あらすじ
異星人の宇宙船が地球の主要都市上空に停滞してから五十年。その間、異星人は人類にその姿を見せることなく、見事に地球管理を行なった。だが、多くの謎があった。宇宙人の真の目的は? 人類の未来は?――巨匠が異星人とのファースト・コンタクトによって新たな道を歩みはじめる人類の姿を描きあげた傑作!
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Posted by ブクログ
小学生の時から読んでる。面白いから、と人にあげたりして3冊購入している。今は息子が読んでる。
何度読み返したかわからないくらい読んでいるが、年齢によって登場人物への感情がかわる。若い頃は自分も密航する!と思った。親になってからは、子どもを失う両親の気持ちに胸が張り裂けそうなった。
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それは突然やって来た。世界の大都市の上空に無数の飛行物体が現れた。
それは人類にとって敵なのか、それとも味方なのか。何を目的としているのか。どんな姿形をしているのか。謎は深まっていくばかり。
1952年に書かれた本作は、古典的SFの名著だと思います。
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SFの古典の名作ということで読み始めた。序盤からグイグイと本の世界に引き込まれていった。後半、難解で何度か読み返す場面に遭遇し、読み返しても??という場面に遭遇した。これをどう解釈するかで決着をつけた部分もあったりでこれが筆者の問いかけ、問題提議なのかとも解釈した。そして時間をおいてもう一度読み直してみたい。つまりそれほどこの本に引き込まれたということで星を一つ追加しました。
強大で圧倒的な力を持ったものから授かる自由と平和。争いと競争のない世界。戦いや争う本能を失うのに何年必要なのか。
今の日本を象徴しているようで恐ろしい。
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”このままでいくと、近いうちに人間は、自分の人生を生きることをやめてしまうかもしれない。テレビのシリーズものに遅れないようについていくのが、一日がかりの仕事ということにもなりかねんのです!”
なってるー!!!え、私たちってすでにオーバーロードの支配下にいるの?
誰にも支配されていないはずなのに、支配されているような生活を送っている現代人。オーバーロードに支配されている小説の中の世界より、現実の方がなんかホラーだなと思った。
人類は受動的なスポンジになってしまったのだろうか、私たちは一体誰の養分になるのだろう。
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マイオールタイムベストSF
『オーバーロードのカレルレンの下、人類は管理され世界はより良く生まれ変わるのだが... はたして異星人の目的は?幼年期の人類はどこに向かうのか?』
「本当に人類は終わってしまった」と錯覚して読後3日間、虚脱状態を味わえましたw
それぐらい尾を引く本でした。
SFが科学的なものだけでなく、霊的なものも範疇になると実感したのもこの本からでした。
あまりにも壮大過ぎる
この作品は間違いなくSFにおける名作の一つだろう。
人知を超越した文明・世界・概念との出会い。
それに触れ合った末、新たな境地へと辿り着いた人類は"人類"でいられなくなる。
それは良いとか悪いとか、単純な価値観で測れるものでなく、
ただただ壮絶な人類史の終焉に圧倒されるばかりである。
この壮大なストーリーを巧みに表現し切ったクラーク氏と、
それを訳した福島正実氏の功績を称えたい。
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最高。読みたかったSF。人類とは広い宇宙のなかの地球に存在する一つの種族であるということ、時は過去から未来に流れて記憶を残していくということ、そういう常識が全く通用しない世界を見せられた。壮大すぎて理解できないのが良い。
―種族的記憶――そうだ、そういったものがあるにちがいない。そしてその記憶は、なぜか時間とは無関係なのだ。そこでは、未来も過去も一つでしかない。だからこそ、すでに何千年、何万年かの昔、人類は畏怖と恐怖のもやを通してオーバーロードの歪んだイメージを見ていたのだ。
Posted by ブクログ
多くの方がマスターピースに挙げておられるのに頷けます。常套句ですが、不朽の名作と言えるでしょう。ソリッドな物語でした。とても良かった。私は好みから、ウェットな作品をどうしても楽しめないのですが、乾いていて、微温的な余地を排していて、とても主義に合いました。
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オーバーロードと出会ったばかりの頃である第一部を読んでいる時が一番楽しかった。まだ幼年期であるこの世代の人々が最も私自身に近いからだと思う。共感しながら読めるのだ。
何が隠されているのだろうと恐れながら読んだが、科学を超えた力がその上に君臨しているなんて考えてもみなかった。たしかに努力ではどうにもならない世界だ。
地球人類の終わりもそうだが、オーバーロード達のこれまでとこれからのことを考えて絶望感に打ちひしがれた。本当に突然変異でもしない限り、流れを変えるのは難しいのだな。
結果的に、地球人類は自滅の期限を少し延ばしたというだけだった。宇宙規模で見れば。それがまた虚しくもある。
時代によって語り手が変わっていったが、最終的にはカレルレンの背中の哀愁が目に浮かぶようだった。最後の光を放つ星と、静かで深い宇宙のコントラストはきっと美しいだろう。
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ずっと前に読んだことがあるはずなんだけど、後半の展開はまったく覚えてなかった。そのおかげというかなんというか、衝撃の結末だった。人類の未来について書かれた作品は星の数ほどもあるけど、ユートピアとかディストピアとか、希望とか絶望とか、そんな物を超越した未来。種としては高次元の存在になったんだろうけど、それがいい事なのか私にはわからない。
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クラークは20代の頃に何冊か読んだが、「幼年期の終わり」は今まで読まずじまいだった。人類の幼年期が終わる様子に結構な衝撃を受けた。でもきっとそうなんだろう。進化は福音であるのと同時に強烈な喪失感を伴うのだ。
マスターピース!
