船戸与一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ第6巻。
有名な(?)…歴史に疎いので自分は知らなかった…ノモンハン事件に多くの頁を費やされていた。
さて、ノモンハン事件…最低の事件だなと。
日本人ってやつは・・・。愚かなトップの言動で、数百数千の生命が散っていく様は、読んでいて辛かった。権力争いや己の虚栄心のために右往左往し、本当に大切なことが二の次にされてしまう…そんな政治が、実に哀しい。
そして…軍部の情報操作に依る部分も無きにしも在らずなのだろうが(多分にあるのだろうが)、それでもなお、反英・征支へと加熱する国民世論・・・
“みんなが言ってるから”と、1つ2つの記事や報道ですぐに皆が同調していく国民性も、今も昔も変わらないのね -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
国後で始まった和人との戦い。しかし、叛乱に立ち上がったのはわずかな地点にとどまり、蝦夷地全土には広がらなかった。そこへ新井田孫三郎率いる松前藩の鎮撫軍が圧倒的な装備で鎮圧に迫る。もはや勝ち目はなくなった。このままでは、厚岸をはじめ鎮撫軍に与する同砲とも戦うことになってしまう…。国後の人々は、松前藩から示された降伏の条件のほか、戦いを終わらせるために、さらに大きな犠牲を払わなければならなかった。命を賭したアイヌの思いは報われたのか。そして、江戸幕府の描いた「日本」という国の形とは。圧倒的な筆力の超大作、ここに完結。 -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
長く患っていた惣長人サンキチが、和人からもらった薬を飲んだ直後に亡くなった。惣長人は殺されたとして、和人との戦いを叫ぶ声が一気に高まり、鉄砲がなければ戦うべきではないとする脇長人ツキノエの主張は次第に掻き消されがちになっていく。その頃、鉄砲の調達に奔走していたマホウスキは、ロシアの地で獄中に繋がれていた。ミントレをはじめ、マメキリ、ツキノエの息子セツハヤフら若者たちは、アイヌの蜂起を促す和人の動きもあって、ツキノエを択捉へ赴かせ、戦いの準備を始める。和人との戦いは、さまざまな対立を孕んで熱く燃えさかろうとしていた。 -
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
十八世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。商人による苛烈な搾取、謂れのない蔑みや暴力、女たちへの陵辱…。和人との戦いを決意した国後の脇長人ツキノエは、ロシア人船長に密かに鉄砲三〇〇挺を依頼する。しかし、そこにはポーランド貴族マホウスキの策略があった。祖国を狙うロシアの南下政策を阻止するべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。一方で、蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑も入り乱れていた。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。 -
Posted by ブクログ
2作/9作。
満州事変、上海事変。
中学校社会科教科書じゃあ、ほんの2~3行の記述に過ぎない歴史が、重厚に語られる。
「歴史は小説の玩具ではない」と謳った筆者の執筆姿勢に依るならば、ここで語られる歴史は概ね史実に準じてるのだろう・・・と考えると、なんともやりきれないものが残る。
あの時、あれが無かったら……
あの時、ああされていたなら……と後付けで語るのも虚しい程に、様々な立場、信条からなる大きな流れに抗いようもなく日本は、歴史が刻んだ悲劇の刻へ向かって突き進んでいる・・・。
★3つ、7ポイント半。
2016.12.20.新。
※兵卒たちが血で血を洗う激戦を繰り広げている最中、将兵た