船戸与一のレビュー一覧

  • 大地の牙―満州国演義六―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    第6巻。

    有名な(?)…歴史に疎いので自分は知らなかった…ノモンハン事件に多くの頁を費やされていた。

    さて、ノモンハン事件…最低の事件だなと。
    日本人ってやつは・・・。愚かなトップの言動で、数百数千の生命が散っていく様は、読んでいて辛かった。権力争いや己の虚栄心のために右往左往し、本当に大切なことが二の次にされてしまう…そんな政治が、実に哀しい。

    そして…軍部の情報操作に依る部分も無きにしも在らずなのだろうが(多分にあるのだろうが)、それでもなお、反英・征支へと加熱する国民世論・・・
    “みんなが言ってるから”と、1つ2つの記事や報道ですぐに皆が同調していく国民性も、今も昔も変わらないのね

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    2018年04月25日
  • 蝶舞う館(東南アジア5部作)

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    東南アジア五部作の最終作。
    ベトナムが舞台で、少数民族紛争がテーマで、ベトナム戦争ががからむ。
    相変わらず長いが、長さは気にならないが、結末も含めて、全体的な雰囲気はジャーナリスティックで、どこか突き放した感じが、少数民族の哀しさを深く見せているように思える。
    「蝶」は何を象徴しているのだろう。。。少数民族の魂だったのだろうか。

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    2017年09月23日
  • 蝦夷地別件 下

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    内容(「BOOK」データベースより)

    国後で始まった和人との戦い。しかし、叛乱に立ち上がったのはわずかな地点にとどまり、蝦夷地全土には広がらなかった。そこへ新井田孫三郎率いる松前藩の鎮撫軍が圧倒的な装備で鎮圧に迫る。もはや勝ち目はなくなった。このままでは、厚岸をはじめ鎮撫軍に与する同砲とも戦うことになってしまう…。国後の人々は、松前藩から示された降伏の条件のほか、戦いを終わらせるために、さらに大きな犠牲を払わなければならなかった。命を賭したアイヌの思いは報われたのか。そして、江戸幕府の描いた「日本」という国の形とは。圧倒的な筆力の超大作、ここに完結。

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    2017年08月19日
  • 蝦夷地別件 中

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    内容(「BOOK」データベースより)

    長く患っていた惣長人サンキチが、和人からもらった薬を飲んだ直後に亡くなった。惣長人は殺されたとして、和人との戦いを叫ぶ声が一気に高まり、鉄砲がなければ戦うべきではないとする脇長人ツキノエの主張は次第に掻き消されがちになっていく。その頃、鉄砲の調達に奔走していたマホウスキは、ロシアの地で獄中に繋がれていた。ミントレをはじめ、マメキリ、ツキノエの息子セツハヤフら若者たちは、アイヌの蜂起を促す和人の動きもあって、ツキノエを択捉へ赴かせ、戦いの準備を始める。和人との戦いは、さまざまな対立を孕んで熱く燃えさかろうとしていた。

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    2017年08月19日
  • 蝦夷地別件 上

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    内容(「BOOK」データベースより)

    十八世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。商人による苛烈な搾取、謂れのない蔑みや暴力、女たちへの陵辱…。和人との戦いを決意した国後の脇長人ツキノエは、ロシア人船長に密かに鉄砲三〇〇挺を依頼する。しかし、そこにはポーランド貴族マホウスキの策略があった。祖国を狙うロシアの南下政策を阻止するべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。一方で、蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑も入り乱れていた。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。

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    2017年08月19日
  • ゴルゴ13ノベルズI 落日の死影

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    船戸さんがゴルゴ13に携わってたのは知ってたけどそうゆわれましてもどれよ!と思っていたのでノベライズありがたい。背景は察せよ世界観は書くというような作風で、あとがきの解説にもあるように時間さえたてば死んでいく船戸小説ならではの呆気なさがよく効いている。この長さで展開してしまうのが勿体無いぐらい漫画的スピードで繰り広げられる。船戸氏のエピソードが語られる解説が嬉しいノベライズ。1ということは2もあるのかな??

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    2017年08月19日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    失踪した娘の捜索を依頼された謎の日本人が現れたことでブラジルの小さな町が、住民同士による血で血を洗う抗争に発展していく。
    相変わらずのハードボイルドさで、いつもどおりたくさん人が死ぬ。
    そういう点での安定感はある。
    他の作品も同様だが、この作品もまた、裏稼業の美学に殉ずる。

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    2017年06月19日
  • 神話の果て 【新装版】

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    ペルーを舞台にしたハードボイルドな話。
    インディオのゲリラが活動する土地にウラン鉱床が見つかったため、ゲリラ組織を壊滅させるためにウラン鉱床を狙う会社から依頼を受けたひとりの日本人がゲリラ組織に潜入する。
    この作家の話は最後は主人公が必ず死ぬ。
    今回も多くの人を殺した後で主人公は死んで物語が終わる。