クラーク1952年の古典的名作。美しく壮大で残酷な人類の未来が描かれる。さすがに登場するガジェットは古いけど、アイデアやイメージは今も新鮮!読まずに死ねるか〜〜
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なかなか物語の世界に入ることができなかった。
「どんなユートピアも絶えず、すべての人間を満足させておくことはできない」
カレルレンが目先だけでなく、長い目で見た時の地球について考えており、おぞましかった。
Posted by ブクログ
SFらしいとてつもなく面白い設定と、エンタメらしい次々に状況や場面が変わる面白さ
さすが名作と語り継がれるだけある
人類が思っていたオーバーロードと実際のオーバーロードにはギャップがあったが、カレルレンは人類を裏切らなかった、と私は思う
ジャンが宇宙船に乗り込んだときどんな世界が見えるのかワクワクしていたが、その後地球に起こった変化が激しすぎて銀河系の外とかどうでもよくなってジャンが帰ってきた地球がどうなってるのかが気になって気になってページを捲る手が止まらなかった
Posted by ブクログ
・あらすじ
人類が宇宙への第一歩を踏み出そうとしたその日、空に無数の巨大な飛行物体が現れた。
上位存在であるオーバーロードたちの管理下のもと人類史上で初めて苦しみや争いのない平和な社会が実現する。
オーバーロードたちの目的、そして管理された人類の行く末はどうなるのか?
・感想
超超超有名古典SFをやっと読めた。
夏への扉や渚にての描写が合わなくて、この作品に対しても少し構えてたところがあるんだけど杞憂だった!
面白かったなーー。
読後はカレルレン…カレルレン…がんばれ!ってなった。
終盤まではゆっくりペースで読み進めてたので時間がかかったんだけど、ジャンが飛び立った辺りから続きが気になってあっという間に読み終わった。
(というかジャンやらジョンやら似たような名前が多くってちょっと混乱した)
「室内飼いの犬や猫のように自分の上位存在に全てを管理してもらって何でも手に入って快しかない環境で自分の好きなように生きられるの羨ましいわ」とたまーに思うけど、もしいま私が生きてる世界もすでに上位存在により管理された社会であるならもっと上手くやれよ!!って文句言いたくなるw
いやでもこれも彼らの計算のうちなのかもしれない…とか想像したりするのも楽しかった。
でも個が無くなって全体に統一されるのは嫌だな。
三体もそうだけど上位存在が登場するSFというのは最後はやっぱり観念的というか哲学的な思想、精神的な描写に進んでいく傾向にある。
全てを想像するしかないしね、抽象的になっていくのも仕方ない。
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古典SFと思えないリーダビリティ、展開も相応にあって途中まで頁を捲る手が止まらなかった。
ただ、ラストだけ良くわからず、んーといった感じで、惜しくも星4つになってしまった。
文体や雰囲気は、『星を継ぐもの』を彷彿とさせる感じで非常に好みだった。
Posted by ブクログ
巨匠アーサー・C・クラークの代表作の一つであり、歴代のSF小説のなかでも屈指の作品と呼ばれている作品。
突如、地球にやってきた巨大宇宙船団。その宇宙船団の総督であるカレルレンが率いるオーバーロード。彼らが地球人に変わって地球を統治することになる。地球にはそれまでの国境による線引きされていた国家がなくなり、戦争から飢餓、疫病、差別はなくなる。
そしてカレルレンによる地球人の進化が長いスパンをかけて行われていく。
オーバーロードがなぜ地球にやってきて、地球人たちを統治して、進化をさせていくのか、その目的と理由が明かされていくというもの。
本書から影響を受けた他の小説、映画、ゲーム、アニメなど多く存在する。
それくらいに影響力が強い本作。1952年に刊行された本作は正直SF作品のなかでも古典に位置する作品だと思う。しかし、今読んでもまったく古臭さを感じない作品で驚いた。
何ならまだアーサー・C・クラークの想像した世界は遥か先で、現実は到底追いつけないように思えてしまう。
ゴールデンエイジ期のSF小説家は数作品くらいずつ触れてたりはするのだが、改めて読み直してみたくなった。
