感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2021年08月06日
宇宙エレベーター(軌道エレベーター)建設の実現を目指す技術者の壮大なSFロマン。
21世紀に入って実現の可能性が高まっているらしい、軌道エレベーター建設を1979年に描いた小説。全体の構成としては「プロジェクトX」風とどなたかが書いていた通りの感じ。不可能を可能にしていく建設への積み重ねと、現地スリ...続きを読むランカの架空歴史ロマンや、地球外知的生命体との接触もからめて物語は進んでいく。ハードSFとして技術的な話も多く、中盤まで起伏がやや緩やかな展開に感じたが、未知の事象に向かっていくセンス・オブ・ワンダーは健在。アクシデントが続く終盤のスリルと緊張感には映画のような迫力があってのめり込んだ。圧巻の結末にクラークの偉大さを再度思い知らされた。やっぱすげえ。
Posted by ブクログ 2013年07月07日
ハードSF長編。いわゆる「軌道エレベーター」の建造がメインのお話で、それに宗教的世界観と科学との対比が入ります。
現代になってようやく可能性が囁かれはじめた軌道エレベーターだけど、1970年代にこんなに緻密に描かれてたなんてびっくり。さすがの巨匠です。
読んでる時の感覚は技術系/歴史系ドキュメンタリ...続きを読むーに近いんだけど、エピローグまで読み終えたらやっぱり見事なSF長編でした。素敵!
Posted by ブクログ 2012年11月01日
人類の歴史に名を刻む一大事業を成し遂げた男の物語。
宇宙エレベーターとスリランカの宗教の雰囲気が不思議とマッチしてる。
巨大建造物ってわくわくするな。個人的には宇宙エレベーターの建造をもっと詳細にやってほしかった。スタードライバーは結局なんだったんだ。
Posted by ブクログ 2011年11月25日
未来のプロジェクトX。科学者というより技術者の物語なのだが、これが書かれた時代はフォンブラウンやお茶の水博士など、科学者が製作や運用もやってしまうのが一般的だったんだろう。
宇宙エレベーターは次世代の技術として、是非実現させるべきである。これがないと、例の巨大な円形の宇宙ステーションなど、資材が重す...続きを読むぎて建設できないだろう。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
宇宙エレベーターから見るオーロラの描写が何年たっても色褪せることなく、鮮明に甦ってきます。クラークのこういった描写ってすごいなーって思った作品です。
Posted by ブクログ 2016年11月11日
軌道エレベーターを作ろう!って話。何かでかく、バーン!!っていうのは無いけど、ゆっくり静かに話は進んでいって、堂々のフィナーレへ。それこそ意味通りの命をかけた大事業の話です。
Posted by ブクログ 2016年04月08日
SF世界での、技術者のロマン。
闘うものは、素材と技術の限界、宗教、人びとの世論、そして気候と宇宙。諦めない主人公と、宇宙エレベーターという途方も無いスケールの建造物には心躍った。でもやっぱり幼年期の終わりの方が好きかな。
Posted by ブクログ 2015年08月28日
全長4万kmの巨大な「宇宙エレベーター」建設を夢見る技師モーガンが建設地の候補として選んだ南アジアの島国・タプロバニー。古代の伝説に彩られた美しい島に聳えるスリカンダ山の頂上がその候補地だったが、そこには長い歴史を持ち民衆からも愛される寺院が存在していた。寺院の説得に苦戦するモーガンが試行的に実施し...続きを読むたケーブル実験の完成が迫る中、突然の嵐がやってくる。絶望の中にも希望を見いだそうとするモーガンの前で展開されるある奇跡。
宇宙エレベーター建設が始まってからも、ひとつまたひとつと様々な困難がモーガンの前に立ちはだかる。彼を支える仲間たちと共に、夢の実現に邁進するモーガンが、最後の最後に見た光景とは?
