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Posted by ブクログ
船戸与一が自らの死期を覚りながらも、残された命を削りながら最後に遺した長編歴史冒険小説の最終巻。
全巻を通じて唯一ホッとする、本西照夫が祖父と再開する最終章は、船戸与一が現代の日本人に残した希望とメッセージなのかも知れない。
敗戦の道を一気に突き進む日本。特攻隊に象徴される軍部の迷走と混乱が始まり、満州国と敷島四兄弟にも破滅の時が迫る。この破滅の構図は巻を重ねる度に明確になり、まるで船戸与一の自らの身に迫る最期の刻を暗示しているかのようにも感じられる。
物語の主人公であり、日本人のステロタイプのように描かれる敷島四兄弟。満州国の崩壊と敗戦という事実に兄弟たちがは狂乱の渦の中で、次第にその本質を現していく。全巻を通じて敷島四兄弟を結ぶ人物の間垣徳蔵の正体が明らかになるが、徳蔵だけが最期まで誇りを捨てなかった日本人のように感じた。
巻末に記載のある膨大な参考文献、船戸与一のあとがき。凄まじい。
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