船戸与一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2作/9作。
満州事変、上海事変。
中学校社会科教科書じゃあ、ほんの2~3行の記述に過ぎない歴史が、重厚に語られる。
「歴史は小説の玩具ではない」と謳った筆者の執筆姿勢に依るならば、ここで語られる歴史は概ね史実に準じてるのだろう・・・と考えると、なんともやりきれないものが残る。
あの時、あれが無かったら……
あの時、ああされていたなら……と後付けで語るのも虚しい程に、様々な立場、信条からなる大きな流れに抗いようもなく日本は、歴史が刻んだ悲劇の刻へ向かって突き進んでいる・・・。
★3つ、7ポイント半。
2016.12.20.新。
※兵卒たちが血で血を洗う激戦を繰り広げている最中、将兵たちは昼の戦闘が終れば旅館に帰り膳飯を食して酒を飲み、政治を語らう……
当然のように営業を続ける宿泊施設や飲食店。。。
戦時の“獣性”を正当化するかのように市街地の婦女子を襲う……
部下が銃撃を交わしている真横で煙草を吸い…“陣中見舞”とばかりに箱ごと置き去る・・・。
非日常の極みたる“戦争”のすぐ隣に描かれる一部の人々の“日常”が、当時の悲惨を逆にリアルに浮き上がらせているのが、印象に残る。 -
Posted by ブクログ
18世紀末に起こったアイヌ民族最後の蜂起『国後・目梨の乱』の顛末を、世界的視点を交えて描いた歴史大作。
蝦夷と呼ばれた極寒の土地。
そこで平和に過ごしてきたアイヌ民族。
松前藩が統治するようになり、徐々に厳しい条件を突きつけていく。
人を人とも思わない扱いをする我らが先祖。
なんとも情けない…
上中下の三巻に渡る超大作でもありましたが、言葉が難しくてなかなか読み進めることが出来なかった。(フリガナを打ってくれているので、余計にそれに引っ張られてしまった)
色々と考えさせられたが、最後関係者がほとんど死んでしまうのが、少し残念。ハッピーエンドがある史実ではないので已む無しとも思いますが… -
Posted by ブクログ
「なんのために」ということを
失ったとき人間はどうするのか?
目覚めていく過程;人間であること
→そして人間を喪うこと
隠岐浩蔵(グリスリー) VS 香坂正次
「1級の人間」→「感情を抑制した人間」
;緻密で計画的であること
ポルサリオ解放戦線
何かが、力を与えてくれる。
→最後は、「生きなければならない。」ということ孤独
判断は、動物的「感」にある。
シャヒーナという女性の生き方が、
なんともいえないものがある。
「革命」に身を投じながら、
次代の流れの中で、
その意志を変えざるをえない。
革命から残されたものは、
「愛」というものであるが、
追放という厳しいものがある。 -
Posted by ブクログ
記憶が定かではないが、蝦夷地別件からの久しぶりの本邦歴史ものではあるが、蝦夷地別件の様な、いつもの虐げられた民族や人々のレジスタンスとしての蜂起と、その哀れなまでの末路をカタルシスを持って描く、いつもの船戸節を期待したものの、やはり幕府や会津の様な武士では座りが悪い。武士から一般民が武器を手に取るというあたりと、その武器を取り人を動かすという一種の権力に目覚めた農民を描く部分に、多少の片鱗は見られるものの、主役ではないので、今のところ物語の主軸とはなっていない。主人公と思しきものは、長州の密偵と長岡の元博徒、会津の武士。彼らがニアミスを犯しながら物語の収斂に向けてどう動いていくのかが今後の展開で語られるのだろう。いつものパターンでは、武士ではない博徒が生き残る様に思われるが、どうだろうか。