巨匠クラーク、後期の代表作。後期のクラークに特徴的な悠揚迫らざる筆致と淡々としたストーリー展開はこの作品でも顕著で、血湧き肉踊るドキドキわくわく感を期待するタイプのSFではありません。一人の技術者の挑戦を丹念に描いていく、大人のSFです。
ストーリーの中心は前半と後半とで大きく異なり、前半は古代から連綿と続くタプロバニー文化を背景に、スリカンダ山頂の利用権を巡るモーガンと寺院との策略合戦を描き出します。タプロバニーの歴史と宇宙エレベーター建設という未来技術、全く相容れないと思われた二つのものが、第三部のラストで魔術的な融合を果たして夢のような光景を現出させます。実験の失敗に打ち拉がれるモーガンの目の前に突如現れる、舞い狂う黄金の蝶の群れの何と言う美しさ!前半のストーリー展開の平坦さはちょっと忍耐を擁しますが、この第三部までは頑張って読み進めてください。SFには理系の知識だけでなく社会科学系の視点も入れると物語に深みが増す、ということがよくわかる、読み応えのある展開です。
後半は宇宙エレベーターの建設が本格化してからの話。クラーク流のハードSFが堪能できる、端正でサスペンスフルな展開です。ところどころに登場する詩的な情景描写も見所の一つ。
鴨的には、やっぱり前半部分の歴史と科学の見事な融合が印象的なだけに、後半のあるシーンでのセンチメンタリズムが鼻に付いたのとラストの尻切れトンボ感がかなり残念。たぶんクラークは、最後の一行を書きたいがために、このラストシーンを持ってきたんでしょうね。
Posted by ブクログ 2014年10月03日
軌道エレベータはガンダムにも登場するぐらい、SFではポピュラーなアイテムである。軌道エレベーターは1895年にコンスタンチン・ツィオルコフスキーと言う人が本の中に書いているらしい。SF小説ネタでもこの本が初見と言うことでも無さそうだが、軌道エレベータを描いた一番有名なSF小説ではありそうだ。今更アー...続きを読むサー.c.クラークでもないのだが、さすがにSF界の巨匠である。今読んでも全く古めかしい感じはしない。
軌道エレベーターの建設に人生をかける技術者を軸に軌道エレベーターの起点となるスリランカ(赤道直下にある設定)の山にまつわる古代の争い、火星の開発といったストーリーを絡め物語を大きく膨らませるのである。
この本のおかげで、最近またぞろSF小説を読み始めているのであります。
Posted by ブクログ 2013年11月15日
軌道エレベーターでござい。こんなん1979年に書かれちゃうんだもんな。しかも太古の簒奪者の物語が2000年を超え円環をつくり、そこから1500年を超え地球に円環を造るに至る、文明賛歌の物語となる。
ディストピア志向のない作品ってたのしいよね。
Posted by ブクログ 2012年10月20日
宇宙へのエレベーターにすべてをかけた
科学者の記録。
決してそのエレベーターは
幸先のいいものではなく
ひとつの幸運がなければなしえなかったこと…
クラークの魅力は読みやすいところです。
ただし、少しこの本は哲学が
入りますので苦手な人は苦痛でしょう。
面白いのですがね。
そして、この計画は
似...続きを読むたものが少し前に出てきたのです。
その合致にちょっとびくっ、となりました。
Posted by ブクログ 2009年12月20日
クラークの作品を、初めて読んだ。
ハードSF って、ちょっと取っ付き難いのだけれど、
これは面白く読めた。
終盤は、少し緊張した。
カーボンナノチューブ、いけるのか?
1979 年ヒューゴー賞受賞作品。
1979 年ネビュラ賞受賞作品。
Posted by ブクログ 2009年12月11日
今まで宇宙エレベータはロケットよりもダサいと思っていた。
その認識を心より恥じる。
宇宙エレベータから外をのぞくのは、どんなにかすばらしい景色だろう。
早くカーボンナノチューブが巨大化して実際に宇宙エレベータが出来ればいい。でも、解説にあったとおりどう考えてもNASAの従来型の宇宙戦略とは真っ向から...続きを読む対立するので難しいか。
この本では、そうした政治的な対立軸は「科学技術V.S.宗教」の形に落とし込まれているわけだけれども、その解決方法は荒唐無稽ながら神秘的なユートピアを感じさせて興奮した。
特に、前半部分におけるカーリダーサの記述は、エピローグの最後の一文と相まって泣きそうになるような、壮大な気分を引き立たせてくれている。物語の構造としては、純粋な「エンジニアが数々の困難を乗り越えて次世代の技術を確立する」ことに過ぎないのだけれども、その背後にラーマーヤナ的な永遠性を付加しているのが、ありきたりでは在るが突出した一人の古代の王であり、彼はその永遠性を想像することすら出来なかったのであろうことが、なんとも言えずに面白い。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
