阿津川辰海のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
短編集。
私の思い描いていた「脱出」より、より広義な意味での脱出がテーマだったかな…。
阿津川辰海さんの屋上に閉じ込められて…というのが最も私の思う脱出に近かったんだけれども、途中何だか策略が読めて、冷めてしまった感がある。
もっとこう、皆が脱出に向けて一丸となってという話が読みたい。
織守きょうやさんの森から出られなくなる話は好み。なぜか名前を思い出せなくなってしまうという設定と、真相は分からないがなぜ森が人を離してくれなかったのかその理由を面白く感じた。
私にとって森は神秘的だが恐ろしい場所でもあるので、森に囚われるという話は結構ドンピシャだった。 -
Posted by ブクログ
想像していたミステリーとは違ったけど、ジャンルが幅広くて、自分では絶対に選ばないジャンルを読むことができたので良かった。
阿津川辰海「屋上からの脱出」★★★★★
学園ものミステリー。
自分の好きなミステリーで、やっぱり阿津川さんは面白かった。
学校の真冬の屋上に閉じ込められるスリルもあり、最後の1行まで楽しめる。さすが阿津川さん。
織守きょうや「名とりの森」★★★★★
ジャンルはホラーなのかな?
没入感が高く、ゾッとするセリフが上手い。何度も驚いた。普段読まないジャンルだけどすごく面白かった。
斜線堂有紀「鳥の密室」★★☆☆☆
魔女狩りの拷問の様子が辛かった。
人が身体的に苦しんでいる様子を読むと苦痛に感じるので、自分には合わなかった。
拷問以外のストーリーは良かった。
空木春宵「罪喰の巫女」☆☆☆☆☆
文体が苦手で難しくて頭に内容が全く入ってこなくて、途中で諦めることは滅多にしないんだけど、どうしても無理でした。ごめんなさい。
井上真偽「サマリア人の血潮」★★☆☆☆
ゾンビものが苦手なのもあるし、主導権を全て握られて勝手に進んでいく感じが合わなかった。
記憶喪失が断片的に戻っていって真相が徐々にわかっていく所は面白かった。 -
Posted by ブクログ
ミステリー作家5人が、15冊ずつミステリ小説の書評を書いたものを収録。合計75冊(+おまけで紹介されている本もあり)という大ボリュームなブックガイド。
1冊ずつの書評は見開き2ページなので、隙間時間に読むのに最適。
ミステリー作家さんたちがどんなところを気にしながら読んでいるのか、どこを面白いと思うのかが人それぞれで、紹介されている本はもちろんだが、5人の作家さんたちの書かれた本も読みたくなる。
結果、読みたい本が一気に増えて、とても楽しいミステリーツアーだった。
他のジャンル(恋愛、青春、お仕事小説など)や、他の作家さんたちのツアーもぜひ読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
実家に引きこもっている葛城輝義に会うために、友人の田所信哉は山奥にある葛城の実家「蒼海館」を訪れる。葛城家は政治家、トップモデル、大学教授、弁護士などハイクラスの家族が揃った“華麗なる一族”だった。台風が迫り、田所らが「蒼海館」に泊まることになった夜、事件が起きる…
オーソドックスなクローズドサークルにおけるフーダニットものの本格ミステリ。
前作「紅蓮館の殺人」では炎が迫る状況だったが、今回は水。殺人事件が起きる中、水害によって水位が上がりじわじわと迫ってくる。サスペンス性は、前作を凌ぐ。
悩める探偵が挫折から復活してからの展開が本書の真骨頂で、ぐいぐい読ませる。〈蜘蛛〉と呼ばれる犯人によって複雑に絡み合ってもつれていた糸が、探偵に徐々に紐解かれていく謎解きは、伏線回収もあって面白い。〈蜘蛛〉の意外性はあるし、それを生み出すミスリードも抜かりない。
しかしながら、〈蜘蛛〉の企てがあまりにも複雑で偶然に頼りすぎていて、そんなに思惑通りに都合良く事は進まないのでは?と訝しんでしまい、素直に驚けなかったのが正直な感想。全て暴かれた後のキャラ変にもちょっと興醒め。
…と一部内容への不満はあるものの、各章の頭に過去の名作のセリフを載せるなど本格ミステリ愛を感じるし、特殊設定ミステリが蔓延る昨今において、オーソドックスな本格でこの畳み掛ける構成力は凄い。
《館四重奏》シリーズは、来月(24年2月)に第3作「黄土館の殺人」が刊行される予定。要チェック!
週刊文春ミステリーベスト10 8位
このミステリーがすごい! 5位
本格ミステリ・ベスト10 2位
SRの会ミステリーベスト10 6位
ミステリが読みたい! 4位
リアルサウンド認定国内ミステリーベスト10 7位
本格ミステリ•エターナル300 選出
《館四重奏》シリーズ
1.紅蓮館の殺人
2.蒼海館の殺人
3.黄土館の殺人