川添愛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
外国語を勉強するのにchat GPTと会話練習ができるという話を聞くようになり(自分ではやりたいとは思いませんが)、『「人工知能と話す」以前の言語学』という副題に興味を持ちました。
ただ、川添さんの本では私は「物語形式」のほうが面白く読めるので、「物語だと読めない」という意見をもとに書かれたというこの本は苦手な方。特に第一章はちんぷんかんぷん。
第二章と第三章も、新鮮味はありませんでしたが、第四章の「コミュニケーションを可能にするもの」が一番私の興味に合うものでした。
「言葉を扱うAIを開発する上でも、『人間と適切にコミュニケーションを取れるようにすること』が大きな目的となっています。」
今は、外国人に日本語を教える上で、「『日本人とコミュニケーションを取れるようにすること』が大きな目的となっている」ので、語学を教える仕事をしている人、外国人とコミュニケーションを取らなければならない、うまく取れない、と思っている人は読んでみるといいと思います。
「私たち人間は『言葉そのものについての知識』だけでなく、多様な知識を考慮に入れながら他者とコミュニケーションを取っています。つまりコミュニケーションがうまくいくためには、言語以外の情報も適切に扱えなければなりません。」
言葉の理解には、歴史的文化的背景の知識も必要だと思います。
また、コミュニーケーションとは意味の理解だけでなく、意図の理解が必要、とのことで
「言われたとおりに行動することの難しさの一つは、『言葉に表れていること以外にもさまざまなことを考慮しなければ、言われたことを適切に実行できない』という点にあります。」
これは、他人だけでなく、家族間でも起こりうることだと思います。
今までの川添さんの本に書かれていたことをまとめたようなものだったので、他の本を読んでいない人に特におすすめ。 -
Posted by ブクログ
まず、本文を、ちょびっと引用させてもらいます。
「私たちが発する言葉のほとんどは曖昧で、複数の解釈を持ちます。しかし、私たちはなかなかそのことに気がつかず、自分の頭に最初に浮かんだものを「たった一つの正しい解釈」と思い込む傾向があります。」
~中略~
「言葉のすれ違いを察知し、ある程度の対処ができるようになるには、言葉を『多面的に見る』ことが必要になってきます。」
「その際に役立つのは、曖昧さがどういうときに起こるかについての知識です。」
さて、みなさんは、次の文章をどう解釈しますか?
『あなたのように文章が上手ではない人は、どうしたらいいんでしょうね」
これ、褒められてますか? けなされてますか ?
『21日、24日、25日の午後が空いています。』
これ、3日間とも午後だけ空いているという意味でしょうか?
それとも、21日と24日は午前も午後も空いていて、
それに加えて、25日は午後だけは空いている、という意味でしょうか?
古典的な例ですが、ある場所に『ここではきものをぬいでください』という紙が貼ってあったとします。
この場所で脱ぐのは、「着物」でしょうか? 「履物」でしょうか?
この本には「曖昧さがどういうときに起こるか」の例が、豊富に紹介されています。
わたしが実際に言われたことのある例も載っていました。
①『私には双子の妹がいます』 この人には、何人の妹がいるでしょう?
②『お医者さんの奥さん』 奥さんが、お医者さんってことなの?
みのりが好きなみんなに この本をオススメします。
さて、みのりが、この本をオススメしたい人とは、
みんな(全員)でしょうか?
それとも、みのりのことを好きだと思ってくれている人だけでしょうか?
そこは、あいまいにしたまま終わりましょうw -
Posted by ブクログ
今現在の技術で実装されている「機械の言葉」は「ヒトの言葉」とは全く違ったものであるということが分かりやすく説明されている。
「第五章 機械の言葉とどう向き合うか」で書かれているように、現時点において「機械が言葉を理解している」という表現が指すのは「①機械が私たち人間と完全に同じ仕方で言葉を理解している。」ではなく、「②機械による言葉の扱いが、実用的な面から見て十分に信頼できる。」ということであるということを、AIの研究成果やニュースを見る時には常に心に留めておくべきだと思う。
AI関連の本を読めば読むほど、本当の意味で人間の言葉を完全に理解し、仕事をこなす汎用AIの誕生はかなり先のことになるのだろうと思う。 -
Posted by ブクログ
どちらにでも取れる文章というのは日本語には存在する。「の」でなんでもくくれてしまったりする。
それを聞き手が言い手の思い通りに受け取るには、文章を削ぎ落とすか、文章を分けたり言い方を変えたり、情報を出す必要がある。
どちらにせよ、文章からある程度瞬間的に正しい答えが導き出せている私は問題ないが、万人に理解してもらうためにはこの様な努力も必要ということ。
例えば「頭が赤い魚を食べる猫」は5つの解釈が考えられるらしい。③と④と⑤は厳しい気がするが。
①頭だけが赤い魚 を食べる猫
②魚を食べる 頭の赤い猫
③頭が 赤い魚を 食べる 猫
④(ある人の)頭が 赤い魚を食べる猫(だ)
⑤(ある人の)頭が 赤い 魚を食べる猫(だ) -
Posted by ブクログ
ネタバレ言葉は曖昧だから、面白い。
書き言葉だけでなく話し言葉も含めて、語の修飾関係などに注目して、例を挙げながら解釈のすれ違いが起こる原因を説明している。文の構造を言語学で習っていると、そうそう、と分析するけれど、確かに意味の図が何通りも書ける文章はよくある。
人間は自然とあり得ない意味の選択肢を排除していく。しかしこれは人工知能にはどのくらいできるのだろうか。寡聞にして人工知能が「僕はうなぎだ」をどのように処理するのかは知らないし、この本の範囲とはズレてしまうから特に書いていなかったけど、ふと思いついた。
誤解がないように伝えるには、をまとめているのが最後の章である。長すぎても短すぎても伝わらない。しかしコミュニケーションの工夫としてここに取り上げられている文の作り方を知っているのは大きいと思った。自然とできるという人もいるかもしれないが、暗黙知を言語化するのは大切なことなのである。