【感想・ネタバレ】残夢の骸―満州国演義九―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

敷島兄弟は通化の地に集う。苦い再会だった――。満州国はわずか十三年で理想の欠片(かけら)さえ失い、重い鉄鎖と化した。昭和二十年八月九日、ソ連軍が遂に侵攻を開始する。轟音とともに崩壊してゆく「王道楽土」。男たちは吹きすさぶ風の中で自らの運命と対峙する。日本そして満州、二つの帝国が破れ、残ったものとは何か。船戸与一が最期の炎を燃やし描き切った大叙事詩、ここに完結。(解説・井家上隆幸)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

満州国演義 最終巻

敷島四兄弟の中、状況に引きずられる官僚の「太郎」と、満州に生き、満州と共に滅びた「次郎」、軍人として死地に向かった「三郎」が亡くなり、一般人の「四郎」だけが戦争の惨禍に巻き込まれた子供をつれて帰国するところは、その時の日本の状況を表わしている様に思える。

シベリアに連れて行かれ、過酷な環境の中ですこしでも生き延びる可能性を大きくするために行動する日本人捕虜達が、ぎりぎりの環境の中で、保つ「誇り」とは何か?徳蔵や太郎の行動も改めて考えてみたい。
(以前読んだ 井上ひさしの「一週間」を思い出した)

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2016年08月21日

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