アーサー・C・クラークのレビュー一覧

  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    Chat-GPTが流行る昨今、改めて読み返すとHALの存在がよりリアルに感じられる色褪せない傑作。機械は現実に自我を持とうとしているのか、それとも人間の知性を模倣する存在に過ぎないのか。何度でも読み返してその時の情勢と照らし合わせたい。

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    2023年03月14日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    原題 2001 : A SPACE ODYSSEY

    D'où venons-nous ?
    モノリスに与えられた〝きっかけ〟により、
    Que sommes-nous ?
    道具を駆使することで世界のあり様を変え、
    Où allons-nous ?
    ヤペタスを通って似合の玩具を手に入れる。

    HAL(アルファベット順で一文字ずらすとIBM)9000の反乱は、人が作り出した道具に人が除外されるという、進歩の昏迷に息苦しくなります。

    相対性理論(光より速くは移動できない)が足枷となって知的な存在との邂逅はないでしょうし、宇宙で孤立していることに変わりはないですね。

    それじゃつまんないな

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    2023年03月13日
  • 2010年宇宙の旅〔新版〕

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    「2001年宇宙の旅」といえば、スタンリー・キューブリックの映画で有名ですが、その原作者(というか小説版)がビッグ3、アーサー・C・クラークであることは、たぶん知ってる人は知っている。本書は、映画版「2001年宇宙の旅」を下地にした続編です。なぜ映画版と記載したかというと、原作と映画版では舞台が違うんですね。原作は目的地が土星であるのに対して、映画版は木星。ということで、本書では木星を舞台に話が展開していくことになります。

    素晴らしい作品の続編、かつ、特にその続編が当初計画されていなかった場合においては、どうしても続編自体が蛇足と思われたり、一作目と比較されて下にみられる印象があります。とこ

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    2023年02月13日
  • 幼年期の終り

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    ネタバレ

    オーバーロードと出会ったばかりの頃である第一部を読んでいる時が一番楽しかった。まだ幼年期であるこの世代の人々が最も私自身に近いからだと思う。共感しながら読めるのだ。
    何が隠されているのだろうと恐れながら読んだが、科学を超えた力がその上に君臨しているなんて考えてもみなかった。たしかに努力ではどうにもならない世界だ。
    地球人類の終わりもそうだが、オーバーロード達のこれまでとこれからのことを考えて絶望感に打ちひしがれた。本当に突然変異でもしない限り、流れを変えるのは難しいのだな。
    結果的に、地球人類は自滅の期限を少し延ばしたというだけだった。宇宙規模で見れば。それがまた虚しくもある。
    時代によって語

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    2022年11月03日
  • 幼年期の終り

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    ネタバレ

    ずっと前に読んだことがあるはずなんだけど、後半の展開はまったく覚えてなかった。そのおかげというかなんというか、衝撃の結末だった。人類の未来について書かれた作品は星の数ほどもあるけど、ユートピアとかディストピアとか、希望とか絶望とか、そんな物を超越した未来。種としては高次元の存在になったんだろうけど、それがいい事なのか私にはわからない。

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    2022年11月01日
  • 宇宙のランデヴー〔改訳決定版〕

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    途方もないスケール感に圧倒される内容だった。
    時は22世紀、地球に飛来した大隕石を契機として、小惑星や彗星の活動を監視する宇宙システムが構築されたが、深宇宙から太陽系に向かってくる、ある飛翔体の異常さが見つかった。自然界のものではあり得ない完全な対称系の形状から、探査船がドッキングして調査することが決まる。地球の文明以前の百万年以上も前から飛び続けてきた時間のスケール感、長さ50kmで幅20kmという超巨大なサイズのスケール感、いずれも人智を超えた驚異であり、完全な円筒形という神秘さからも異星文明との遭遇が期待される。
    この飛翔体はラーマ(インドの英雄神)と命名され、物語はラーマ内の探索へと進

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    2022年09月23日
  • 幼年期の終り

    購入済み

     

    面白かった。
    超有名作品だけど読んだことがなかった。
    色んな作品に影響与えるのも納得の面白さ。
    素晴らしいSF作品だった。

    #深い

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    2022年09月28日
  • 宇宙のランデヴー

