船戸与一のレビュー一覧

  • 新・雨月 下 戊辰戦役朧夜話

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    船戸与一が描いた戊辰戦争はあくまでも西軍を悪と扱っているようだ。しかし、この物語の主人公は西軍の間諜・物部春介とモモだ。西軍と列藩同盟の間を泳ぎ、西軍を助けながらも物部の醒めた目は世の善悪を公平に語っている。歴史小説にあっても冒険小説の香りを残し、極めて渇いた堅い語り口の物語は船戸与一らしい。

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    2013年01月14日
  • 新・雨月 中 戊辰戦役朧夜話

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    船戸与一が描く戊辰戦争。西軍の北進は止まらず、新潟、秋田の各藩が列藩同盟を裏切り、西軍に協力して行く。血で血を洗う闘いの描写は船戸与一の一連の冒険小説を読むかの如く。

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    2013年01月14日
  • 新・雨月 上 戊辰戦役朧夜話

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    余りというか殆んど歴史小説は読まないのだが、船戸与一の作品ならば読まずにはいれない。長州藩の間諜・物部春介が木戸孝允の密命を受け、新政府軍の北進に暗躍し、元博徒の寅蔵、会津藩の梶原平馬が新政府軍に対抗して行く。あの『山猫の夏』のような船戸与一作品独特の味わいもあり、力強さを感じる歴史小説。

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    2013年01月14日
  • 伝説なき地 【新装版】

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    伝説もない土地におこる物語、
    「石油によるフィーバー;
    石油黄金時代」しかし、枯れてしまった。
    バスク人のエゾリンド
    「希土類」の発見:燐酸イットリウム
    難民コロンビア人から、宗教が生まれる。
    解放戦線への資金調達。 日本人のかかわり合いかた。
    ヘロイン・ルート
    根なし革命

    インディオの生活、そして、インディオの解放の形態。

    その理想のあり方は、

    文明によって、資本の論理によって、
    変化していく様相。

    貧しさ、娼婦

    解放戦線内部での掟;ゲリラであるが故に
    武器を必要とするが故に、「金」を集めるためにどうするのか?
    戦争の際の武器のレベル。

    警察機構、軍隊の腐敗 そして 法律

    コカ

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    2012年11月05日
  • 虹の谷の五月 上

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    フィリピンのセブ島に生まれた日本人とフィリピン人のハーフの少年の成長物語。単純な子供が成長する過程にも、フィリピンという国のフィルターがかかると一味違う。暗い歴史の民族闘争の影がちらつくし、貧困もそうだ。とてもよく取材がされているので、小説の世界の中でいろいろなものを知ることができる。

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    2012年08月28日
  • 国家と犯罪

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     国家とは何か、合法の暴力装置である。合法なるゆえにその罪を問われる者はいない。戦争に負ければその責任は問われるのだが、それも責任のなすり合いで責任者の顔は見えない。勝ち続ければ英雄なのだから、国家に異を唱える人々の屍が累々と大地に横たわることになる。ヒトラーのホロコーストしかり、ポルポトの自国民大量虐殺しかり。同じ誤りをくりかえし反省する気配すらない。更なる暗闇が大きく口をあけて待ち構えている。竹島、尖閣、北方四島など、国境線問題の解決に武力行使は確かに分かり易い。だが、そうやって悪魔は正義の衣を着てやってくるのだ。

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    2012年08月23日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    ブラジルを舞台にした活劇小説
    先住民が白人に裏切られ惨殺された地エクルウ…
    現在のその街では、二つの豪族が対立し殺し合いを続けていた。
    街の住民もほとんどがどちらかの陣営に組していて、双方の私兵が小競り合いを続ける中、
    ある日、突然、両家の娘と息子が手を取り合って駆け落ちした。
    片方の親から娘の捜索を依頼されたのは山猫(オセロット)とよばれる日本人だった…
    と、ロミオ&ジュリエットと用心棒を会わせたような展開です。
    おもろいっす。
    ブラジルにくわしくなるっす。
    ピンガ飲みたくなるっす。

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    2011年09月25日
  • 猛き箱舟 下

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    ネタバレ

    チュニジアの民族紛争という、この人しか書かないテーマだが、 相変わらず地に足がついてないというか、リアリティがないというか。 日本に帰ってからの復讐譚は迫力があったが、 とにかくハードボイルド調が暑苦しい。

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    2011年09月22日
  • 夜のオデッセイア

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    様々なバックグラウンドの登場人物が出てくるけど、それほどの掘り下げはない。船戸作品としては、まだ若いのかしら?と思った。

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    2011年06月06日
  • 午後の行商人

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    面白かった。ロードムービーであり、男としての成長譚であり。”僕”が火を点けるのに迷わずパスポートを使う姿が象徴的で印象に残った。