宇宙エレベータ協会から、宇宙エレベータに興味をもって楽園の泉を読みました。
クラークさんの作品はかつて散々読みましたが、たぶんこの本は最初の部分にメゲテ読み終らなかったのだと
思います。壮大な宇宙エレベータの構築はダムの建設や海底トンネルの建設と同じかそれ以上に事故と闘った
勝利として誕生するんだと...続きを読む思いました。
飛行機も危険な乗り物から一般人の乗り物になった様に、エレベータに乗れる日が来ることを楽しみにしたいと
思います。
Posted by ブクログ 2021年04月18日
宇宙エレベーター建設をめぐるハードSFでありながらも、宗教や異星人とのファーストコンタクト、架空歴史ものの要素も盛り込まれた作品。
宇宙エレベーターの建設への理想的な場所が、3000年の歴史を持つ寺院が建つ霊山の山頂。ここで描かれる宗教と科学の対立。思索的な部分や抽象的な話が多くて、前半はかなり苦...続きを読む戦しました。なんとなく読み進めていたらいつの間にか、具体的な建設の話に移ってしまっていた印象で、自分の読み込みが追い付けなかったのがもったいない……
一方で宇宙エレベーターの描写や、異星人とのファーストコンタクトの歴史が語られる場面の壮大さがよかった。人間の技術では測れない異星人との出会いが人類にもたらした、宇宙への夢や憧れ、そして野望。また超技術を持った異星人が存在するとわかった時、人は宗教を、そして神をどうとらえ直すのか。壮大な思考実験を小説という形で、読者である自分にも突きつけられるような気がします。
そして徐々に実現が近づいてくる宇宙エレベーター。しかし、完成直前に大きなトラブルが起こり……
科学が進んだ世界での宗教の立ち位置や在り方が前半のテーマなら、後半は打って変わって極限の困難に挑む、科学とそして人間の可能性を信じるドラマの部分がより強く打ち出されます。ここも理論がしっかりとしていたり、宇宙エレベーターを頭に描くSF的な想像力は必要とされますが、老齢の技術者がたった一人で困難に挑む姿と、宇宙の描写は分からないながらも壮大かつ、心躍らせ胸熱くするものがありました。
そしてエピローグで物語はさらなる時代を、宇宙を超えて紡がれる。科学と宗教、そして宇宙エレベーターという壮大なテーマを締めくくる、しみじみと残るものでした。
自分の理解が足りず読み逃しているポイントも多々あるとは思うのですが、それを補ってあまりある魅力のある作品だったと思います。
Posted by ブクログ 2020年11月08日
アーサーCクラーク 「楽園の泉」
地球と宇宙空間を結ぶエレベーター建設をめぐるハードSF。一人称だが2千年を行ったり来たりするので、意外と読みにくい
テーマは 政治と宗教の時代から、科学と精神の時代への変化であり
タイトル 楽園の泉は 精神的な慰め、永遠の生命 を意味しており、精神性の象徴な...続きを読むのだと思う
宇宙エレベーターは 科学の象徴であり、物語の中で 科学と宗教、科学と自然の共生を描くことで、時代の変化を明らかにしているのでは?
Posted by ブクログ 2020年02月01日
軌道エレベータの完成を目指すエンジニアの奮闘記。
宗教と科学の対決、というハインライン先生お得意の重厚なテーマが一貫するのかと思いきや、中盤であっさり決着がついてしまう。
後半はハリウッド映画ばりの緊張感あるレスキュー劇。急に軽い話。
2,000年前の古代のエピソードに始まり、エンディングでは遥か遠...続きを読むい未来に飛ぶスケールの大きさはさすがです。
Posted by ブクログ 2018年10月28日
【由来】
・もちろん、出た時から知ってるし宇宙エレベーターだし。ハヤカワの電子書籍50%オフと、それで購入したSF2000レビュー本がトリガー。
【期待したもの】
・
【要約】
・
【ノート】
・面白かった。大体が一人の男が宇宙エレベーターをつくるのに打ち込むストーリーだが、最後が想像されるよ...続きを読むうな大団円じゃない。ある意味、それを上回る未来讃歌。
・宇宙エレベーターは銀河英雄伝説だったり最近はGのレコンギスタ辺りで出てくるが、SFとしては本書が最初。しかも実際は宇宙工学や物理学の世界で最初のアイディアは提唱されたらしい。それを自分のものにして、ここまでのストーリーをつくる。しかも、細部のディテールは時代を感じさせないどころか、今の時代に読んで、ますます説得力を増しているってのはすごい。
Posted by ブクログ 2013年10月27日
SF小説は、読み慣れていないので、読むのに苦労しました。が、総じて面白かったです。
宇宙への軌道エレベーター。本当にそれが完成する日がくるのだろうか。もし、完成したとしたら乗ってみたい。