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    木星付近で発見され、太陽に向かって進む謎の円柱。直径約100kmの物体は「ラーマ」と名付けられ、その動向が注目された。探査船エンデヴァーで到着したノートンたちはラーマの北極の面に着陸し、そこで入り口らしきものを見つけた。その入口を入ると、内側に広がっていたのは、小型の生態系であった…。

    古典SFを読む月間。宇宙、SF、物理学、生物学、環境、機械その他諸々を網羅し尽くし、さらには未知の環境を探索する冒険小説も含む、いたれりつくせりの全世代対応のSFである。すばらしい。

    ラーマの内部が、まず凍りついているが、回転をすることで重力を生み出しているというアイデアから、太陽に近づくにつれて温度が上昇

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    2022年08月09日
  • 幼年期の終り

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    ネタバレ

    クラークは20代の頃に何冊か読んだが、「幼年期の終わり」は今まで読まずじまいだった。人類の幼年期が終わる様子に結構な衝撃を受けた。でもきっとそうなんだろう。進化は福音であるのと同時に強烈な喪失感を伴うのだ。

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    2022年07月19日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    ネタバレ

    映画2001年宇宙の旅を製作50周年記念上映で視聴しており、帰りに本書を書店で購入して帰って以来積んでいたがようやく消化。アーサー・C・クラークは地球幼年期の終わりを途中まで読んだ程度。
    本書と映画の関係がいまいち掴みきれていなかったが、どうやら原作でもノベライズ化でもなく制作は同時進行だった模様。途中までは足並み揃えていたが……ということらしい。訳者あとがきに試写会に参加したレイ・ブラッドベリの逸話が載っており、ちょっとクスッとした。

    映画が観念的すぎてよくわからなかった……と消化不良に陥る人は多いのではないかと思うが、本書はかなり丁寧にさまざまな事柄が説明されているため読後はスッキリする

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    2022年03月08日
  • 楽園の泉

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    宇宙エレベーター(軌道エレベーター)建設の実現を目指す技術者の壮大なSFロマン。
    21世紀に入って実現の可能性が高まっているらしい、軌道エレベーター建設を1979年に描いた小説。全体の構成としては「プロジェクトX」風とどなたかが書いていた通りの感じ。不可能を可能にしていく建設への積み重ねと、現地スリランカの架空歴史ロマンや、地球外知的生命体との接触もからめて物語は進んでいく。ハードSFとして技術的な話も多く、中盤まで起伏がやや緩やかな展開に感じたが、未知の事象に向かっていくセンス・オブ・ワンダーは健在。アクシデントが続く終盤のスリルと緊張感には映画のような迫力があってのめり込んだ。圧巻の結末に

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    2021年08月06日
  • 宇宙のランデヴー〔改訳決定版〕

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    ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞/その他、燦然たる受賞歴を持つアーサー・C・クラークの傑作。西暦2130年、未知の人工物体が太陽系に進入し、宇宙船エンデヴァー号の調査隊が探索することになるが、「ラーマ」と名づけられたこの謎の宇宙船は驚異に満ちていた……。
    いわゆるファーストコンタクトもので、王道ともいえるセンス・オブ・ワンダーにしびれ、終始ワクワクが止まらなかった。惑星連合や重婚制度など、さりげなく22世紀の未来社会を独自の世界観で描いているのも面白い。これほどのタイトルにもかかわらず、いまだ映画化されていないせいか、一般の知名度は今ひとつな気がする。初代プレイステーションでゲームにはなっ

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    2021年07月27日
  • 都市と星(新訳版)

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    銀河宇宙に進出した人類はその後滅びの道をたどり、地球にただひとつ自己完結型のユートピア都市を建設してその殻に閉じこもった。十億年の停滞を経た後、未知への探究心をおさえられない一人の若者が、ついに外の世界への扉を開く。
    冒頭からVRゲーム?が出てきて面食らった。唯一都市の設定が面白く、人間のデジタル化、千年の寿命、心象の視覚化システム、オンライン通話などなど、これが1956年の小説であることに驚くばかり。地球全土は砂漠化しており、都市の外には何があるのか。主人公に共感して興味がおさえられないまま物語は引っ張られていく。探索の舞台はやがて星々の世界に広がり、人類の精神性とその進化にまで言及される。