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    2011年06月02日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    【ネタばれあり】
    いや~おもしろかったですね。船戸与一初読でしたが、先入観としては重たい話を書く人かなと勝手に思ってたのですが、なんのなんの、リズミカルな冒険小説であり、主人公「オレ」の成長記でありと、700ページの分量をサラっと読ませてくれて、とても楽しませてもらいました。

    特に良かったのが、ダーティヒーロー?である山猫の存在。「オレ」が山猫に惹かれ、成長していく様がとても爽快であり、みずみずしさを与えてくれました。

    残念ながら、無敵のヒーロー山猫が死んでしまうところはびっくりしましたが、あれは、彼の育ての親である駒場忠介がそうであったように、良い死に場所、相手を得たからだと思いま

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    2009年10月17日
  • 海燕ホテル・ブルー

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    復讐を心に、5年の刑期を終え出所した藤堂は、落とし前をつけに伊豆下田にやって来た。しかし、1人の女との出会いが藤堂の運命を狂わせる。主人公・藤堂が破滅へと向かう姿には、唖然とした。自己破壊欲のあらわれかとも考えたが、女の情念に徐々に蝕まれていったようにも思える。いずれにしても理性では理解し難い世界。船戸さんの描く人間たちはしばしば常軌を逸した行動をとる。本人の理性も野望も、運命の波あるいは時代の波に飲み込まれていく。読者がそこに何を見るか、というのがポイントなのかもしれない。私も考えてみたが、脳味噌が痒くなるばかり。本書は船戸作品の中でもちょっと異色なものだと思う。

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    2011年09月30日
  • 猛き箱舟 上

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    (昔書いた感想を引っ張ってこようシリーズ)
    ハードボイルドってジャンルはさっぱり読まないんで、これは読んだ唯一無二に近いような。これそれなりにおもしろかったんで、その後もまた読もーと思って、結局さっぱりと手を出してません。うーん。
    そんなわけで、最初の方では主人公が「一人前の男になるんだ!そして、そうなったあかつきには車も今みたいなホンダ・アコードごときじゃなくアルファ・ロメオかポルシェ、ベンツだな…フフフ。そして、やっぱり女も超一級品じゃなくってはな…」とか言ってるのに、こ、こ、これがハードボイルドと言うものなのか!!と超ビックリしました。こんないじましい世界だったのね(笑)
    でも主人公はそ

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    2009年10月04日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    ブラジル東北部の町エクルウは、アンドラーデ家とビーステルフェルト家に支配されている。両家はことごとに対立反目し、殺し合いが絶えない。そんな怨念の町に「山猫」こと弓削一徳がふらりと現れた。山猫の動く所、たちまち血しぶきがあがる。謎の山猫の恐るべき正体はいつ明かされる。南米三部作第一弾。

    「男なら読め!」私はこの本で船戸氏のファンになりました。
     クライマックスにある山猫の宿敵との追跡劇には手に汗を握りました。女性向けではない小説だと思います・・・

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    2009年10月04日
  • 虹の谷の五月 上

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    セブ島に住むジャピーノ、トシオの成長物語。上下巻あって結構分厚いのだけど、スルスル読めます。セブ島の田舎を舞台に、フィリピンの内政事情、ゲリラ、清貧に暮らす人々に、日本の金に目がくらむ人間などが描かれています。

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    2009年10月04日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    辺境冒険エンターテイメント。
    ブラジルの照りつける乾いた太陽の下、百年の抗争を続けてきた町は「山猫」の出現をきっかけに不気味にうねり始める…
    読んでて夢中になるあまり、電車を降り過ごしました。

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    2009年10月04日
  • 山猫の夏 【新装版】

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    日本随一の冒険小説家、船戸与一の名を知らしめた代表作の一つ。初期の作品の中ではベストであろう。
    彼の作品の中には敵に魅力のあるキャラが数多く出てくること。一方、主人公はぱっとしないことが多いのだが、この作品の主人公、山猫の存在感は圧倒的。
    強くクールな男が知りたきゃこの本を紐解け!

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    2009年10月04日
  • 龍神町龍神十三番地

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    久しぶりに分厚い文庫を読んだ(笑)。
    佐藤浩市・柴田恭兵で二時間ドラマ化され、そのドラマが凄くよかったので気になって原作買いました。
    九州の孤島で繰り広げられるドロドロの男臭いミステリー。おじさん多いのでおじさん好きにはおすすめ。でもビデオもおすすめ(笑)。
    どちらかというと映像版みてから本読むと素晴らしいキャストが脳内で演じてくれるので、あとから本を読むのをオススメします。

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    2009年10月04日
  • 猛き箱舟 上

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    刺激を求める若者が、ふとしたことから日本企業の守護神と言われる人物と出会う・・。裏切り、破壊、復習・・。長編だがそのテンポの良さに一気に読破した。

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    2009年10月04日
  • 猛き箱舟 下

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    刺激を求める若者が、ふとしたことから日本企業の守護神と言われる人物と出会う・・。裏切り、破壊、復習・・。長編だがそのテンポの良さに一気に読破した。

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    2009年10月04日