アーサー・C・クラークもかなり昔に読んで、それ以降は今更読まなくてもいいでしょくらいに思ってたので。
この想像力がどこまで広く世界を見ていたのか、触れてみたくなった。
Posted by ブクログ
ある日突然、地球に飛来した超高度な文明をもつと思われる種族。オーバーロード。それを取り巻く人間の姿。人間の週末。
もし本当にそうなったら、確かに地球人には遠く及ばない文明水準なんだろうな。そして地球にわざわざ来るということは、何か目的があるということ。その目的は、オーバーロードのさらに上の存在、オーバーマインドの意志を遂行すること。地球人は、まさに未開の民族で、人間にとってのアメーバのような存在でしかない。
そして最後の地球人ジャン。彼がどう考えどう行動するか。物語としてうまくできている。
SFは昔から好きだけど、異世界の描写、そこに巻き込まれる人々の心理。考え尽くされているなと思った。
また、異世界の描写は、エヴァの人類補完計画と似ていた。この本が元になったんだろな。
偉大な作品。
Posted by ブクログ
巨大宇宙船が地球に到来したことで、地球上の人々に変化が訪れる。本作は全部で三部構成となり、特に第三部の最後の世代については、人類はどのようにして終わるのかを想像したときに考えさせられる。地球規模を超えた壮大なストーリーが本作の特徴である。人類は現代に至るまでにさまざまな分野で高度化して、古代と比べると、より多くの人々が豊かさを享受できるようなった。以前なら苦労した出来事が現代なら、いとも簡単に得られるようになり、解決できるようになった。しかし本作のように地球を超越するような存在に接触して、平和という名目で地球そのものが管理されるようになると、人類は長期的に見てどうなるのか、とりわけ子供がいない世界になるとどんな末路を辿るのかは見物である。
Posted by ブクログ
SFに抱くアクション映画的なイメージとは裏腹に、哲学や宗教、政治について考えさせられる一冊です。
人が何に対して関心を抱き、何を恐れるのか。オーバーロードの統治を通じて人の本質を感じられました。
Posted by ブクログ
SF好きを明言しながら未読なのもどうかと思い、意を決して読んでみましたが、これまで読んでいなかったことを大後悔…!ベストSFに上げる方が多いのも納得の大傑作でした。
オーバーロードという人類を超越する存在との接触を描く前半は、いわゆるファーストコンタクトものとして展開していきますが、後半、オーバーロードの目的が明かされてからは、物語の様相が一気に様変わりします。さらなる上位種の存在、個を消失し進化する人類、道を閉ざされながらも個としての未来を諦めないオーバーロード。これは悲劇なのか喜劇なのか。一言では言い表せない展開と結末に、読後、しばらく呆然としてしまいました。
Posted by ブクログ
読み終わってポカーンとしてしまった。空虚、おいてけぼり、消化不良、うまく言えないがそんな感じ。
圧倒的な科学力で人類を間接支配する「オーバーロード」は、人類にかつてない繁栄と平和をもたらしたが、あまりに圧倒的すぎる力の前に人類はハングリー精神を失う。オーバーロードの真の目的は後半まで明かされない。
真の目的が明かされたとき、「は?」と思った。圧倒的科学力を持つオーバーロードのさらに上位「オーバーマインド」がいて、科学力などではどうにもならない存在だという。
科学力が唯一の宗教となった人類というか我々にはまさに想像がつかない。科学だけでは進化の限界があり、オーバーロードは進化できない。オーバーロードはそれを知っている。だから人類のテレパシー的能力を観察する。
やがて今の人類と地球は消滅して、新たな「子ども」は目的なく個性なく地球上に漂う。
こんな展開というか設定があるのか。ハッピーエンドとかバッドエンドとかそういう話ではないな。前半のファーストコンタクトなエピソードはオマケに過ぎないな。
進化はの果てに何があるのか?進化は真の幸せをもたらすのか?目先のテクノロジー設定が巧みに隠されているおかげで古さを感じにくい普遍的物語になっていると思う。
Posted by ブクログ
