アーサー・C・クラークのレビュー一覧

  • 宇宙への序曲

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    アーサー・C・クラークの長編処女作。
    草の根レベルから宇宙開発(当面の目標は有人月面探査)への関心を高めんと、
    物語形式で著された科学啓蒙書。
    軸足はあくまで科学の啓蒙に置かれているため、
    反対派の妨害工作等の描写はあるものの、ストーリーは全体的に起伏に乏しい。
    小説のつもりで読むには辛いが、ソ連との宇宙開発レースの影響で歪められてしまった
    アポロ計画の、本来あるべきであった姿を偲ぶには最適のテキストなのかも知れない。

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    2010年05月31日
  • 海底牧場

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    第2次世界大戦終戦直後のイギリス。
    積み重なった戦費は戦勝国イギリスの経済を破綻に追い込み、
    大英帝国は消滅した。
    連合軍によって開放されたフランスや、敗戦国イタリア、ドイツにおいて
    食料の配給制が撤廃された後においても英国は配給制が続く有様。
    ビーフ・ステーキの代用品として鯨肉が重用されたものの、
    庶民のテーブルには鯨肉さえ上らなかったという。

    人口が爆発的に増加し、食糧の確保が困難となった近未来。
    馬に跨ったカウボーイが牧場で牛を育てたように、
    潜水艇で鯨を追い、育てることで食料問題の解決を図るのが
    本作品の基本骨子。
    著者であるアーサー・C・クラークには戦争直後の、
    長引く食料配給制時

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    2017年05月11日
  • 火星の砂

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    20世紀少年で「ともだち」の息がかかった漫才コンビが≪「広いところ行きたいから宇宙に行くのや!」「ほうほうそれで!」「そしたら宇宙服が窮屈でたまりません!」≫というような漫才をやる。そんな名作。
    日進火歩でも人間はやっぱり人間らしい。話に入っていきやすい。

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    2010年07月04日
  • 宇宙島へ行く少年

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    良くも悪くも「宇宙」に夢のあった時代の
    ほのぼのSFジュブナイルの傑作
    ドキドキが苦手な人も安心して読めます。

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    2010年03月24日
  • 楽園の泉

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    クラークの作品を、初めて読んだ。

    ハードSF って、ちょっと取っ付き難いのだけれど、
    これは面白く読めた。
    終盤は、少し緊張した。

    カーボンナノチューブ、いけるのか?

    1979 年ヒューゴー賞受賞作品。
    1979 年ネビュラ賞受賞作品。

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    2009年12月20日
  • 楽園の泉

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    今まで宇宙エレベータはロケットよりもダサいと思っていた。
    その認識を心より恥じる。
    宇宙エレベータから外をのぞくのは、どんなにかすばらしい景色だろう。
    早くカーボンナノチューブが巨大化して実際に宇宙エレベータが出来ればいい。でも、解説にあったとおりどう考えてもNASAの従来型の宇宙戦略とは真っ向から対立するので難しいか。
    この本では、そうした政治的な対立軸は「科学技術V.S.宗教」の形に落とし込まれているわけだけれども、その解決方法は荒唐無稽ながら神秘的なユートピアを感じさせて興奮した。

    特に、前半部分におけるカーリダーサの記述は、エピローグの最後の一文と相まって泣きそうになるような、壮大な

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    2009年12月11日
  • 海底牧場

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    海を主体とする小説は少ないけど、そのすべてがいい。
    これは、22世紀の海を管理するようになった人間の話。
    思ったより話が面白かったので、そこもいい。
    こういう想像力はどこからでるんだろう。

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    2009年10月04日
  • 楽園の泉

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    宇宙エレベータ協会から、宇宙エレベータに興味をもって楽園の泉を読みました。
    クラークさんの作品はかつて散々読みましたが、たぶんこの本は最初の部分にメゲテ読み終らなかったのだと
    思います。壮大な宇宙エレベータの構築はダムの建設や海底トンネルの建設と同じかそれ以上に事故と闘った
    勝利として誕生するんだと思いました。
    飛行機も危険な乗り物から一般人の乗り物になった様に、エレベータに乗れる日が来ることを楽しみにしたいと
    思います。

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    2009年10月04日
  • 2061年宇宙の旅

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    前半ではハレー彗星をテーマとした話が展開され、必然的に今までのオデッセイシリーズで何度も登場してきたガリレオ衛星からは離れることになる。これによって若干戸惑いは感じるものの、その描画の素晴らしさには変わりがない。
    後半ではエウロパに舞台が移り、その謎を少しずつ解明していくことになる。次作では全ての謎が明らかにされるのだろうか。話に引き込まれたままとりあえず今作は終わる。

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    2018年11月10日
  • 楽園の日々 アーサー・C・クラークの回想

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    ■引用
    p328
    第一法則:著名だが年配の科学者が、なにごとかが可能だと言えば、それはまずまちがいなく正しい。しかし彼が不可能だと言えば、たいていの場合はまちがっている。
    第二法則:可能性の限界を知る唯一の方法は、それを越えて不可能の段階に入ることである。
    第三法則:充分に進歩した技術は、魔法と区別できない。