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    2017年01月16日
  • 事変の夜―満州国演義二―(新潮文庫)

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    2作/9作。

    満州事変、上海事変。
    中学校社会科教科書じゃあ、ほんの2~3行の記述に過ぎない歴史が、重厚に語られる。

    「歴史は小説の玩具ではない」と謳った筆者の執筆姿勢に依るならば、ここで語られる歴史は概ね史実に準じてるのだろう・・・と考えると、なんともやりきれないものが残る。

    あの時、あれが無かったら……
    あの時、ああされていたなら……と後付けで語るのも虚しい程に、様々な立場、信条からなる大きな流れに抗いようもなく日本は、歴史が刻んだ悲劇の刻へ向かって突き進んでいる・・・。

    ★3つ、7ポイント半。
    2016.12.20.新。

    ※兵卒たちが血で血を洗う激戦を繰り広げている最中、将兵た

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    2016年12月20日
  • 南冥の雫―満州国演義八―(新潮文庫)

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    舞台は満州から東南アジア。兵站を無視した作戦に、末端兵士が翻弄される。馬賊の二郎はインパール作戦で死亡。

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    2016年09月01日
  • 夜来香海峡

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    たくさんどうしようもない人が出てきて、それぞれ背景が語られて、みんな幸せになってほしいけど、、って話。船戸作品にしては温めの温泉に浸かってる感じ。でも途中で投げ出せる箇所がなくてイッキ読みした。タイトルからアジア圏の話だとは思ったけど、まさか東北と北海道からでられないとは、思っても見なくて、閉じ込められてる感じが強い。

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    2016年08月20日
  • 虹の谷の五月 上

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    セブ島ガルソボンガ地区に祖父と暮らし闘鶏用の軍鶏を育てる13歳のジャッピーノ(日本人とフィリピン人のハーフ)=トシオ・マナハンが成長していく2年間の話
    ガルソボンガ地区にある虹の谷では、雨季に丸い虹が見られるという。
    虹の谷の洞窟に住み、新人民軍を追われた後もたった1人で闘い続けるゲリラ/ホセ・マンガハスとの関わりの中で暗殺、誘拐に巻き込まれてゆく。

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    2016年07月12日
  • 蝦夷地別件 上

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    ネタバレ

    蝦夷地を松前藩に任せてはおけない。ロシアは北から日本を狙っている。松前藩にロシアを迎え撃つ力は無い。そう考えた幕府は、蝦夷地を幕府直轄地としてとりあげようと画策する。
    それには理由が必要だ。そんなことから、本小説は書かれている。幕府を中心として、蝦夷地から琉球まで日本人がひとつになって紅毛人のなだれ込みを防がなくてはならない。と。
    この波に蝦夷が巻き込まれ、脇長人ツキノエとその孫ハルナフリが苦悩していく。
    全3巻

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    2016年04月10日
  • 山猫の夏

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    砂のクロニクルを読んだあとで期待したためか?
    つまらなく感じた。
    舞台となる町の設定、山猫のかっこよさ、そもそもありえない。

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    2016年02月11日
  • 猛き箱舟 下

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    スピード感はあるのだが、読後感は『一体何だったのだ?』。十数年前に砂のクロニクルを読んだ後は、読んだな〜と浸ることができましたが。

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    2015年05月15日
  • 非合法員

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    船戸さんが亡くなったのとゴルゴ原作者という要素が重なったことが読むきっかけとなった。最後死なずに敵を殲滅すればゴルゴ。空気感は相当ゴルゴに近い。

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    2015年05月12日
  • 山猫の夏

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    山猫(オセロット)と呼ばれる一人の日系移民が現れたところから始まるブラジル東北部の町エクルウで起きる惨劇。
    かなりハード。暑さを感じさせる。暑いと行動がはっきりするのね。
    ブラジルの歴史には、これまであまり興味がなかったが、この本で興味を持った。

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    2014年08月31日
  • 虹の谷の五月 下

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    このミス、ベスト10、2001年版6位。直木賞受賞作。この人の本はいつも同じ感じ。これと言って盛り上がるわけでもないけど、まあ、安心して読める。ちょっと退屈さが勝ったかも。

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    2014年06月12日
  • 夜のオデッセイア

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    初の船戸作品。

    ん?

    ハードボイルドのような展開になるのかと思いきや、
    暴力も拳銃もマフィアもCIAも出てくる割には軽い印象。
    ちょっと物足りないというか、消化不良な感じ。
    ラストは、ちょっとしたホラーの終わり方みたいでなんか消化不良。

    でも、期待値とずいぶん差があったので、
    まだ期待も込めて、他の作品も読んでみたい。

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    2013年10月09日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    船戸与一にしては読みやすいエンタメよりの一冊。ロミオとジュリエットみたいなさ。舞台はブラジルで、お酒が美味しそうで、やたら強い日系人が登場して、たくさん人が死ぬ。そんな大好きな冒険小説。

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    2013年09月15日