アーサー・C・クラークのレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
何度読み返しただろう。
まだスプートニクの打ち上げよりも前に書かれたにもかかわら修正すべきところはないという驚きの作品。
月面の海を航行する観光船が突如海に飲み込まれる。海を構成するのは固体と液体の悪いところばかりの性質をもつ細かい塵。この海の存在のみがSF的設定。閉鎖空間でのパニック・コントロールと次から次に発生する困難に立ち向かう乗員。パニック映画の王道をいく設定でクラークの独特の巨視的視点を絡めながら描かれます。
自分がこの本を読みたくなるタイミングには傾向がやはりあったことに気づきました。困難な状況に陥っているタイミングなのでした。逃れられないし根本問題も解決することができない状 -
Posted by ブクログ
心が病んでいてすがすがしい空気に触れたくなると読みたくなるのがクラークだな。
昔読んで印象が薄かったのが気になり、もう一度手にとってみる。(表紙は月面の向こうに地球が見える昔のものですが)
いや、面白い!
1/6の重力下の不安になるほど華奢なモノレール描写、淡い青緑の地球光に照らされた月面の光景、強烈な太陽光に照らされて、中空に浮かぶように切り取られる山脈の描写など今読んでもリアルな上にみずみずしいではないですか。
地球と惑星連合の一触即発の対立描く本作品では、クラーク作品唯一の戦闘シーンもあり(放射線兵器ですが)驚き。現実世界でのレーザーの実現はこの5年後ですが、なかなかいい線いってます。 -
Posted by ブクログ
A・C・クラークの訃報を知ったのは、ついこの前のような気がする。
そういえば、彼の作品を読んだことがあったっけ?
あったような、なかったような、記憶が非常に曖昧であった。
ならば、この機会にどれか読んでみようと思い立った。
クラーク最初の長編ということで、とりあえずこの作品を手にとってみた。
人類が初めて月へ行くお話である。
アポロ11号が人類最初の有人月着陸を果たしたのが1969年7月。
今さら何を??なお話だし、
この本に登場する宇宙船プロメテウス号の月飛行計画とアポロ計画とではずいぶんと食い違いがある。
読み始めはとても不安だった。
ところが、なかなかどうして2008年現在でもけっこ -
-
購入済み
マスターピース!
クラーク1952年の古典的名作。美しく壮大で残酷な人類の未来が描かれる。さすがに登場するガジェットは古いけど、アイデアやイメージは今も新鮮!読まずに死ねるか〜〜