川添愛のレビュー一覧

  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    『言語学バーリトゥード』で人気を博している著者が、「一つの文章で複数の(時には矛盾する)解釈ができる文章」についてその原因や構造を分析している書籍です。

    エッセイではなく評論なので、「読みやすさ」という部分では少しとっつきにくいところもあるかもしれませんが、修飾語のかかり方によって同じ文章でも様々な解釈の可能性があることを丁寧に解説していて作文や発表の際の参考にもなると思います。
    文体は平易で中学生から読むことが出来そうですし、章末には「練習問題」も掲載されていて言語学への入門書としても良いと思います。

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    2024年11月26日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    言語学バーリ・トゥード: Round 1
    AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか
    川添 愛 (著)

    最初は意味が分からず。

    バーリ…はプロレス用語なのね。
    一番印象に残ったのは、氷室京介?とGLAYのTERUの対話の部分。
    後輩に私おばちゃんだから、と言って気を使わせるシーンににている?かも?
    全員に使えるものではないけれど。

    気楽に言語に向き合いたい方におすすめなのかな?
    2もでてるから、人気なのでしょう。
    私にはちょっとわからない部分もありました。

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    2024年10月29日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    どちらにでも取れる文章というのは日本語には存在する。「の」でなんでもくくれてしまったりする。
    それを聞き手が言い手の思い通りに受け取るには、文章を削ぎ落とすか、文章を分けたり言い方を変えたり、情報を出す必要がある。

    どちらにせよ、文章からある程度瞬間的に正しい答えが導き出せている私は問題ないが、万人に理解してもらうためにはこの様な努力も必要ということ。

    例えば「頭が赤い魚を食べる猫」は5つの解釈が考えられるらしい。③と④と⑤は厳しい気がするが。
    ①頭だけが赤い魚 を食べる猫
    ②魚を食べる 頭の赤い猫
    ③頭が 赤い魚を 食べる 猫
    ④(ある人の)頭が 赤い魚を食べる猫(だ)
    ⑤(ある人の)頭

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    2024年08月27日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    ネタバレ

    言葉は曖昧だから、面白い。

    書き言葉だけでなく話し言葉も含めて、語の修飾関係などに注目して、例を挙げながら解釈のすれ違いが起こる原因を説明している。文の構造を言語学で習っていると、そうそう、と分析するけれど、確かに意味の図が何通りも書ける文章はよくある。

    人間は自然とあり得ない意味の選択肢を排除していく。しかしこれは人工知能にはどのくらいできるのだろうか。寡聞にして人工知能が「僕はうなぎだ」をどのように処理するのかは知らないし、この本の範囲とはズレてしまうから特に書いていなかったけど、ふと思いついた。

    誤解がないように伝えるには、をまとめているのが最後の章である。長すぎても短すぎても伝わ

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    2024年08月12日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    プロレスの話はオタク過ぎてほとんどわからなかったが、何だか不思議と面白く読んだ。
    鉤括弧や三点リーダーは自分自身が良く使う派。無意識だったが、なるほど確かにそういう深層心理があるな、と思った。
    キャッチコピーの件は興味深かった。助詞一つでこんなにも印象が変わる。奥深い。

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    2024年08月06日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    ドリルを解くようなたのしさはあったけど、これまでのような新しい見方を教えてくれる本ではなかったのが残念。

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    2024年07月16日
  • 数の女王

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    数学と物語の融合。ユニーク。
    中世っぽい雰囲気の世界で、権力に魅せられた王妃と、それを阻止する人間と妖精の攻防。「数字」のふしぎな振る舞いに興味津々。特に「コラッツ予想」は、ついつい色々な数字で計算してみて納得。
    「数字」の面白さ以外にも、人間の心の弱さ、教訓もしっかり描かれていて良書。
    得難い読書体験。

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    2024年06月27日
  • 働きたくないイタチと言葉がわかるロボット

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    言葉が“わかる”ロボットを作るために、言葉がわかる、伝えられるってどういうことかってのを、言語研究の視点で寓話+解説という形で、どんどん深掘りしていく構成は面白い。でも、後半ディープな話になると、とたんに寓話に無理が出てきて、解説を読んだほうが話が早いってなってしまった。寓話がメインで、解説がおまけってわけにいかないのはよくわかるんだけど。

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    2024年06月03日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    文章を読んでて、う?と思い読み返す、あるいは?のまま読み続ける際の?という曖昧さを整理した本。川添さんの前作「言語学バーリトゥード」が面白かったので、手に取りましたが、おふざけが少なかったのでちょっと残念。一瞬プロレスのネタ出てきましたけど。もう少しおふざけ欲しかったです。

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    2024年04月26日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    3.5かなぁ。新刊発売時に気になってたが、タイミング悪く、今読むに至る。内容は作者が雑誌で掲載しているコラムからの抜粋?で、言語学について雑学混じりに解説しているので読みやすい。
    「白いギターの箱」と言われたら、白いのはギターなのか、箱なのか?という問いも、言われてみたら確かにどっちとも取れるから面白い。また、表紙にものっている「恋人(は/が)サンタクロース」の勘違いも、見事に自分自身がしていたのが、興味深い。
    筆者曰く、名詞➕名詞の文の場合、◯◯(は)◯◯という風に(は)を使う事が多く、(が)を使った文章は珍しいという事が誤解の原因らしい。自分で書いてて理解しにくいので、興味ある人は是非本書

