南伸坊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、雑誌あるいはWEB上での連載、「昭和残照」「昭和的センス」を書籍化したものであるらしい。ほぼ1年ほど前、「私説昭和史」と題した「昭和時代回想」「家族の昭和」「砂のように眠る」の3冊のシリーズを読んで以来の関川夏央だったが、今回も「昭和時代」をテーマにしたエッセイ集を読むことになった。
私は1959年というから、昭和34年の生まれ。今の令和の天皇陛下の1歳年上であり、昭和の真っただ中で生まれ育った。関川夏央は1949年の生まれというから、私より10歳年長になる。関川夏央が書く「昭和もの」は、個人的な体験であれば、彼の少年時代から青年時代にかけてのもの、そうでなければ、戦前を含む、私が(関川もだけれども)生まれる前の話も多く、「昭和もの」と言っても、自分が生きた昭和時代より以前の話が多く含まれ、「同時代」的な読み物として、なかなか読めない。本書の中では、「まんだら屋の良太」「大瀧詠一」「いとしのエリー」「村田兆治と門田博光」くらいが、リアリティを持ったものとして読めたもので、その他の話は、関川夏央にとっての「昭和」であるのかもしれないけれども、私にとっては、「昔話」の類であった。
「だから面白くなかった」と言っているわけではなく、「それでも面白く読んだ」と言いたい。
関川夏央も70代半ばを過ぎた年齢になってきて、あと、そんなに多くの作品が読めるわけでもないだろうが、これからも新刊が発行されるたびに読んでいくことになるのだろう。 -
Posted by ブクログ
高校の部活の先輩に薦められて読んだもの。
先輩は昔から独特な空気感があり、それは医師になってからも変わっていない。
ガチガチの真面目な?医者からしたら「お前そんなもん患者に読ませるなよ」と言うかもしれない本も平気で薦めてくる。
でも、それは先輩の医師人生の中で培われた知見から、読んでおいた方が良いと分類したから薦めてくれたのだと思って真面目に読み切った。
おっさんと漢方の先生の対話型エッセイだろうから、ゆるーく読めるだろうと思っていたら、どうしてなかなか、おっさんはまぁ、役回りもあるだろうから仕方ないにしても、先生の話させる内容がふむふむなるほど!おー!そうかそう言う事だったのか!とひたすらうんうんと頷いていたら読み終わる頃には首がおかしくなりかけていた、と言うのは言い過ぎだけども、それだけ説得力のある様々な研究に裏打ちされた話の連続だった。
漢方?何か怪しい感じしかないじゃん、とか、保険利かないから高くて行けないよと言う方でも漢方ってどんなもの?と言うのをこの本で読んで腹落ちした後には漢方との向き合い方は言うまでもなく、自分との向き合い方が大きく変わるものと思います。
久々に読んで良かった、本でした。 -
Posted by ブクログ
対談の続編。
今回もまた、短いながら濃く詰まった面白い1冊。
石黒さんのアンドロイドに関する本を読んだタイミングで、
0と1との間にある永遠の話がでてきて唸る。
生きているものを研究し、突き詰めていくと
結局数値化できないものが見えてくる。
数字は整数のみではなく、その間にある無数の
小数点以下云々の数字によって埋められている。
理屈で固まった頭を、養老さんの言葉はあっけらかんとひっくり返してくれる。
このまっとうさ、気持ちよさが、
今の閉塞した状況に穴をあける方法なのだと思う。
各章のカットは南さんが描いた、仙厓の模写だけど、
いま仙厓のようにまんま描けるのは南さんしかいないんじゃないか。
脱力感のある余分のない絵がスバラシイ。