。機械が言葉を理解できるようにすためにはどのようなプロセスを踏まなくてはいけないかがよくわかる。

面白い話だし、寓話部分の木版画イラストがいい味を出しているのだが、日本語横書きは読みにくい。

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Posted by ブクログ 2018年07月20日

タイトルにひかれて読んだ。言葉がわかるロボットを作るために動物たちが知恵をしぼる。そもそも言葉がわかるってどういうことか?人間にとっては簡単なことをどうやって機械に判断させるのか?何が大変なのかを小説形式でわかりやすく読むことができた。他の著書も読んでみたくなった。

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Posted by ブクログ 2021年10月31日

まずタイトルと装丁が秀逸。内容も「寓話」と「解説」が交互に並び、直観と論理の両面を相互チェックするかたちで理解が進む。文章も極めて平易で一気読み可。中学生くらいの子供なら十分読めるのでは。言語処理について現在の人工知能ができること/できないことがわかるのはもちろんだが、それを通じて我々が現に操ってい...続きを読むる言語の面白さ/不思議さにも触れることができる。

本書では、現在主流である「ビッグデータ」を利用してのAIを用いた言語処理の限界と、それを乗り越えることの困難さ(システムの無矛盾性に関するゲーデル的命題を思い出した)が提示されている。どれもなるほどと思えるものだが、ここではたと思い至ったのは、不完全なロボットの言語を、人間の方が「学習」し、「共感」して「理解」できるようになるのではという疑問。いかにAIの用いる言語が人間にとって間違いだらけで不十分でも、それを理解すべく我々人間のほうが変容してゆく可能性があるのではないか。我々が異文化を理解するとき、まずはその言語理解に端緒を求め、行動に反映させることが多い。それと同様、人間の方がAIの言語を受容し思考様式を理解することで、行動様式を更新していく。そこではAIがあたかもこれから新たにコミュニケーションを開始すべき友人や恋人のように扱われるのではないだろうか。本書で言語と人間の能力の底の知れなさに触れるにつれ、そんなイメージが浮かび上がってきた。

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Posted by ブクログ 2021年01月31日

「言葉がわかるとはなにか?」という日常の生活の中ではあまり問わないことを、最前線の研究をベースに普通の人にも考えてもらおうとする意欲的な一冊。家の中で家電は「加熱が終わりました。」とか「お風呂が沸きあがりました。」とか話しかけてくるし、車の中でもナビが道順をめげずに伝えようとしてくれます。こちらから...続きを読むもスマホやエコーに、ついつい話しかけているし機械とコミュニケーションしている量は、知らず知らずのうちに上がっています。著者は理論言語学を学び、自然言語処理に取り組んでいる研究者とのこと。東ロボプロジェクトにも参加されていたらしいです。そのプロジェクトから生まれた新井紀子さんの「AIvs教科書が読めない子供たち」でも触れられているようにAI研究を進化させているコア技術、ディープラーニングって、言葉の問題にぶち当たるようです。「言語学と自然言語処理という、似ているようで似ていない、また接点があるべきなのに実際はあまりない二つの世界にいたことのある一個人から見た、現状と課題をまとめたもの」ということで、すっきりわかったぁ!という本ではなく、一進一退まさに〇〇〇ごっこの難しさを共有しているので、嚙み砕きパートの動物たちの物語やイラストも、わかりやすく、というよりまだるっこしい感じに思えたりもしました。でも、そのまだるっこしさが研究のストラグルなのかも。主人公たちのバカっぽさも著者が社会に感じているいらだちなのかもしれませんね。

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Posted by ブクログ 2020年07月17日

挿絵が可愛い!表紙に惹かれて購入。
イタチ達と周りの動物達のやり取りが楽しい。イタチ達がいい加減だけど、一生懸命で可愛い。。解説は難しいところもあったけど、分かり易かった。

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Posted by ブクログ 2020年07月12日

動物を題材にした童話によって「言葉を理解する」ロボット製作の可能性を探る内容であるが、章と章の間に挟まれる「解説」と内容の落差が大きく、読者の理解に役立てようと意図したこの試みが、必ずしも成功しているとは言えない。当初のプリミティブ(?)なロボットに次々と知識と機能を付け加えて、本当に「言葉を理解す...続きを読むる」ロボットの完成を目指す過程を、現実の研究・試行を踏まえて辿っていくので、かなり高度な言語学を知ることが出来る。ただし、ロボットの完成を指向する現実の方法論が、この本の様にプロトタイプのものに機能を追加して行くだけであるなら、大した成果は期待できないだろう。ほとんど80~90%まで仕上がった複数のロボット同士が(人間も含めてもよいが)会話をすることによって、お互いに機能を高め合って完成に近づかせる方法が、さらに有効な方法ではないだろうか。その場合、最終的に完成したロボットが人間の能力をはるかに凌駕して、所謂シンギュラリティ状態が実現してしまうかも知れない。

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