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    2021年07月16日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    モノリスという言葉は知っていたけど、どんなものか知らず。ようやく読めた。
    不可思議な物体に導かれるように宇宙の旅に。
    予期せぬトラブルを乗り越えたどり着く世界。
    映画と同時進行で書かれたという世界は、極上のエンタメと奥深い文学の世界が両立する域に到達。

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    2021年04月29日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    ネタバレ

    2021/1/

    モノリス 真っ黒な角ばった物体

    ヘイウッド・フロイド博士
    ジム・フォースター 連合ニューズ
    ジミトリ ロシア天文学者
    ロイ・マイクルズ 惑星物理学者
    ラルフ・ハルボーゼン 南部地方の行政官

    ・ディスカバリー号
    デイビッド・ボーマン 主席キャプテン
    フランク・プール
    ホワイトヘッド
    カミンスキー
    ハンター
    ハル9000 AIコンピューター

    TMA・1


    すごーく有名なSFなのに、タイトルだけ知ってるだけ。
    そこそこSF好きなのに、未読だし、映画も観たことない。
    読み終わってから映画を観たい。

    1977年に書かれ、1993年にクラークの序章が入った完全版収録。
    映画より

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    2021年01月20日
  • 宇宙への序曲〔新訳版〕

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    宇宙船が月に発射されるまでの期間を、歴史学者の視点から追っていく話。
    クラークらしく、人物の所感とか動機とかの部分に重きが置かれている。ちょうおもしろかった、クラークは良いなあ〜〜〜。

    基本は淡々と出来事が進んでいく。でも、ときにイベントや事件が起こる。ハッセル、ウィルクスのくだりはそれぞれ胸にくるものがあった。
    終わらせ方も全然想像できていなかったけれど、なんだかえらく感動してしまって泣いてしまった。

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    2020年07月18日
  • 都市と星(新訳版)

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    ネタバレ

     12年振りのアーサー・C・クラーク。コロナの影響でどこにも行けないゴールデンウィークだからこそ、ハードSFでどっぷりと世界観に漬かりたいと思い読むことにした。
     タイトルからは内容の想像が湧かないが、主人公である少年、アルヴィンの冒険譚といったところ。ただし、少年の冒険とそれを通じた成長を描くだけではなく、物語は人類の今後と宇宙の終焉まで見据えた壮大な物語へと発展してゆく。そのダイナミズムに圧倒される上に、人生の歩み方に関する哲学的な問いまで吹っ掛けられる心地にもなり、視覚的にも精神的にもガンガン揺さぶりをかけてくる、長期休暇に持って来いの小説だった。

     この物語の舞台は、超絶凄いコンピュ

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    2020年05月09日
  • 2001年宇宙の旅〔決定版〕

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    銀河ヒッチハイクガイドと間違えてレビューしてしまった。
    かなり有名なsf作品と片耳に挟み購入。さぞ未来的なものだと思ったら、舞台は人類が誕生する前のアフリカで、頭に3つほどはてなマークを浮かべながら読んでいたら今度は人語が出てきていたりと大変だった

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    2020年04月07日
  • 都市と星(新訳版)

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    NHKの100分de名著で取り上げられるということで、積読を消化したのですが、予想以上の面白さにビックリしました。古典SFって思索的なイメージが強かったのですが、この作品はそのイメージにプラスして、冒険小説のようなワクワク感があるのです。

    物語の舞台となるのはダイアスパーという都市。そこでは人間の誕生や死の概念すらも、現代とは全く違います。生まれてくる人間は、始めから成人の身体。不老不死となった人間は、死のタイミングも自ら選ぶようになり、その記憶はメモリーバンクに保存され、新しい身体へ移されます。そして、その記憶は概ね20才前後で蘇る。

    そんな人間の誕生から、都市のシステムまで全て管理して

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    2020年03月16日
  • 都市と星(新訳版)

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    ネタバレ

    人間を含めたあらゆる物質が管理され、究極的に快適に完成された都市。その外側には何があるのか?と疑問をもつストレンジャー。彼の疑問すらも計算されたもの?という大きな謎がストーリーの根幹です。
    唯一の欠点は、10億年の進化を経て登場人物のビジュアルが現生人類とかけ離れてしまっており、映像としてイメージしづらい点。
    終盤、人類が地球から宇宙へ再出発を目指します。実はこれは古代文明のお話しで、この人類の子孫が我々である…というスジかと期待しましたがどうやら外れたようです。

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    2020年02月01日