船戸与一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初の方、あまり話に入り込めなかったし途中で少し中だるみしてしまったものの、全体を通して言えば面白かった。
物語の軸となる敷島四兄弟。
順番にそれぞれの物語が進んでいくが、ごちゃごちゃになることもなく読みやすい。
この兄弟達を通して、当時の日本の情勢がよくわかる。
そしてこの四兄弟の前に順番に現れる謎の男、間垣 徳蔵。
この男の存在が不気味で、物語を面白くさせている。
今後、この男と四兄弟がどう関わっていくのか、楽しみだ。
そして、本文の途中に、印象的な一行がある。
"日本人は理論というものから遠ざかろうとしている。一時的な感情のみが行動の基盤になりつつある。"と。
こ -
Posted by ブクログ
コロンビアとベネズエラの国境地帯にある土地の争奪戦。
その土地にレアアースが埋蔵金されていることがわかったため全ての利権を手に入れようと親族も含め全ての邪魔者を排除しようとする土地の所有者側の視点と、神のお告げによりその土地で独自の共同体を設立しようとする新興宗教もどきのコロンビアからの難民たちの視点と交互に語られる。
難民側が正義のように見えるが、個人的には他人の土地で勝手に生活して立ち退かないというのはどう考えても不法占拠。所有者側の情け容赦のない排除ぶりもアレだが、自己責任でやっていることなので彼らの方が理にかなっている。
という若干腹落ちしないところも気にならないぐらい、登場人物の活か -
Posted by ブクログ
もうお腹いっぱいです。
文庫上・下巻で合わせて1210ページの大部。
本書は1991年に毎日新聞社から単行本として刊行されました。
25年も前の作品ですから、割と古い作品といえましょう。
ただ、決して色あせないのは、本書の内容と同様、今もなお宗教、民族、その他の問題で、世界中でおびただしい量の血が流れているから。
しかも、かつてのような国家間の戦争・紛争というよりは、テロという形で世界中に脅威が拡散しており、より困難な時代に直面しているといえましょう。
さて、本書はイスラム革命後のイランが舞台。
世界中に2500万人という人口がいながら、迫害されてきたクルド人が、聖地マハバードで独立国家樹立を -
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もうお腹いっぱいです。
文庫上・下巻で合わせて1210ページの大部。
本書は1991年に毎日新聞社から単行本として刊行されました。
25年も前の作品ですから、割と古い作品といえましょう。
ただ、決して色あせないのは、本書の内容と同様、今もなお宗教、民族、その他の問題で、世界中でおびただしい量の血が流れているから。
しかも、かつてのような国家間の戦争・紛争というよりは、テロという形で世界中に脅威が拡散しており、より困難な時代に直面しているといえましょう。
さて、本書はイスラム革命後のイランが舞台。
世界中に2500万人という人口がいながら、迫害されてきたクルド人が、聖地マハバードで独立国家樹立を -
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船戸与一さんの遺作となってしまった「満州国演義」シリーズ第一作です。
外交官、満州の馬賊の頭領、関東軍、左翼思想に共鳴する学生、異なる道を歩む敷島四兄弟を主人公に、激動の時代を描ききった全九巻に及ぶ超大作。
文庫本になるのを待ってました(^^)
第一作は主な登場人物が出揃い、徐々に戦争へと向かう日本と満州で、その流れに巻き込まれていきます。
まだほんの入り口という感じですが、これぞ船戸与一作品!という雰囲気なので、次巻以降に期待が膨らみます。
この作品は2007年に初版が出たんですが、戦争へと大きく一つ舵を切った今の時代にこそ読まれるべき作品だと思います。さすが船戸与一。
癌との闘病の中で書き