船戸与一のレビュー一覧

  • 大地の牙―満州国演義六―(新潮文庫)

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    ノモンハン事件あたりまで時間が下ってきた。過ぎた時代を描くからではあるだろうけど、日本軍というか関東軍というかの横暴と無計画さにげんなり。最近読んだ本で立て続けにこういう日本の愚かさを見せつけられている気がする。
    敷島四兄弟をだいぶ変わった。カッコよかった人ほどずるくなったり汚れたり、堅物に思えた人がなかなか立派に思えてきたり。

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    2021年10月07日
  • 砂のクロニクル 下

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    結局、何だったのだろう。クルド人の武装蜂起とイラン革命防衛隊の蹶起が時を同じくしてマハバードで発生してしまい、ハッサンもサミルも希望が潰えた。それだけじゃない。駒井もゴラガシビリもおれ(わたし)もシーリーンも命を落とした。虚無感に襲われた。

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    2021年09月06日
  • 砂のクロニクル 上

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    上巻を読み終えての感想は、誰かが主人公という簡単な物語ではないということ。イスラム革命後の大きなうねりの中で登場人物たちが翻弄されていく。一体どうなっていくのか?

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    2021年08月27日
  • 灰塵の暦―満州国演義五―(新潮文庫)

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    時代も混迷、四兄弟も混迷。特に大きな岐路に立ったのが次郎だね。馬を下り、背広と車で次を模索するようになる。太郎はストレスフルな仕事の一方で小娘に手玉にとられ、四郎は相変わらず志は立派な理想家肌なれど気弱。三郎は関東軍がのさばるのを反映するかのように安定している。
    南京大虐殺の模様、読むだけでも悲惨。政治レベルでも現場レベルでもまともな判断や統制がとれなくなってるんじゃないかと思う。これまだ1937年のこと。この頃から日本っておかしくなってたんだなと。

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    2021年08月09日
  • 群狼の舞―満州国演義三―(新潮文庫)

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    シリーズ3作目。二・二六事件が起き満州国ができて関東軍の無手勝流が高まり、どんどん戻れない破滅に向かっていく感じがぷんぷん。しかも日本という国・国民自ら望んでそっちの方向へ向かっていく感じ。戦いの場面も多くなりいまいち興味がもてず流し読み。戦いや軍関係じゃない場面のほうが面白く読める。敷島四兄弟の継母で四郎と危険な仲になっていた真沙子の衝撃の死に方。
    四兄弟のなかで唯一安定かつ堅実で誠実に生きていた感じの敷島太郎も満州国ができた頃を境に、国を興す男の夢らしきものにとらわれだし、その代償であるかのように本巻末で明日の満州への希望を込めて隣人に名づけられた長男・明満が夭折した。

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    2021年04月04日
  • 事変の夜―満州国演義二―(新潮文庫)

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    シリーズ2巻目。1巻目の勢いある面白さからちょっとパワーダウンした感じがする。四兄弟それぞれを描く部分が減って、史実に沿った戦いっぽいシーンが多かったからかな。馬賊として颯爽としていた次郎がうらぶれてしまったのを筆頭に、三郎は思考停止で融通が利かないし、四郎も頼りないなりに危なっかしさでいろんな目に遭ってた前巻に比べると締まらない感じ。8巻目までたどり着けるだろうか。

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    2021年02月22日
  • 山猫の夏

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    俺は「おれ」を嗤う気にはなれない。「おれ」にとって山猫と過ごした夏は忘れられないはずだ。山猫は深謀遠慮で、強い。そんな男が存在したなんて信じられないかもしれない。でも本当にいたのだ。もちろん、作者の純然たる妄想である。熱暑の中の白日夢に過ぎない。ただ、信じられないくらいのリアリティをもって迫ってくる。面白かった。

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    2020年12月13日
  • 緋色の時代 上

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    ロシアのことは全然知らなかったが、KGBなどの諜報組織が絡み合った、ロシアンマフィアのお話。前半は著者がロシアという国の世界観を描写する必要があるのだろう、なかなかストーリーが進まず、読むスピードは上がらなかったが、後半からは話が進んでおもしろい。下巻も買います。

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    2020年10月26日
  • 緋色の時代 下

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    ロシアという国の解説のためになかなか話が展開しなかった上巻とは一転、下巻は目まぐるしく話が進みます。ロシアという国は馴染みが無かったが、この本を読んで身近に感じることができるようになりました。

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    2020年10月26日
  • 蝦夷地別件 上

    購入済み

    日本の歴史的恥部に身を背けるな

    アイヌは日本の宝だが、歴史的に日本人によって虐げられてきた。この著作はこうした陰の歴史に脚光を浴びせる秀逸な書といえるかもしれないな。

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    2020年07月04日
  • 新宿・夏の死

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    船戸与一の作品は初めて読みます。短編集でとっつきやすいです。ちょうど最後の物語を読んでいるときに、船戸与一さんの訃報が入ってきました。

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    2018年10月13日
  • 猛き箱舟 上

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    ただのチンピラだった主人公が一級の男になることを夢みて危険な戦いに身を投じる。