宇宙人到来!「インディペンデンスデイ」ばりの衝撃!でも何もしない。宇宙船からじっっっ…と見てるだけ。という入りがまず不気味で一気に引き込まれる。「え…何しに来たん???」「どんな姿なん???」「つかどっから来たん???」という状態から何十年もかけて人類とコンタクトを取っていく。少しずつ少しずつオーバーロードの正体が分かっていったり、地球文明も宇宙人ことオーバーロードたちと関わっていくうちにいろんな発展を遂げていき、最後はとんでもない所まで話が進んでいくのでじわじわ面白くなっていくタイプの作品。言語化が難しいのだが、現在までSFだけに限らず色んな作品に影響を与えたらしく、発表当時はかなり画期的だったのではないかと思われる。正直、既視感がすごいけど「この作品だとこの展開に対するカウンターがあるな」とか「この作品はここをオマージュしたのかな」など他作品の考察もできてなかなか面白かった。では他作品と比べて元祖とも言える本作はというと、展開に対するド直球さが逆に全然わざとらしくなくてスッキリするし、文章がとっても詩的で美しい。一周回ってむしろ新鮮に思える。
Posted by ブクログ
★3.5かなぁ。
ストーリーとしても面白いし、ちょっとした詩的感もある。また、ある種の諦念が全体に漂っているところもストーリーの組み立て、キャラ設定に役立っているかと。
ただずっと静かな感じが続くのでエンタメ的には少々物足りない気もする。この点で最近読んだ「星を継ぐもの」の方が上かなぁ、個人的には。
まぁ好みのレベルかと思われ、一読をば、という小説でした。
Posted by ブクログ
もしも突然、人類より上位の存在が地球に到来したら。。。
オーバーロードは敵なのか、味方なのかとヤキモキしながら読んでいたが、結局はそのどちらとも言い難い存在だった。
超科学的な結末で全く予想できなかった。
SFの古典を読めてよかった。
いろんな作品に影響を与えてそうだなと思った。
Posted by ブクログ
以下の問を、人類よりも発展した種族≒宇宙人の出現というストーリーの中で描きたかった本である。と読んで思った。
・人間というものは、何を希求して生きているのか?
・人類とはどんな世界を目指し、どんな道を選んできたのか?
・人類はどのような発展ないし進化、変化をとげていくのか?
目的意識、論理的発展、科学の発展という現代が希求していることの限界を感じた。
サイエンスフィクションでサイエンスの限界を描くというのはSF名著で共通して見られると思った。
「議論をやめて事実を集めるべきだ。それには行動が必要だ」
「これが人類のメタモルフォーゼの結果なのか。」
この言葉が心に残った
Posted by ブクログ
(⌐■-■)宇宙人がサタンの容姿なのがちとキモイ。映像化するとチープになりそうだな。
⊂|⊃
[ಠ_ಠ]まずまずおもしろくて読ませるけど、巻末あたりの情景描写の漢字が読めないな。
Posted by ブクログ
いきなり地球外生命体と出会い、たちまち人類が精神的に支配されていく過程は、リアリティがありとても面白かった。
自分は「成長」という概念に疑問があるので、オーバーマインドなる人類よりも遥かに優れた存在が、成長を望んでいるのが、どこか信じられなかった。
個人の意識が溶け合って一つになるのは、どこか東洋思想っぽくて好きだった。
オーバーロードの住む惑星の描写がとても綺麗で、50年代に描かれたとは思えない。しかし、2020年代には高レベルのCGがあり、アバターのような映画も存在するので、感動が薄れてしまった。もっと前に読めたらよかった。
Posted by ブクログ
人類が娯楽にふけり、遊生夢死していたときが「黄金世代」と称されていたのを恐ろしく感じた。小人閑居して不善を為すとはまさにこのこと。
人類そのものの存在理由や運命を問いかける作品。作品としては文句なしだが、私の性には合っていなかった。「すばらしき新世界」を読んだ時は著者の物事についての思想が語られていて終始学びのある読書だったが、本書ではストーリー重視といった所だろうか。ただ、これは単に個人の好みであると感じている。
本書では地球の運命の一切をオーバーロードに委ねられている状態である。人自身の手で作られたユートピアと人以外によって作られたユートピアという点で他のSFとの違いを見出すことができる。人以外によって統治された地球はこのような悲惨、壮絶な最期を迎えるとなると、やはり人類の主人は人類でないといけないという結論になるのだろうか。