神田松之丞のレビュー一覧
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松之氶時代の伯山さんにインタビューした内容を自分語り的に書き起こしたもの。学生時代に色々拗らせていたとか断片的には知っていたが、父親を自死で亡くしたくだりあたりは全く知らず、この辺りから伯山さんの素地が出来上がったのかと、切ないものがあった。芸能人の自死が起きる中、なかなかその家族の立場で語っている人はいないのではないか。とは言えラジオ等では全く言及しないことからも、軽く扱えないテーマなんだろうなあと思った。
それにしても、将来のビジョンを描けた前座。でもその制度をひっくるめて講談の伝統を全て肯定して引き継ごうとしている姿。きっと落語ではなく講談を選んだのも、意識してかしなくてか、自分なら一 -
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昭和の頃には「漫談」というジャンルがあり、関西では西条凡児・浜村淳・上岡龍太郎がその代表格。それぞれの話芸を生んだ背景には、西条凡児=落語、浜村淳=漫談、上岡龍太郎=講談 の芸脈が流れていた。
上岡龍太郎の、あの立て板に水の流暢かつ抑揚の効いた口調と理路整然とした語りの裏には、講談の影響があったわけですな。確かに、歴史上の出来事を語る口調は講談師の軍記物語りそのものだった。
さてその講談。かつては落語と並び称せられるぐらい人気を誇ったものの戦後は徐々に人気に陰りをみせ、存続を危ぶまれるほどに。自然の成り行きで演者も減り、「絶滅危惧芸能」の扱いを受けるようになって久しい。
そんな限界集落的 -
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今夢中でしかたない人のひとり。神田伯山。
知れば知るほど魅了されていく。
36歳。
理想を追い求め、今この瞬間もイライラしているのかもしれない。満足することなく、常に高みを目指して。
この人の本や映像に触れると、ふわふわと流されながら楽して生きている自分に喝を入れたくなる。
こんな程度で何疲れたとか言ってるんだ。
人生あっという間だぞ、ぼーっとしてる暇なんてあるのか。
命の終わりを意識している人だからこそ、今を全力で生きられるのかもしれない。
どんなふうに歳を重ねていくのか、伯山も、自分も。
あのとき伯山の存在を知ったときからわたしも頑張ってこられた、誰にも負けないくらいがむしゃらに生きたと、 -
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Posted by ブクログ
ネタバレよくある有名になった人の最初に出る本かと思ったけど違って結構、自分の中に余韻が残る本だった。まず、神田松之丞が父を亡くしていたという、原点みたいなのがサラッと出てくる衝撃的な書き出しから、早い時点で神田伯山が神田伯山だったことがわかってくる。肯定的に書かれているのもあるけど、落研を批判して、とにかく見ておかねばと古典芸能の場に、信条のままに通い詰める。後から見ると、自分の芸への物差しみたいなものがちゃんとできるわけなんだけど、それができているのにびっくりするし、神田伯山って最初から神田伯山じゃん、っていうか、天才って言われる所以ってそういう執着っていうか、そういうところだよね。あと、美談風にな