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    2024年04月07日
  • 世にもあいまいなことばの秘密

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    タイトル通り、日本語の曖昧さについて、豊富な例に基づいて紹介している。日常にある表現を例にしているので、あるあるネタのようで面白く読めるし、また、例題もあり、理解が深まりやすい。
    たくさんの例を紹介しているが故に、一つ一つの現象については、比較的簡単な解説となっているし、専門用語も極力使わないようにしているようなので、全体に言語学への入門の一歩手前の本という感じ。欲を言えば、現象への理解を深めるために、次に読む本が紹介されたりしてると良かったか。
    レポートや書類を作るときに、気をつけるべき曖昧な表現を考えるのに役立ちそうなので、そういう視点でも読んでもらいたい。

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    2024年04月04日
  • ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)

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    日本語を【自然現象】として観察し、「それらの現象が存在するのは、私たちの無意識の知識がこうなっているからだ」という仮説を立て、それに従って理論を作り、現象を説明しようとする理論言語学の本。
    人が何年も母国語を使うと無意識の知識が備わってくることは、外国語を学んでいると実感しますが、言葉が【自然現象】だという発想はなるほど確かに。

    超難しい日本語を、母国語だから無意識レベルで使ってるけど、それでもややこしい間違いはよくあります。そんな日常遣いで発生する日本語の違和感を、置き換えたり何かに当てはめてみたりしながら根気よく解きほぐしていく。言語学者って根気強いのね、私は途中我慢できなくて読み飛ばし

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    2024年01月30日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    美しい水車小屋の娘
    今はもう動かないおじいさんの時計

    これら二つの文章は、形容詞がどちらの名詞を修飾しても「雰囲気」として許容できるアート性がある。しかし、美しいのは水車小屋?それとも娘?など、明確にしなければ、正しい理解には及ばない。一意に決まる日本語を使うか、曖昧さを残すなら「文脈」で読み解くしかない。例題はどちらでも良いという仕掛けにも読み取れる。そういう内容を楽しく伝えてくれるのが本著。著者の川添愛はプロレスが好き。きっと授業も面白いだろうなと思う。

    で、問題は「文脈」だ。発言者の個性や脚本の流れ、前例や歴史認識なんかも含む「文脈」だ。英語は多民族で扱うから文脈依存度が低く、明確。

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    2023年11月07日
  • ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)

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    日本人が当たり前に獲得している日本語の微妙な難しさの理由が分かる本。
    外国人が日本語を習得するのはそりゃ大変だわって納得。でもまぁ読んだからって言葉巧みな話術が身につくわけではなさそうだ。

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    2023年10月04日
  • ヒトの言葉 機械の言葉 「人工知能と話す」以前の言語学

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    書籍サイトの紹介で興味持ち、購入。

    機械(AI)は言葉の入力にどんな反応を示すのか、という点はITパスポートで学んだこともあり、割と素直に受け取れた。
    そして、ヒトが言葉を理解するというのは、実は分解してみると凄く複雑だということを、あらためて突きつけられたように感じる。AIが言葉を理解するというのは、まだまだ先が長い道なのではないかと、本書を読んでると思い知らされた。

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    2023年08月30日
  • 私たちはAIを信頼できるか

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    AIとは、人間には不可能な全知に近い領域から、その対象にとって最も合理的な最適解を導く事の出来るツールと言える。桁数の多い暗算は人間には難しいが、計算機は即答だ。同様に、数字による規則性ではなく、言語による記号接地、つまり現物と言葉を対にして紐付け、概念にも言葉を当てはめ、自然言語をマスターした上で、それらの動きや関係性を考慮できるなら、圧倒的に人間を凌駕する。大企業の社長が企業全体のリソースや活用策を把握する事は難しいが、AIは可能だ。

    「押すなよ、絶対に押すなよ」
    この文脈は最後までAIには分からないが、分かる必要はない。ここが人間とAIの境目であり、皮肉や嫌味、ギャグや曖昧な表現は、不

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    2023年08月27日
  • 数の女王

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    数論を元に、個々人に与えられた「運命数」が、能力や戦闘力に影響するという発想は面白いが、どうしてもまず数学ありきの世界観だと思ってしまい、特に序盤はかったるく感じてしまった。
    後半からは登場人物に感情移入できるようになり、物語としてのメッセージ性や主人公の成長といった王道要素もしっかりしていたのは良かった。

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    2023年08月10日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    コピュラ文における は と が の違い
    西山佑司『日本語名詞句の意味論と語用論 指示的名詞句と非指示的名詞句』

    80
    今井むつみ『ことばの発達の謎を解く』
    広瀬友紀『ちいさい言語学者の冒険』

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    分裂文と誘導尋問

    206
    しかも、もともと「w」は書き言葉に欠けている「笑いの表情」を表す記号だったのに、そのヴィジュアルが「草」という言葉になって話し言葉に回帰したというのは、かなりレアな現象なのではないだろうか?

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    2023年05月18日
  • ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)

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    『言語学バーリ・トゥード: Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』を読んで面白かったので、本書も読んでみた。

    東大出版会の前者に比べて、本書は学術的な新書という印象。面白さよりも、きっちり知りたいという人にオススメ。

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    2023年05月12日
  • 言語学バーリ・トゥード

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    読みやすいが、タイトルにあるAIや言語学的要素は少なめ。
    世代が近い同期のおっさんと飲みながら雑談してる感じに近い。

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    2023年03月04日