あらすじ
太陽系の壊滅を知った人類は、自らの子孫を残すため、遺伝情報を搭載した自動播種船を近隣の星々に送り出した。そのひとつサラッサでは、何世代かのうちに新たな人類が理想的な社会を築きあげていた。だがその長い平和をうち破るかのように、サラッサのソラに謎の宇宙船が・・・・・・!巨匠が情感豊かに描く人類の未来。
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Posted by ブクログ
美しい海洋惑星サラッサに自動播種船による植民が行われて数世紀。楽園のようなコロニーに突如飛来したのは、太陽の新星化で滅亡した地球からの最後の脱出船だった…。宇宙と人と海の物語を詩情豊かに謳った作者の集大成的な一冊。
「遥かなる地球の歌」(1996)A·C·クラーク
#読書好きな人と繋がりたい
Posted by ブクログ
直球SFを読みたくなった。やっぱりクラークでしょ。
昔読んだ時はじみ~な話だなと思いました。巨大な宇宙船の先端に作られた氷の障壁のイメージだけが強くの残っておりました。
実は色んなテーマがぎっしり詰まった知的冒険満載の話なのだ。光速を超えられない中での現実的な恒星間航行の考察、太陽の消滅による1000年かけての脱出、知的生命との遭遇はありえるのか、相対論的時差の哀しさ、言語の変化、宇宙エレベーター、宗教・・・
淡々と語られていく、故郷を失った人々の物語は静かな中にも希望が満ちています。やっぱり、クラークはすごいな!
Posted by ブクログ
必修アーサー・C・クラークその2。順番はat randomにつきご容赦を。
光速を超えない世界で、地球から旅立った人々の時空を超えた邂逅。
割と淡々とした話だと言うに、妙に叙情的でグッと来る。
「トライガン」の作者は、クラークでは本作がベストだと呟いていたような。
なんといってもタイトルがいい。
Posted by ブクログ
同じテーマで3回読むことになった作品。もちろん、今回が 決定版 だ。
人を描くという印象がないクラークだが、映画化を意識したのか今回は人を中心に据えているところが暖かい。
滅亡していく地球を後に植民星を探す旅人が途中寄港したのは、はるか以前に出発した先人たちが繁栄しつつある植民星サラッサだった。
時間の進み方が異なる両人種。サラッサ住民と先に進む使命を持つ旅人。人工冬眠で時間がぐちゃぐちゃになるんだが、そこに「ベンジャミン・バトンの世界」が広がる。
いやぁ、同じ虚構ならこっちのほうがはるかにいい。下手にくっつかず、それぞれの道を歩むことになる住民・旅人両者のドラマが鮮明だ。何事もなかったかのごとく船は出発する。
加えて、サラッサには人類とは別の生命体も存在する。いずれの種がサラッサを統治するのか。また、先に進んだ旅人たちの運命は。続編を読者が思い描くことができる余韻を持ちながら物語は終わる。いい物語だ。永久保存版 だと断言できる。