【感想・ネタバレ】楽園の泉のレビュー

あらすじ

赤道上の同期衛星から超繊維でできたケーブルを地上におろし、地球と宇宙空間を結ぶエレベーターを作れないだろうか? 全長四万キロの〈宇宙エレベーター〉の建設を実現しようと、地球建設公社の技術部長モーガンは、赤道上の美しい島国タプロバニーへとやってきた。だが、建設予定地の霊山スリカンダの山頂には三千年もの歴史をもつ寺院が建っていたのだ……みずからの夢の実現をめざす科学者の奮闘を描く巨匠の代表作

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Posted by ブクログ

ネタバレ

全長4万kmの巨大な「宇宙エレベーター」建設を夢見る技師モーガンが建設地の候補として選んだ南アジアの島国・タプロバニー。古代の伝説に彩られた美しい島に聳えるスリカンダ山の頂上がその候補地だったが、そこには長い歴史を持ち民衆からも愛される寺院が存在していた。寺院の説得に苦戦するモーガンが試行的に実施したケーブル実験の完成が迫る中、突然の嵐がやってくる。絶望の中にも希望を見いだそうとするモーガンの前で展開されるある奇跡。
宇宙エレベーター建設が始まってからも、ひとつまたひとつと様々な困難がモーガンの前に立ちはだかる。彼を支える仲間たちと共に、夢の実現に邁進するモーガンが、最後の最後に見た光景とは?

巨匠クラーク、後期の代表作。後期のクラークに特徴的な悠揚迫らざる筆致と淡々としたストーリー展開はこの作品でも顕著で、血湧き肉踊るドキドキわくわく感を期待するタイプのSFではありません。一人の技術者の挑戦を丹念に描いていく、大人のSFです。

ストーリーの中心は前半と後半とで大きく異なり、前半は古代から連綿と続くタプロバニー文化を背景に、スリカンダ山頂の利用権を巡るモーガンと寺院との策略合戦を描き出します。タプロバニーの歴史と宇宙エレベーター建設という未来技術、全く相容れないと思われた二つのものが、第三部のラストで魔術的な融合を果たして夢のような光景を現出させます。実験の失敗に打ち拉がれるモーガンの目の前に突如現れる、舞い狂う黄金の蝶の群れの何と言う美しさ!前半のストーリー展開の平坦さはちょっと忍耐を擁しますが、この第三部までは頑張って読み進めてください。SFには理系の知識だけでなく社会科学系の視点も入れると物語に深みが増す、ということがよくわかる、読み応えのある展開です。
後半は宇宙エレベーターの建設が本格化してからの話。クラーク流のハードSFが堪能できる、端正でサスペンスフルな展開です。ところどころに登場する詩的な情景描写も見所の一つ。

鴨的には、やっぱり前半部分の歴史と科学の見事な融合が印象的なだけに、後半のあるシーンでのセンチメンタリズムが鼻に付いたのとラストの尻切れトンボ感がかなり残念。たぶんクラークは、最後の一行を書きたいがために、このラストシーンを持ってきたんでしょうね。

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2015年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SFファンとして必修であるところのアーサー・C・クラークの代表作。
…まぁこの人代表作ばっかりですが。

本作は特に、元祖軌道エレベータとしての誉れが高いですね。
後世に与えた影響の大きい事大きい事。色々大体こいつのせい。

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2013年06月24日

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