    普通に生きていれば体験することのない数々の修羅場を経て、最終的にどんなすごい男になるのか期待。

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    2020年01月19日
  • 大地の牙―満州国演義六―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    第6巻。

    有名な(?)…歴史に疎いので自分は知らなかった…ノモンハン事件に多くの頁を費やされていた。

    さて、ノモンハン事件…最低の事件だなと。
    日本人ってやつは・・・。愚かなトップの言動で、数百数千の生命が散っていく様は、読んでいて辛かった。権力争いや己の虚栄心のために右往左往し、本当に大切なことが二の次にされてしまう…そんな政治が、実に哀しい。

    そして…軍部の情報操作に依る部分も無きにしも在らずなのだろうが(多分にあるのだろうが)、それでもなお、反英・征支へと加熱する国民世論・・・
    “みんなが言ってるから”と、1つ2つの記事や報道ですぐに皆が同調していく国民性も、今も昔も変わらないのね(哀)。

    ★3つ、7ポイント半。
    2018.04.25.新。

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    2018年04月25日
  • 蝶舞う館(東南アジア5部作)

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    東南アジア五部作の最終作。
    ベトナムが舞台で、少数民族紛争がテーマで、ベトナム戦争ががからむ。
    相変わらず長いが、長さは気にならないが、結末も含めて、全体的な雰囲気はジャーナリスティックで、どこか突き放した感じが、少数民族の哀しさを深く見せているように思える。
    「蝶」は何を象徴しているのだろう。。。少数民族の魂だったのだろうか。

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    2017年09月23日
  • 蝦夷地別件 下

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    内容(「BOOK」データベースより)

    国後で始まった和人との戦い。しかし、叛乱に立ち上がったのはわずかな地点にとどまり、蝦夷地全土には広がらなかった。そこへ新井田孫三郎率いる松前藩の鎮撫軍が圧倒的な装備で鎮圧に迫る。もはや勝ち目はなくなった。このままでは、厚岸をはじめ鎮撫軍に与する同砲とも戦うことになってしまう…。国後の人々は、松前藩から示された降伏の条件のほか、戦いを終わらせるために、さらに大きな犠牲を払わなければならなかった。命を賭したアイヌの思いは報われたのか。そして、江戸幕府の描いた「日本」という国の形とは。圧倒的な筆力の超大作、ここに完結。

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    2017年08月19日
  • 蝦夷地別件 中

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    内容(「BOOK」データベースより)

    長く患っていた惣長人サンキチが、和人からもらった薬を飲んだ直後に亡くなった。惣長人は殺されたとして、和人との戦いを叫ぶ声が一気に高まり、鉄砲がなければ戦うべきではないとする脇長人ツキノエの主張は次第に掻き消されがちになっていく。その頃、鉄砲の調達に奔走していたマホウスキは、ロシアの地で獄中に繋がれていた。ミントレをはじめ、マメキリ、ツキノエの息子セツハヤフら若者たちは、アイヌの蜂起を促す和人の動きもあって、ツキノエを択捉へ赴かせ、戦いの準備を始める。和人との戦いは、さまざまな対立を孕んで熱く燃えさかろうとしていた。

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    2017年08月19日
  • 蝦夷地別件 上

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    内容(「BOOK」データベースより)

    十八世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。商人による苛烈な搾取、謂れのない蔑みや暴力、女たちへの陵辱…。和人との戦いを決意した国後の脇長人ツキノエは、ロシア人船長に密かに鉄砲三〇〇挺を依頼する。しかし、そこにはポーランド貴族マホウスキの策略があった。祖国を狙うロシアの南下政策を阻止するべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。一方で、蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑も入り乱れていた。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。

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    2017年08月19日
  • ゴルゴ13ノベルズI 落日の死影

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    船戸さんがゴルゴ13に携わってたのは知ってたけどそうゆわれましてもどれよ!と思っていたのでノベライズありがたい。背景は察せよ世界観は書くというような作風で、あとがきの解説にもあるように時間さえたてば死んでいく船戸小説ならではの呆気なさがよく効いている。この長さで展開してしまうのが勿体無いぐらい漫画的スピードで繰り広げられる。船戸氏のエピソードが語られる解説が嬉しいノベライズ。1ということは2もあるのかな??

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    2017年08月19日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    失踪した娘の捜索を依頼された謎の日本人が現れたことでブラジルの小さな町が、住民同士による血で血を洗う抗争に発展していく。
    相変わらずのハードボイルドさで、いつもどおりたくさん人が死ぬ。
    そういう点での安定感はある。
    他の作品も同様だが、この作品もまた、裏稼業の美学に殉ずる。

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    2017年06月19日
  • 神話の果て 【新装版】

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    ペルーを舞台にしたハードボイルドな話。
    インディオのゲリラが活動する土地にウラン鉱床が見つかったため、ゲリラ組織を壊滅させるためにウラン鉱床を狙う会社から依頼を受けたひとりの日本人がゲリラ組織に潜入する。
    この作家の話は最後は主人公が必ず死ぬ。
    今回も多くの人を殺した後で主人公は死んで物語が終わる。

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    2017年01月16日