【第123回直木賞受賞作!】トシオ・マナハン、14歳。セブ島で祖父とふたりで闘鶏用の軍鶏を育てている。ゲリラのホセ・マンガハスが住む「虹の谷」への道を知っていたことから暗殺、誘拐の硝煙の宴に巻きこまれていく。少年の夢。怒りと誇り。愛する者との別れ。慟哭の叫びを胸奥に沈め、少年は男へと脱皮して行く。第三世界の片隅から世界を睥睨する冒険小説、感動の巨編。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
フィリピン・セブ島のガルソボンガ地区で育つ、少年トシオ・マナハンの成長譚である。父親は日本人だが、フィリピン人の母親を孕ませた後、姿を消してしまった。母親はトシオを育てる為、娼婦となり、エイズで死んでしまう。そんな逆境にも負けず、ジャピーノ(日本人との混血)と呼ばれても気にせず、逞しく生きていく。...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
2003/08/16前半に関しては弛緩した印象を受けた。語り部たるフィリピンの辺境の農村の少年が幸せとは言えずとも凄く不幸とも言えないので、船戸与一の初期の南米3部作や「猛き箱舟」のような一種厭世的なピリピリした描写が感じられず牧歌的な印象を持った為だと思う。相変わらずの少年の成長譚であり、脇を彩る...続きを読む
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