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Posted by ブクログ
船戸与一の遺作にして、最高傑作の第三巻。第三巻に入り、血の匂いと動乱の風が強くなって来た。これぞ、船戸与一の冒険小説なのだ。
昭和七年の満州国建国を契機に日本国の内外に大きなうねりが生まれ、時代の波と運命に翻弄される敷島四兄弟。四人の兄弟はその信義も、職業も、身分も異なるのだが、間宮徳蔵という謎の人物に操られるかのように満州国に深く関わっていく。ここにこの壮大な物語の面白さがある。
外交官の太郎は満州国建国に男の浪漫を抱きながらも少しずつ道を踏み外していく。馬賊の頭目だった次郎は仲間を失い、たった独りになりながらも己れの信念を貫く道を歩む。憲兵中尉の三郎は妻を迎えてもなお信念と正義を失わず、日本国のために満州国の未来に関わる。そして、四郎はさらなる罪を犯し、大陸を流浪する。
北方謙三の解説も非常に良い。船戸与一の想い出ながら、本作誕生の経緯を紹介し、自らの決意を述べた男らしい解説になっている。
Posted by ブクログ
シリーズ第3作目。
タイトル通り“狼”達が、大陸各地で本格的に獲物を漁り始めた・・・といった様相か?
・・・肩で風を切って街を練り歩き、わざと相手にぶつかっておきながら「痛ぇじゃねえか、この野郎っ!」と因縁つけて喧嘩に持ち込む……、
まるで昭和の漫画・ドラマ・映画で描かれるヤクザやチンピラ、不良少年たちのような、関東軍の所業の数々…、気が滅入ってきそう(苦笑)。こんなもんがまかり通ってしまうあたり、やはり狂気の時代だったのだろう。
謎の工作員、間垣徳蔵の背景がチラりと見えかけたのが、史実と創作のハーモニーによって織り成されるこの物語の、フィクションパートの重要ポイントか?
★4つ、8ポイント半。
2017.01.22.古。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。二・二六事件が起き満州国ができて関東軍の無手勝流が高まり、どんどん戻れない破滅に向かっていく感じがぷんぷん。しかも日本という国・国民自ら望んでそっちの方向へ向かっていく感じ。戦いの場面も多くなりいまいち興味がもてず流し読み。戦いや軍関係じゃない場面のほうが面白く読める。敷島四兄弟の継母で四郎と危険な仲になっていた真沙子の衝撃の死に方。
四兄弟のなかで唯一安定かつ堅実で誠実に生きていた感じの敷島太郎も満州国ができた頃を境に、国を興す男の夢らしきものにとらわれだし、その代償であるかのように本巻末で明日の満州への希望を込めて隣人に名づけられた長男・明満が夭折した。
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