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    2009年10月07日
  • 3001年終局への旅

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    「2001年・・・」から読んでますが、個人的には「2001年」の方が好きです。だってモノリスがー・・・。

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    2009年10月04日
  • 3001年終局への旅

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     オデッセイシリーズの最終章。基本的に2061年の続編ではありませんが、世界観は同じです。しかし、終わり方に夢がないのでこのシリーズの世界観が好きな人にはお勧めしません。
     でも、納得いかない終わりとはいえ、結末は結末です。

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    2009年10月04日
  • 神の鉄槌

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    預言者クラークの書。隕石衝突モノでも、その時地球では…という地上での人々の話ではなく、宇宙から俯瞰で展開するストーリーが面白かった。

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    2009年10月04日
  • 3001年終局への旅

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    モノリスの創造主との戦いが繰り広げられるシリーズ最終章。
    3001年の世界では恐竜の庭師が、宇宙空間で園芸をしているという想像もつかない世界を描けるのは…Dr.クラークだけ!

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    2009年10月04日
  • 幼年期の終り

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    ★3.5かなぁ。
    ストーリーとしても面白いし、ちょっとした詩的感もある。また、ある種の諦念が全体に漂っているところもストーリーの組み立て、キャラ設定に役立っているかと。
    ただずっと静かな感じが続くのでエンタメ的には少々物足りない気もする。この点で最近読んだ「星を継ぐもの」の方が上かなぁ、個人的には。
    まぁ好みのレベルかと思われ、一読をば、という小説でした。

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    2025年10月29日
  • 幼年期の終り

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    ネタバレ

    もしも突然、人類より上位の存在が地球に到来したら。。。
    オーバーロードは敵なのか、味方なのかとヤキモキしながら読んでいたが、結局はそのどちらとも言い難い存在だった。
    超科学的な結末で全く予想できなかった。

    SFの古典を読めてよかった。
    いろんな作品に影響を与えてそうだなと思った。

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    2025年09月11日
  • 宇宙への序曲

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    日経新聞に早川書房社長のコラムの連載があり、その中で著者のクラーク氏のことが触れてあったのを読んだら無性にクラークSFを読みたくなってしまいました。
    未読の本書があったので読んでみる。

    人類の月着陸船プロジェクトを詳細に描く本作はもちろんアポロ計画より前に発表されながらも実にリアルに描かれた、あり得たかもしれない宇宙計画だ。宇宙へのあこがれや地上の諸問題をほっぽらかしてなぜ宇宙へ行くのかといった観点を正面から描き清々しい。第二次対戦をのりこえて世界がむかうべき道が宇宙に広がっているとか、成層圏の外側に国境はないとか、今読めば赤面するくらい真っ直ぐに描く。月へ向かう多段式ロケットは原子力エンジ

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    2025年07月12日
  • 幼年期の終り

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    以下の問を、人類よりも発展した種族≒宇宙人の出現というストーリーの中で描きたかった本である。と読んで思った。
    ・人間というものは、何を希求して生きているのか?
    ・人類とはどんな世界を目指し、どんな道を選んできたのか?
    ・人類はどのような発展ないし進化、変化をとげていくのか?


    目的意識、論理的発展、科学の発展という現代が希求していることの限界を感じた。
    サイエンスフィクションでサイエンスの限界を描くというのはSF名著で共通して見られると思った。

    「議論をやめて事実を集めるべきだ。それには行動が必要だ」
    「これが人類のメタモルフォーゼの結果なのか。」
    この言葉が心に残った

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    2025年07月03日
  • 渇きの海

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    月面。何十億年もの歳月をかけて微細な塵が堆積した"渇きの海"を航行する観光船が、地殻陥没による渦に巻き込まれて遭難した。22人の乗客とともに…。次々と起きる危機、絶望的な状況下で知力を絞って救出に挑む人々の奮闘を描いた名作SF。
    「渇きの海」(1961)A·C·クラーク
    #読書好きな人と繋がりたい

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    2025年06月15日
  • 神の鉄槌

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    ネタバレ

    クラークは昔よく読んだ作家だが、この小説のことは長らく知らなかった。映画「ディープインパクト」の原案とのことで、「悪魔のハンマー」のようなカタストロフィ物を期待して読み始めた。前半はクラークお得意の近未来社会描写の中で、一人の男の努力や挫折が中心に描かれ、「海底牧場」的な感動話になるのかとも思ったが、カタストロフィ物としてはやや緊張感に欠ける。終盤になって彗星の軌道をずらそうとする現場の描写が中心となり、ようやく盛り上がり始める。結局、人類滅亡は免れたが彗星の一部は地球に衝突し多くの人々が犠牲になった。その時の人々の生き様を丹念に描いたのが「悪魔のハンマー」だが、ニーブン&パーネルが1000ペ

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    2025年04月23日