アーサー・C・クラークのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ある日突然、世界中の複数の都市上空に宇宙船が現れる。人類よりはるかに高度な知能と技術を有する"上帝(オーバーロード)"と呼ばれる異星人の介入によって、戦争や貧困は消え去り、人類は一見理想郷のような世界を手にする。果たしてオーバーロードとは何者で、真の目的は何なのか。完全に管理された平和の中で人類の未来はどうなるのかを描いたSF屈指の名作。
結末はまさしく幼年期の終わり。
戦争、貧困、果ては動物の虐待に至るまでが完全に排除(犯す人間がいればオーバーロードの圧倒的な力によって即座に抑止される)された一見理想的な世界で、その世界を是としない人間や、発展を生まないという思考は伊藤計劃『ハーモニー』の描く完全管理社会に近いかも。
宮台真司『14歳からの社会学』でも語られた、理想的な世界は必ずしも幸福な世界にはならないというのはいろんなところで言われる、一つの真理なのかもしれない。(創造性が奪われる、自立する権利が奪われる etc.)
(上司から抽象的な指示がくるときは創造性を駆り立てるために意図してくれているのだ!と思いこむと優しい気持ちになれるのかもしれない。) -
Posted by ブクログ
面白かった!
映画を数年に一度観ては、ああ、この歳でもまだ理解出来ない、とがっかりして、数十年前。でも、この本を読んで、ようやく意味がわかった!
以下興味深い文章、メモ。
、、、
おたがいに大きな打撃を与えることができない。そのような非生産的な行為にかまけるほどの余分なエネルギーはなかった。
「新しい岩」が彼らの心を探り、、、トランス状態がとけた後、長い草の茎を引き抜き、不器用な手つきで結び目をつくる動作を始めた。
「月を見るもの」の石のハンマーがふりおろされ、イボイノシシを抹殺した
、、、
電子新聞の見出しを見ていて、もうひとつ思い出されることがある。コミユニケーション手段が発達するにつれ、その中身がますますくだらなく、けばけばしく、陰惨に見えてくることだった。
、、、
もっと異様な見解をとる論者たちは、真に進化した生物が、有機的な体を持つ必要があるとは信じていなかった。
最後には、脳さえ消えてゆくだろう。
精神もいつかは物質の束縛を逃れ、やがては人々がむかし精霊と呼んだものに至るのかもしれない。
スター・ゲートは三百万年間、待ち続けてきた。
ひとつの世界で知性が生まれ、惑星のゆりかごから抜け出そうとしている。
精神以上に貴重なものを見出すことができなかった彼らは、そのあけぼのを促す事業についた。
進化が新しいゴールをめざして進み始めた。機械が肉体を凌駕するやいなや、移行のときがきた。初めは脳を、次には思考そのものを、彼らは金属とプラスチックのすみかに移し替えた
彼らは、空間構造そのものに知識をたくわえ、光の格子のなかに思考を永遠に保存する仕組みを学んだ。
、、、
なかは空っぽだ、どこまでも伸びている、そして星がいっぱいだ!
、、、
地球から2万光年隔たった二重星の真っ只中に浮かぶ空っぽの部屋で、赤ん坊が目を開き、産声をあげた。
すでに人間を超える集中力をその眼差しに見せて、赤ん坊は透き通ったモノリスの深みをのぞき、多くの謎をながめた。
これほどの力を得たいまでも、自分がまだ赤ん坊並であることは知っていた。とすれば、新しい形態をとる決心がつくまで、あるいは物質にたよる必要がなくなるまで、いまの姿でいるだけだ。