砂のクロニクル 下
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砂のクロニクル 下

858円 (税込)

4pt

4.3

交錯する民族と宗教、今決戦が始まる。

マハバード奪還をめざすクルド人への武器の供給が、いよいよ間近に迫る。だが、武器密輸商人ハジの前にあらゆる障害が立ちはだかり、思うようにクルド人の元へたどりつけずにいる。
一方、そのクルドの民を押さえ込まなくてはならないイランの革命防衛隊が、内部の腐敗により、その機能が低下しはじめる。機能を失いつつある革命防衛隊を立ち直らせたいと、崇高な理想を掲げるサミルが、まさかの裏切りにあい、窮地に追い込まれる。
いざ決戦の時。クルド人のもとに、ようやく20000丁のカラシニコフが届く。彼らはマハバード奪還を成し遂げられるのか。イラン革命防衛隊は、それに応戦できるのか。マハバードの地でクルド人のカラシニコフが一斉に火を噴く。

絡み合った糸が、ほどけていくように、奇跡の再会を果たすサミル・セイフと姉のシーリン・セイフ、そして隻脚の日本人ハジと武器密輸商人ハジの一瞬の邂逅、そして、かつて愛し合ったシーリンと隻脚の日本人ハジとの不思議な縁・・・。
全ての伏線が一つになり、驚きの結末に。読む者は必ず、その壮大なストーリーに打ちのめされる。船戸与一最高傑作とも呼べる超大作。

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砂のクロニクル のシリーズ作品

1~2巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~2件目 / 2件
  • 砂のクロニクル 上
    924円 (税込)
    イランを舞台に描く壮大な一大叙事詩。  舞台は、イラン、イラク、旧ソビエト、そしてヨーロッパ・・・。壮大なスケールで描く超大作。ペルシアの地を目指した、2人の日本人が、苛烈な運命に翻弄されながらも強く生きる。  イスラム革命が成功したイラン。王の時代は終わりを告げ、念願のイスラム教を軸とする国家へと移りゆく。イスラムの教えを強く信じ、革命を成し遂げた革命防衛隊だったが、権力を手にしたとたん、内部からじわじわと腐敗がすすみゆく。革命の成功が、理想の国家を作り上げると信じていた革命防衛隊員サミル・セイフは、その現実を目の当たりにし、もう一度イスラム革命の理念を取り戻すべく戦う。  一方、イラク、イラン、トルコなど、カスピ海沿岸に国を持たずさまようクルド人。自らの国家を樹立するため、武装蜂起を計画。その意思を受けクルド人の武器を調達する日本人武器密輸商人ハジ。そして、イラン革命をつぶさに見てきた隻脚の日本人ハジ。2人の日本人の生き様を通じて、中東の置かれた現実や人々の思いを見事に描ききる。  長きに渡り、読み継がれてきた船戸与一最高傑作。小学館文庫にて刊行するにあたり、イランの地図と登場人物紹介を付記したものを電子化した。
  • 砂のクロニクル 下
    858円 (税込)
    交錯する民族と宗教、今決戦が始まる。  マハバード奪還をめざすクルド人への武器の供給が、いよいよ間近に迫る。だが、武器密輸商人ハジの前にあらゆる障害が立ちはだかり、思うようにクルド人の元へたどりつけずにいる。  一方、そのクルドの民を押さえ込まなくてはならないイランの革命防衛隊が、内部の腐敗により、その機能が低下しはじめる。機能を失いつつある革命防衛隊を立ち直らせたいと、崇高な理想を掲げるサミルが、まさかの裏切りにあい、窮地に追い込まれる。  いざ決戦の時。クルド人のもとに、ようやく20000丁のカラシニコフが届く。彼らはマハバード奪還を成し遂げられるのか。イラン革命防衛隊は、それに応戦できるのか。マハバードの地でクルド人のカラシニコフが一斉に火を噴く。  絡み合った糸が、ほどけていくように、奇跡の再会を果たすサミル・セイフと姉のシーリン・セイフ、そして隻脚の日本人ハジと武器密輸商人ハジの一瞬の邂逅、そして、かつて愛し合ったシーリンと隻脚の日本人ハジとの不思議な縁・・・。  全ての伏線が一つになり、驚きの結末に。読む者は必ず、その壮大なストーリーに打ちのめされる。船戸与一最高傑作とも呼べる超大作。

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砂のクロニクル 下 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    壮大な物語だった。船戸与一の書く小説は、どれもこれもかっこいい(って全部読んだ訳ではないが)。いまのクルドヘイトについて考えるときに、もしかしたら一助になるかもしれない。

    0
    2025年09月18日

    Posted by ブクログ

    イスラム支配から独立を目指すクルド族の武装蜂起が主軸の物語。 個人的に、中東と聞くと殺伐とした大地とタリバンやISISに代表されるテロや残虐行為がイメージとして浮かび、それだけで否応なく血生臭さが漂いハードボイルド感が掻き立てられる。 戦争や暴力を好むわけじゃないけれど、骨太のストーリーと目に浮かぶ

    0
    2023年04月29日

    Posted by ブクログ

    日本人にとって馴染みにくい中東が舞台。

    複数の登場人物がオムニバス形式で主役をとり、引き寄せられるかのように聖地マハバートに赴いていく。それぞれがそれぞれの理想をかかげ、正義や大義、はたまた欲望のために。多様な生き方の結晶がこの物語には詰まっているのだが、、、

    あまりに悲しい終盤。

    大きな歴史

    0
    2022年12月13日

    Posted by ブクログ

    もうお腹いっぱいです。
    文庫上・下巻で合わせて1210ページの大部。
    本書は1991年に毎日新聞社から単行本として刊行されました。
    25年も前の作品ですから、割と古い作品といえましょう。
    ただ、決して色あせないのは、本書の内容と同様、今もなお宗教、民族、その他の問題で、世界中でおびただしい量の血が流

    0
    2016年01月23日

    Posted by ブクログ

    結局、何だったのだろう。クルド人の武装蜂起とイラン革命防衛隊の蹶起が時を同じくしてマハバードで発生してしまい、ハッサンもサミルも希望が潰えた。それだけじゃない。駒井もゴラガシビリもおれ(わたし)もシーリーンも命を落とした。虚無感に襲われた。

    0
    2021年09月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    登場人物のほとんどが哀しい結末を迎える。

    ある者はイラン革命防衛軍の腐敗を正せずに散り、ある者は民族国家樹立の夢破れ撤退する。

    欲望のままに生きてきたマフィアは実に呆気なく悲惨に、冷酷な武器商人は自分が売った武器の行く末を見届けて死ぬ。

    隻脚の東洋人はかつて自身が魅せられ追い求めた“革命”が迎

    0
    2017年01月29日

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