船戸与一のレビュー一覧
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ネタバレ長かった。思いのほか読むのに時間がかかった(苦笑)。
けれども、物語への引き込まれ感は既読の3冊を上回る。四兄弟の運命の歯車がまた1つシフトチェンジした感じと、狂気へ向かって走り始めた軍部の動向とが、読み手の心を揺さぶり始めた。
★4つ、9ポイント。
2017.04.27.新。
※巻末解説文にある通り、それぞれの「正義」が誤った方向へ進み出て二度とは戻れない時代の荒波へと押し流されていく過程が描かれているというのがよく分かる一冊だった。
※筆者が登場人物に語らせた一言、「正義が何かを解決したことがありますか?むしろ逆に・・・」という台詞が、胸に刺さった。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第3作目。
タイトル通り“狼”達が、大陸各地で本格的に獲物を漁り始めた・・・といった様相か?
・・・肩で風を切って街を練り歩き、わざと相手にぶつかっておきながら「痛ぇじゃねえか、この野郎っ!」と因縁つけて喧嘩に持ち込む……、
まるで昭和の漫画・ドラマ・映画で描かれるヤクザやチンピラ、不良少年たちのような、関東軍の所業の数々…、気が滅入ってきそう(苦笑)。こんなもんがまかり通ってしまうあたり、やはり狂気の時代だったのだろう。
謎の工作員、間垣徳蔵の背景がチラりと見えかけたのが、史実と創作のハーモニーによって織り成されるこの物語の、フィクションパートの重要ポイントか?
★4つ、8ポイント半。
2017.01.22.古。 -
Posted by ブクログ
最初の方、あまり話に入り込めなかったし途中で少し中だるみしてしまったものの、全体を通して言えば面白かった。
物語の軸となる敷島四兄弟。
順番にそれぞれの物語が進んでいくが、ごちゃごちゃになることもなく読みやすい。
この兄弟達を通して、当時の日本の情勢がよくわかる。
そしてこの四兄弟の前に順番に現れる謎の男、間垣 徳蔵。
この男の存在が不気味で、物語を面白くさせている。
今後、この男と四兄弟がどう関わっていくのか、楽しみだ。
そして、本文の途中に、印象的な一行がある。
"日本人は理論というものから遠ざかろうとしている。一時的な感情のみが行動の基盤になりつつある。"と。
これ、今も同じ。
現在だって自分たちの目的の為に理論や手段を選ばずに行動し、声を大にしてそれを主張する。
つまり、この昭和三年当時(物語の中では、そうなっている)と変わってない。もしくは一周回って、戻ってきてしまったのか。だとしたら。。。