あらすじ
冒険小説の雄が世界の辺境を歩いた傑作ルポ
「わたしは比較的辺境を旅することが多いが、ときどき眩暈を覚えるような光景に出くわすことがある。そこでは人間があまりにも簡単に殺されるのだ……。
国家に対する犯罪。
国家による犯罪。
本書はその二つの相関についてのささやかな旅の報告である(「序にかえて」より)
キューバ、メキシコ、中国、クルディスタン、イタリア…世界の辺境では、いま何が起きているか?
『山猫の夏』『砂のクロニクル』など傑作冒険小説を描き続ける作家が世に問うた巨弾ルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
いまさら説明の必要もない、今をときめく冒険小説の旗手、というか今や大御所と言っていい存在の船戸与一。
すでに2000年に『虹の谷の五月』で直木三十五賞も得ている我が愛しの四天王のうちのひとりですが、デビュー作は1979年の『非合法員』でした。(私の四天王と名づけて、溺愛して全著作を読み込んでいる小説家は、逢坂剛・佐々木譲・高橋克彦、それにこの船戸与一の4人です)
それに先立つこと4年前に、別名の豊浦志朗名義で『硬派と宿命・・はぐれ狼たちの伝説』、そして2年前に『叛アメリカ史』という2冊の渾身のルポルタージュを上梓していることは、彼のファンなら今さら目新しい情報でも何でもない周知の事実ですが、ところが問題の本書は、すでに20冊を超える著書を出して押しも押されぬ作家としての地位を確立しているさなかの20年後の1997年に、まさに船戸与一名義で出されたものなのです。
何故そんなふうに、
・・・・・書きかけ・・・・・