【感想・ネタバレ】残夢の骸―満州国演義九―(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

ついに帝国は崩壊の日を迎える。敷島四兄弟もまた、歴史に翻弄されながら抗えない運命にその身を窶し、この「満州国演義」から一人、また一人と退場していく。それら全てが夢の跡、朽ち果てた夏のようにただ茫漠と過ぎ去っていくこの寂寥感。間垣徳蔵は最後に矜恃を見せた。歴史の激流に只々圧倒された全9巻。船戸先生、安らかに。

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2017年05月18日

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1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。

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2017年04月20日

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とうとう読み終えてしまった。
船戸与一がまさに命を削って書き上げた満州国演義、完結です。
「小説は歴史の奴隷ではないが、歴史もまた小説の玩具ではない」
船戸与一は自らのこの言葉通り、膨大な資料と格闘し、歴史的な事実関係は変えることなく、その中で想像力を駆使してこの壮大な物語を書き上げました。
満州国については、かつて多少は勉強したつもりでいましたが、知らない史実がたくさん出てきました。
この本を書いてくれた船戸与一さんにあらためて感謝です。

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2016年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

満州国演義 最終巻

敷島四兄弟の中、状況に引きずられる官僚の「太郎」と、満州に生き、満州と共に滅びた「次郎」、軍人として死地に向かった「三郎」が亡くなり、一般人の「四郎」だけが戦争の惨禍に巻き込まれた子供をつれて帰国するところは、その時の日本の状況を表わしている様に思える。

シベリアに連れて行かれ、過酷な環境の中ですこしでも生き延びる可能性を大きくするために行動する日本人捕虜達が、ぎりぎりの環境の中で、保つ「誇り」とは何か?徳蔵や太郎の行動も改めて考えてみたい。
(以前読んだ 井上ひさしの「一週間」を思い出した)

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2016年08月21日

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